高杉良のレビュー一覧
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おそらくはうちの銀行が主なモデルの金融小説。
会長による不正融資、MOFへの接待、不可解な人事、暴力団との絡み、住専問題…
バブル後の痛みに痛んだ銀行の内部が1人の感情的で正義感の強い主人公の目を通して描かれている。
読んでいるうちにテンションが下がってきたが、次第に視点は変わってきた。
・絶望するような現実の前でも頑張れば正義が通ることもあり得る。
・内部の権力闘争はハンパない。
・政治と金融は切っても切り離せない。
人生キレイゴトだけで生きていけるとは思わないけど、いかにキレイゴトを大事にするかも大事だし、今は余計な心配をせずに夢を持って1日1日がんばろう! -
Posted by ブクログ
昭和電工疑獄事件と芦田内閣についての話が中心。特に、興銀の総裁から閣僚になった栗栖赳夫の秘書官三ツ本常彦が拘引された時の苦悩が描かれている場面が印象的だった。英和辞書を丸暗記して覚えたページを破り捨てるという話には驚いた。
また、興銀マンの結束の強さ、興銀を再建して長期資金を民間に投入することが自分たちの使命であり、それが日本経済と産業の復興につながると確信し、身を粉にして働く姿には感動する。
サブプライムローンを端として日本にも降り掛かってきた金融危機、東日本大震災といった現在直面する大きな問題に対して、政策投資銀行などの政府系金融機関に勤める人たちが、この頃の興銀マンのように働いていて欲 -
Posted by ブクログ
父親から勧められて読んだ。小説のタイトルの通り戦前から戦後にかけての日本興業銀行の話。第一部は世界恐慌あたりから日本興業銀行の再建準備をしているところまで。
救済金融が必要とされる状況で、興業銀行も資金繰りが厳しいのに、担保主義金融から事業主義金融への転換を行った結城豊太郎総裁が大人物であると思った。銀行のトップの人物がこのように社会を良くしようと本気で考えてそのために行動していたということを知って感動した。
また、人事が大変だなと感じた。総裁が変わるとか理事が交代する時に、内部の人の了解だけでなく、大蔵省やらOBやらが出てきて話し合いが行われててて、そこで折り合いをつけるのにとても苦労してい -
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高杉良のいわゆる経済小説初体験。
内容は、ワタミの会長渡邊美樹の若い頃からワタミを大きくするまでを描いた小説。
感想。高杉さんも渡邊さんもすごい。
渡邊さん、佐川急便で仕事してたらしい。大学を出て佐川でバイトする奴なんていないから「大卒」というあだ名を他のスタッフにつけられ、いじめのようなことをされながらも「起業のために短期でお金を貯めたい」という思いから、頑張ったのだそう。
小説を読んでて思うのが、渡邊さんは常に目標を持っていて、その目標には数字がついているということ。
こういう生き方をできたら強いだろうなと思う。
また、この小説読んでると、渡邊さんが自分で書いたものかと錯覚して -
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高杉良作品「勇気凛々」
高杉良作品の実名・実話小説です。
自転車製造、販売会社「ホダカ」の創業者 武田光司が
サラリーマンから独立、最初は赤字続きが続くが
持前のガッツさ、熱い魂で多くの苦難を乗り越え
成長していく姿を描いた作品。
私が一番印象に残っているのは
数行のみだが武田光司とイトーヨーカ堂 伊藤雅俊会長との出会いの場面。
そこで伊藤雅俊会長の懐の大きさ、そして何より
「お客様が第一」という考えがうかがえる。
ホダカだけではなく、イトーヨーカ堂の成り立ち成長も
描かれている小説なので
大企業が大企業になるまでの過程
はたまた今、この時代に転職、裸一貫で独立をしようとしている人に
う