無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで200万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
※期間限定無料版、予約作品はカートに入りません
Posted by ブクログ
バブル崩壊後の日経新聞を題材にした小説の下巻。
解説を読んで本著にまつわる裁判の模様も知るコトができましたが、この文庫版で登場していた「宇野社長」は、文庫化前は「亀田社長」だったそうで、どうもそれが実在した鶴田氏的にはNGで裁判に発展した、というエピソードも語られていました。なんとも…。
主人公の記者、倉本が現場から社長室に異動したところで日経…じゃない、東経産新聞自身の醜聞が出てきて、主人公も巻き込まれる、というのは流石にできすぎているので、主人公のモデルはいないのか、複数人物なのか。
腐敗した経営陣を告発する流れの中で、経営陣に与する人、自浄作用を働かせようとする人、だんまりを決め込む人、といったスタンスがあって、正しいコトをしたいが、出世は…みたいな葛藤が存在しているあたり、ほぼ現実の出来事として本著を認識してしまうのが、著者の力量なんでしょうか。
本著、下巻の後半はほぼ東経産新聞の子会社で裏金が作られていた事件に充てられていて、株主総会での株主提案なんかもあったりして、コーポレートガバナンスの話だなぁと。
本著を読んで思ったのが、いま広がりつつある執行役員制度は理に適っているのかな、ということです。
一般論として、取締役は「(従業員の業務執行の)チェック機能」と言うものの、「同じ釜の飯」をずっと食べてきた社内生え抜き人材が取締役になって身内のチェックをするというのは、やっぱ無理があるのかな…と思いました。(社外取締役のチェック機能がどこまで利くのか、というのは別のテーマとしてありそうですが…)
そう思うと「取締役」は、今後、サラリーマンの目標ポストではなく、特殊職になっていくのでは…。
上記を踏まえつつ、日経新聞社さんの会社概要を見てみると、執行役員制度が入ってる訳でもなく、取締役は全員社内取締役の身内で、監査役も含めて全員男性。
日経自体は上場会社じゃないので、上場会社に求められるルールに従えと言える理屈は無いんですが、モヤモヤとアタマに浮かんでくる言葉は、紺屋の白袴だったり、「おまいう」だったり、何とも悩ましいです。
…と、本著の感想から大きくブレましたが(笑、マスコミに対する理想と現実を、楽しく、良く、理解できる、例えば業界を志望する学生さんなんかにはひょっとするとインターンよりも有用な1冊ではないかと思います。
著者の他の作品も業界基礎教養的に読んでいきたいところです。次はワタミの『青年社長』かな…。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。