あらすじ
ワタミフードサービスを率いる渡邉美樹は、山積する課題に直面していた。フランチャイズ店の不振、迫られる業態転換、子会社化を求める大企業との攻防、仲間との別れ。新ブランド「居酒屋 和民」の成功で困難を乗り切った渡邉は、かつて、「僕が語る夢には日付が入っています」と妻に約束した念願の株式公開に向け、歩み続ける。家族、友情、取引先との信頼関係に支えられ、ベンチャーに乗り出した男の爽快な傑作サクセスストーリー。
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株式公開に向けて前進したかに見えたワタミ。KEI太の伸び悩み、唐変木の業績悪化、日粉からの子会社化の圧力、社員の不正や飲酒事故、そして創業以来の仲間の退職と幾つもの苦難が押し寄せます。しかし、国際証券の豊田氏との出会いをきっかけにして思いを更に強くし、長年の目標だった店頭公開を果たします。大きな目標を達成するには、"日付を入れた夢"という計画に沿った周到な準備と周囲を取り巻く人間との理解や協力が必要だという人生訓とともに、苦難な時代に培った経営哲学が今のワタミの礎にあるような気がしました。
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高杉良のいわゆる経済小説初体験。
内容は、ワタミの会長渡邊美樹の若い頃からワタミを大きくするまでを描いた小説。
感想。高杉さんも渡邊さんもすごい。
渡邊さん、佐川急便で仕事してたらしい。大学を出て佐川でバイトする奴なんていないから「大卒」というあだ名を他のスタッフにつけられ、いじめのようなことをされながらも「起業のために短期でお金を貯めたい」という思いから、頑張ったのだそう。
小説を読んでて思うのが、渡邊さんは常に目標を持っていて、その目標には数字がついているということ。
こういう生き方をできたら強いだろうなと思う。
また、この小説読んでると、渡邊さんが自分で書いたものかと錯覚してしまうことがあるほど、忠実に書かれている。
高杉さん、すんごい取材したんだろうなぁ〜。本当に恐れ入りました。
そして、上巻の途中らへんから、やたらお好み焼きの話が出てくるのでお好み焼きがたべたくなります(笑)
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下巻はFC展開から株式上場までを描いている。下巻も一気に読むことができた。「夢に日付を入れる」など渡邉の理念が随所に盛り込まれ、起業してから規模拡大、株式上場へどのように物事が進んでいったのかを細かく知ることができる。その中で、慕われたり裏切られたりといった人間ドラマが散りばめられ、非常に人間くさい魅力的な小説に仕上がっている。細かな描写は作者高杉のこまやかかつ丹念な取材によるものであろう。圧巻である。
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この本を読んでからワタミに行くと、いつもとは違う不思議な感覚に襲われる。
会社設立のプロセスや株主総会の実態、株式上場の流れなど下手な経営学や経済学まなぶよりず〜っと勉強になる。さすが経済小説の雄。
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ワタミ渡邉社長の物語。
名前、地名等全て本名で書かれている。
社長がこれまでどんなことをしてきたかの経歴の羅列はほとんど分かっているのだが、その過程で具体的にどんなことをしてきたかがこの本で分かる。
しんどい思いはしてきているがそれは自分の夢のため。
この本を読んでいて、「人との出会いの大切さ」に気付く。
事を成すにはたくさんの人の支援があってこそ、と思わせてくれる。
これからも自分を高めてくれるような素晴らしい方と出会えるように自分の力を高めよう。
流れに乗って読んだら‘えびせん’ばりに止まらないぜ。^^
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下巻では、引き続き社長のカリスマ的な魅力とともに、ワタミの従業員に対する考え方、育て方がよくわかる。
ワタミの文化にしっかりマッチする人を見極め、充実感のある仕事をしてもらう。挑戦をさせ、実力主義で能力を認めると同時にはっぱをかけ成長させる。そして、その人間を大切にする。会社において人と、その人々の気持ち、ベクトルをまとめて調節して進めていくリーダーの重要性を強く感じた。
また、体の思い亀になって、強く、じっくり、しっかりと前に進んでいこうという思想は印象に残った。
