高杉良のレビュー一覧
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「コクがあるのにキレがある」いやいや樋口廣太郎は「キレがあるのにコクがある」!「この味がビールの流れを変えようとしている、スーパードライはガンガン行きます」そうそう「この男がビール業界の流れを変えようとしている、樋口廣太郎はガンガン行きます」!広告のコピーと一体化したような名調子「麦酒王樋口廣太郎伝」でした。住友銀行のトップを取れなかった悔しさをエネルギーに「夕日ビール」と揶揄されていたアサヒビールをNo.1ブランドにした男とそのチルドレンたちの物語。組織って仕組みの箱じゃなくて人のモチベーションの運動体なんだな、と再認識。本宮ひろしにマンガにしてもらえればテンション上がりそう。風味としてはパ
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Posted by ブクログ
ファミリー企業の大手電機メーカーを舞台にした企業小説。
最初に集英社から単行本が発売されたのが1988年。
30年にわたって(出版社が変わりながら)文庫が売れている。
時代を感じる描写が多数でてくる。
登場人物がとにかく、よく煙草を吸う(場所関係なし)。
メールもない、携帯電話もない。
夜や休日、重要な話は直接、自宅に電話。
有力な役員には、夜討ち朝駆け的なアプローチ。
でも、30年前も今も、人事は変わらないのかもしれない。
出世競争、ワンマン経営者のゴリ押し、落としどころの探り合い……。
必ずそこには誰かの意思が存在する。曖昧決着もよくあること。
長きにわたって読み続けられているのが、よくわ -
Posted by ブクログ
ネタバレ面白かった。
営業からマーケティング、そんな出世街道を走っていた広岡に突然の辞令。
人事部へ。
一体何が?裏には会社の思惑が動く。
同族経営の会社の中で、うごめく思惑。
広岡もツメが甘くそこがバレポストを外される。
異動した人事部にて今度は昇進した同期を守る。
同期は金を作っていた。
面白と同時にリーマン世界に触れられる。
p12
浮き貸しなどの不正が行われている場合を考慮して、とりつくろうひまを与えないためにも、抜き打ち的に辞令を発令する必要があるのだろうが、
→銀行の事情がわかった。
p18
本部付けでラインにも入れてもらえないそうです。
→ラインという言葉を覚えた。
p27
きみ、 -
Posted by ブクログ
マルちゃん正麺でお馴染みの東洋水産創業の物語。
実名小説であるため、物語にはある程度のリアリティがある。創業者森和夫が第一物産、日華食品(日清食品)という大企業からの圧力に真っ向から立ち向かう姿が痛快。創業者の森和夫は第二次大戦を生き延びた人物で、長いものに巻かれない大胆な姿勢は、その経験によるものだろう。
大企業に立ち向かう若社長という構図はドラマの様だが、それでいて実在の人物や組織をモデルにしているのだからドラマ以上に面白い(どこまで事実かは知らないが)。ビジネスの後ろ側を大胆に描いている。
この森和夫のように常に清くありたいものだ。しかし、自分にはそんな忍耐は無いので生きるうえで大事なこ