高杉良のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ現在はスーパードライなどの製品を筆頭に、ビール業界において圧倒的シェアを誇るアサヒビールにも「夕日ビール」と揶揄され、競合他社に後塵を拝していた時代があった。この低迷期に三井住友銀行副頭取の立場から再建を任され、社長に就任したのが樋口廣太郎である。この小説は樋口に焦点を当てたものである。
樋口は持ち前のリーダーシップと強いこだわりを生かし、時に周りを混乱させながらも改革を断行していく。特に以下の文章は印象に残った。
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【仕事十則】
1.基本に忠実であれ。基本とは、困難に直面した時、志を高く持ち初心を貫くこと。常に他人への思いやりを忘れないこと。
2.口先や頭の中で商売するな。心で商売せよ。
3.生きた金を使え。死に金を使うな。
4.約束は守れ。守れない約束はするな。
5.出来ることと出来ないことをはっきりさせ、YES/NOを明確にせよ。
6.期限のつかない仕事は「仕事」ではない。
7.他人の悪口は言うな。他人の悪口が始まったら耳休めせよ。
8.毎日の仕事をこなしていく時、「いま何をすることが一番大事か」ということを常に考えよ。
9.最後までやり抜けるか否かは、最後の一歩をどう克服するかにかかっている。これは集中力をどれだけ発揮できるかにかかっている。
10.二人で同じ仕事をするな。お互いに相手がやってくれると思うから「抜け」ができる。一人であれば緊張感が高まり、集中力が生まれて良い仕事ができる。
「チャンスは貯金できない」
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まさに骨太な、現在では忌避されるような経営者。しかし、成功の裏には数多もの失敗があったはずである。
それらのリスクを背負いながらも、経営者としてやると決めたことを断行してく姿はまさに昭和の時代を思わせるものであり、現在このような意思決定をできる経営者はどのくらい存在しているのだろう。1つの側面を見て経営者を評するのではなく、改めてその根幹にある思想に思いを馳せることの重要性を痛感した。 -
Posted by ブクログ
「コクがあるのにキレがある」いやいや樋口廣太郎は「キレがあるのにコクがある」!「この味がビールの流れを変えようとしている、スーパードライはガンガン行きます」そうそう「この男がビール業界の流れを変えようとしている、樋口廣太郎はガンガン行きます」!広告のコピーと一体化したような名調子「麦酒王樋口廣太郎伝」でした。住友銀行のトップを取れなかった悔しさをエネルギーに「夕日ビール」と揶揄されていたアサヒビールをNo.1ブランドにした男とそのチルドレンたちの物語。組織って仕組みの箱じゃなくて人のモチベーションの運動体なんだな、と再認識。本宮ひろしにマンガにしてもらえればテンション上がりそう。風味としてはパワハラギリギリな感じもして、昭和って、「おやじの王国」だったのだ、としみじみ。途中登場する安藤忠雄が主人公に「おっさん…」と呼びかけるくだりがあり、それにはリスペクトが込めてあるように感じ、一方、平成最後の年のW杯での「おっさんジャパン」は揶揄100%な感じで、その対比が時代の流れを感じさせます。この物語に出てくる妻たちも、そんな奥さんいるの?!とびっくりするような良妻列伝だし。昭和は「おっさん」の時代、平成は「おぼっちゃま」の時代、そんな雑な感想を抱いてしまいました。
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Posted by ブクログ
ファミリー企業の大手電機メーカーを舞台にした企業小説。
最初に集英社から単行本が発売されたのが1988年。
30年にわたって(出版社が変わりながら)文庫が売れている。
時代を感じる描写が多数でてくる。
登場人物がとにかく、よく煙草を吸う(場所関係なし)。
メールもない、携帯電話もない。
夜や休日、重要な話は直接、自宅に電話。
有力な役員には、夜討ち朝駆け的なアプローチ。
でも、30年前も今も、人事は変わらないのかもしれない。
出世競争、ワンマン経営者のゴリ押し、落としどころの探り合い……。
必ずそこには誰かの意思が存在する。曖昧決着もよくあること。
長きにわたって読み続けられているのが、よくわかる一冊。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ面白かった。
営業からマーケティング、そんな出世街道を走っていた広岡に突然の辞令。
人事部へ。
一体何が?裏には会社の思惑が動く。
同族経営の会社の中で、うごめく思惑。
広岡もツメが甘くそこがバレポストを外される。
異動した人事部にて今度は昇進した同期を守る。
同期は金を作っていた。
面白と同時にリーマン世界に触れられる。
p12
浮き貸しなどの不正が行われている場合を考慮して、とりつくろうひまを与えないためにも、抜き打ち的に辞令を発令する必要があるのだろうが、
→銀行の事情がわかった。
p18
本部付けでラインにも入れてもらえないそうです。
→ラインという言葉を覚えた。
p27
きみ、人事ってどんな仕事かわかってるのか。社員のクビのすげ替えをやる部門ぐらいに考えてるんだろうが、そんな単純なものじゃないぞ。人事異動を人事部が勝手にやれるわけでもないし、よく言えば調整機能だが、御用聞きみたいなもので、ねんがら年中社内をうろうろしてなければならんのだ。
→人事の事がよく分かった。
p129
参事の資格をクリアするのはたしかに難しいと思います。年齢的にも無理があります。通常は入社20年以上25年までとなってますが、
→出世の狭き門な事よ。。
p148
広岡は三田に冗談ともつかずに言われたが、もちろん「とんでもない」と答えた。
→広岡が妻以外の女性と外国旅行に行ったのではと疑われた際に三田常務がパスポートを預かろうとした際に、預り証を発行するか聞いた時に広岡が言った言葉。
三田常務を信頼しているからこそ、上司だからこそ言った言葉と思う。
p185
広岡は、名刺入れに挟んでおいた祝儀袋を差し出した。
張り込んで三万円包んだ。開店初日は、招待されて無料だからご祝儀は仕方ない。
→開店初日のご祝儀の事を知った。