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ワタミ社長が若い頃どれ程の努力をされたかがわかる本。今ではブラック企業と言われてしまうようなことも多々あるが、ワークアズライフ的な生き方をされているとも思った。
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渡邊美樹氏の店頭公開に至るまでの失敗を含めたサクセスストーリーだ。とてもパワーのある人だと思う。外食業界の内情、人の出入りの激しいことはよくわかった。一番印象に残った言葉は逆境に悲観せず、順境に楽観せず、現状に満足せずである。戒めにもなるフレーズだ。必ずルールを守れ、こころを表現する、誠実さ、世のため人のために尽くす、人類の幸福への貢献、夢に日付けを。この人の凄いところは常に目標をもって実現していくところだ。真似をしていきたい。
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ワタミ社長のノンフィクション小説の下巻。
この本のすごいところは、例えばワタミが店頭公開するところ。
店頭公開にあたって必要な書類や質問事項への回答などが具体的に書いてあり、他では目にすることができない情報として非常に新鮮でした。
読み終わって、『新・青年社長』を読みたくなっています。
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ワタミが店頭公開から2部上場まで。
資本金の配分について、大会社の日粉と
ぎりぎりの交渉を行ったり、一時好調だった
お好み焼き事業からの撤退。
様々な人との出会いがあり一方、
設立当時のメンバーが去っていく等
苦労があった事がわかる。
今は1部上場し、介護事業、教育などにも
活動の幅を広げ、TVコメンテータとして活躍している。
天狗になってたまるか。と社内報で言っていたが
大企業となった今でも、その理念は薄まっていないのだろう。
近所のワタミはやっぱりサービスがいい。
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この本では、東証2部上場までが語られることになりますが、その後、コムスンの介護事業を助けようとしたり、学校の改革に乗り出したりと、一環して社会貢献ができる分野に乗り出しているのがわかります。
アソシエやさまざまな書籍を見ている間にできた自分的な渡邊氏のイメージとしては、温和な笑顔ばっかりの人だったのですが、本書で多少イメージが変わりました。やっぱり基本は温和な人のようですが、時にはそうではない面を覗かせることもあり、社長というのは笑っているだけでは仕事にならないんだなぁと思いました。
今も昔も好きな経営者のうちの一人なので、これからも見物(笑)を続けていきたいと思います。
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ワタミフードサービスを率いる渡邉美樹は、山積する課題に直面していた。フランチャイズ店の不振、売り上げ減少で迫られる業態転換、事実上の子会社化を求める大企業との攻防、仲間との別れ。一方で低価格路線の新ブランド「居食屋和民」は順調に軌道に乗り、不屈の闘志で困難を乗り切った渡邉は、かつて「僕が語る夢には日付が入っています」と妻に約束した念願の株式店頭公開へ向け、着実に歩み続ける。家族、友情、取引先との信頼関係に支えられ、ベンチャーに乗り出した男の、爽快なサクセスストーリー。
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唐変木「下北店」のテコ入れが必要になる。
アイデアを募りながら自ら考える。
立地のマイナス要素をアイデアでカバーしようとする。
宅配お好み焼き、それが後に事業化し、お好み焼きKEI太となる。
一方自社ブランド和民、手作り居酒屋を出発。
上場へ向けて。
日本製粉とのやりとり
出店、撤退、出会い、別れを繰り返し、経営者として成長していく渡辺、
そこにはやはりドライになっていくことが必要なようだ。
最後に決断をくだすのは社長なのだから。
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下巻ではワタミが株式店頭公開に至るエピソードが中心に描かれています。その数々の苦難の道と、それに抗う不屈の闘志には、ただただ感嘆するばかりです。この物語は実話に基づき忠実に書かれたものとのことですが、改めて渡邉社長の偉大さを思い知らされました。やはり巨人だ!
