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ワンマン社長の独裁体制のもと、全国紙・東京経済産業新聞社は混迷を深めていた。ついには子会社の手形流出という仰天の事態が発生。架空発注で手形を乱発し裏金作りにあてていたのだ。バブル経済を煽ったとの批判を受けつつも、日本経済の発展を支えた誇りまでかなぐり捨てるのか? 心ある新聞記者たちの、醜聞にまみれた経営陣との闘いが始まる! マスコミ経営の内実を暴き、報道の倫理と責任を鋭く問う、経済小説の真骨頂。
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Posted by ブクログ
バブル崩壊後の日経新聞を題材にした小説の下巻。 解説を読んで本著にまつわる裁判の模様も知るコトができましたが、この文庫版で登場していた「宇野社長」は、文庫化前は「亀田社長」だったそうで、どうもそれが実在した鶴田氏的にはNGで裁判に発展した、というエピソードも語られていました。なんとも…。 主人公の...続きを読む記者、倉本が現場から社長室に異動したところで日経…じゃない、東経産新聞自身の醜聞が出てきて、主人公も巻き込まれる、というのは流石にできすぎているので、主人公のモデルはいないのか、複数人物なのか。 腐敗した経営陣を告発する流れの中で、経営陣に与する人、自浄作用を働かせようとする人、だんまりを決め込む人、といったスタンスがあって、正しいコトをしたいが、出世は…みたいな葛藤が存在しているあたり、ほぼ現実の出来事として本著を認識してしまうのが、著者の力量なんでしょうか。 本著、下巻の後半はほぼ東経産新聞の子会社で裏金が作られていた事件に充てられていて、株主総会での株主提案なんかもあったりして、コーポレートガバナンスの話だなぁと。 本著を読んで思ったのが、いま広がりつつある執行役員制度は理に適っているのかな、ということです。 一般論として、取締役は「(従業員の業務執行の)チェック機能」と言うものの、「同じ釜の飯」をずっと食べてきた社内生え抜き人材が取締役になって身内のチェックをするというのは、やっぱ無理があるのかな…と思いました。(社外取締役のチェック機能がどこまで利くのか、というのは別のテーマとしてありそうですが…) そう思うと「取締役」は、今後、サラリーマンの目標ポストではなく、特殊職になっていくのでは…。 上記を踏まえつつ、日経新聞社さんの会社概要を見てみると、執行役員制度が入ってる訳でもなく、取締役は全員社内取締役の身内で、監査役も含めて全員男性。 日経自体は上場会社じゃないので、上場会社に求められるルールに従えと言える理屈は無いんですが、モヤモヤとアタマに浮かんでくる言葉は、紺屋の白袴だったり、「おまいう」だったり、何とも悩ましいです。 …と、本著の感想から大きくブレましたが(笑、マスコミに対する理想と現実を、楽しく、良く、理解できる、例えば業界を志望する学生さんなんかにはひょっとするとインターンよりも有用な1冊ではないかと思います。 著者の他の作品も業界基礎教養的に読んでいきたいところです。次はワタミの『青年社長』かな…。
実は上巻いまひとつだったのだが、下巻はおもしろい! 子会社の不祥事をめぐるやりとりがリアルです。 一気に読みました。
日経新聞社をモデルに、過去の事件や会社の体質に鋭く斬り込んだサラリーマン小説。 この時代を生きていないからこその難しい部分はあれど、今も昔も変わらない、どこの企業にでもありがちな会社組織トップの腐った体質、ミドルの反発や立ち回りに暮れる様子がすごく巧みに描かれていて、そういった部分がとても面白かった...続きを読む。
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