あらすじ
天才・田中角栄がもっとも畏れた男とは?
「財界鞍馬天狗」の生涯を描き出す決定版!
日本興業銀行頭取、経済同友会代表幹事を歴任した中山素平。
新日鉄発足、NTT民営化、国鉄分割、東京ディズニーランド開園……。
時代を画する案件の向こうには、必ずこの男がいた。
格差社会が叫ばれる今日、つよく温かいリーダーの実像を描き出す。
「文藝春秋」連載時から話題沸騰、待望の文庫化!
【目次】
第一章 総理来たる
第二章 石油危機
第三章 二つの大事件
第四章 国鉄分割化異聞
第五章 アメリカから来た女性研修生
第六章 魔法の国への扉・こころの産業
第七章 中国プロジェクト
第八章 “興銀ますらお派出夫”たち
第九章 募金行脚
第十章 尾上縫事件
第十一章 さらば興銀特別顧問室
第十二章 大統合の行方
解説 加藤正文(神戸新聞姫路支社編集部長)
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かつてのエリート銀行日本興業銀行(現在のみずほ銀行の前身の一つ)の実力者中山素平氏の物語。
興銀は戦後日本の産業は育て上げた長期融資を行なっていた銀行である。この本ではそんな興銀の中山素平氏が携わった新日鐵誕生、NTT、国鉄分割、ディズニーランド開演、最後はみずほの誕生まであらゆる案件が登場する。
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中山素平は財界鞍馬天狗と言われた異色の経営者。権力に媚びず、叙勲や褒章を拒み、自伝の類いも残さなかったそうです。地位や名声にしがみつく経営者が多い中で、中山さんのようなリーダーが社会を先導して欲しいと思います。
Posted by ブクログ
財界鞍馬天狗と呼ばれた中山素平さんの関わられた案件を、私の大好きな企業小説家である高杉良氏が、軽妙なタッチで描いた作品。とても気楽に読破することができました!
Posted by ブクログ
前後の脈絡なく、コラージュ風の分厚い一編。バンクトップの肚の据わり方、交渉術、本音を韜晦する話術など、偉い人の素質というのがわかるような気がする。
Posted by ブクログ
財界鞍馬天狗といわれ、戦後日本の政官財界に大きな影響力を発揮した中山素平の物語。
中山氏が日本開発銀行の経営の第一線を退いてから手掛けた案件は、NTT分割、国鉄分割、ディズニーランド開園、国際大学設立と、戦後日本の大きな案件ばかり。まさにフィクサーというところでカッコいいのだが、あまりにも一般サラリーマンの世界とは異なりすぎて、その生き方に共感するというところまではいかなかった。
多くの国民が中流意識を持ち、終身雇用のもと、大いに会社、経済を発展させたのが日本の強さであり、それをベースに社会設計をすべきだった。しかし、途中で日本は間違えてしまったという中山氏の意見には、今となってみればなるほどなと、思うところはあり。