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青年社長下巻。
後半はちょっとんん…と思うところがあったりなかったり。
笠井さんの離脱とか、株式公開のところはなんだかなぁと。
起業であったり、企業というのはこんなにきついのか…と思うわけです。
高杉良の小説はほんとうに小説で。
何がいいたいかと言えば、自分以外の人生を体感できるという小説の役割をビジネスを扱ったもので出来るのはすごいの一言。
取材量が多いんだろうなぁと思う。
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お好み焼きチェーン撤退から和民設立、株式公開まで。様々なやり取りがあり、会社を守ることの難しさを知る。この下巻では「人」の難しさが印象的。他企業との利害関係、モチベーション・人材管理など。人を導く、って難しいよね。
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下巻。お好み焼き店の成功と衰退、和民の始まり、店頭公開から現在。正直本にしたらあと2冊は必要。それぐらい物語後の成長はすごいし、これからも伸び続けるだろう企業。
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渡邊美樹氏の和民を立ち上げ、大きくする話。
トラックドライバーから資金集め、情熱的なプロポーズ等昭和な背景でどんどん会社が大きくなるところは面白く読めた。が、外食しないしあまり外食産業に興味がないせいか、下巻の半分までで飽きてしまったな。
外食産業に興味がある人には是非。
Posted by ブクログ
ワタミ創業者の渡邉美樹にフォーカス。社長になったあとのことしか知らないひとにとっては、何となくブラック企業のイメージが先行してないだろうか。
本書を読むとこの人の初志貫徹ぶりを貫く姿勢に驚く。まだ若かりし頃佐川急便のセールスドライバー時代の描写は面白い。入れ替わりの激しい外食産業において一代で地位を作り上げたことは名を残した経営者と言っていいのでは。
どうでもいいですが自分はワタミファンです。マラソン後に高校同級生とビールをひたらす頼み続け、最高のタイミングでビールのおかわりを届け続けてくれた千葉のワタミの女性店長が忘れられません。
Posted by ブクログ
下巻まで読み終えて
第16章「資本の論理」も第19章「店頭公開」もワタミ側からの視点しかないのは止むを得ないところか。もう少し多面的な視点があればもっと勉強になった。
ワタミ氏のバイタリティはすごいと思うし、参考になる点は幾つもあった。
でも、この本を読んでもワタミやワタミ氏に対する良くないイメージを払拭できなかった。自分が正しいと思うことがすべてだと思えなきゃここまでのことは成せないのかもしれない。
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渡辺美樹は、次々に成長していくが、
あとのスタッフが落ちこぼれている。
創業者 金子、黒沢
「金子」が常務になるが、しかし、岡本の参入で脱落。
「黒沢」が、唐変木つくりでがんばるが、落ちこぼれる。
「笠井」が、日本製粉のきっかけつくりとなるが、
しかし、お好み焼き 宅配チェーンの閉鎖で撤退。
江村が途中参入でがんばる。
「利益を上げる構造」がいります。
何故、お好み焼きがうまくいかなかったのか?
お好み焼きは、「高級感」を演出しにくい。
お好み焼き宅配は、うまくいくと思ったが・・
「早くつくる」というハードルを越えることができたが、・・
「高い」というハードルを越えることができなかった。
お好み焼き 14人の社員で、8億円売り上げる。
それで、「利益」が上がらない。
何故だろう。
小さな22-29坪のオフィスでできる
ピザは、「冷蔵庫」がいる。
ピザは、「単価」が高い。
食の世界で重要なのは、
「立地条件」「基本的コンセプト」「接客に対する考え方」
と「職員の姿勢。」
スタッフとの<協力関係>
「創業者利益」とは何か?
株の持つ魅力・・・
素質、環境、偶然,意志の4つの要素が人間をつくっている。
Posted by ブクログ
上下を読む。
まず、社長の苦労がにじみ出ている。楽しい時もあれば苦しい時もある。ただ、渡邉氏はそんな苦労のときも絶対に情熱と社員に対する愛情を失うことはなかった。
文面にもカリスマ性というフレーズが使われているが、まさにその通りの人物なのだろうと思う。
また一方で、作者の文章力に違和感を持つこともあった。もちろん文章は下手ではなくわかりやすい。ただ一つの小説として見た場合にセリフの言い回しがやや単調な気がした。
題材が現実に基づくものであり、情報の細かさに取材を重ねた形跡が見られるが、その分現実に即してしまい、クライマックスと思われた株式公開の件でも、公開に必要な項目や金額、質問内容等を詳細に記しており、小説としての見せ場が通常の小説とはかなり違う印象を受けた。生々しくリアルではあったが…。
自分としてはこの件では人と人の熱いぶつかり合いやこれまでの伏線の回収になるのだろうと想像してしまった。経済小説といわれるものを読むのは初めてなので勝手の違いに戸惑った。確かに突然フィクションを入れられても混乱するばかりだ。
とはいえ経済小説の門を叩く事ができたので、次もチャレンジしたい。