高杉良のレビュー一覧

  • 乱気流 上 小説・巨大経済新聞

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    高杉良氏による、バブル崩壊の頃の日経新聞を題材にした小説。「対抗誌のないのをいいことに、経済情報を独占し、いい気になっている点を反省してもらいたいな。」と登場人物に言わせるという(笑
    調べればわかる「ほぼ史実」「ほぼ実名」の内容を取り上げつつ、結構にこき下ろしていて、これはこれでかなり勇気がないとできない振る舞いだなと思いました。
    …と思ったら日経の鶴田元社長と島田元常務に名誉棄損で訴えられてたんですね。提訴時に講談社と著者が発表したコメントがなかなか奮っていて、「言論・出版の自由を守るべき立場にある代表的新聞社の元トップと現役の最高幹部が、あろうことか文芸作品の出版禁止命令を公権力に求めるな

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    2022年09月11日
  • 雨にも負けず ITベンチャー奮闘記

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    主人公は架空の人物、企業も架空の企業と思って読んだが、解説を読んで「あれっ?」と思いインターネットで調べてみたところ、主人公の北野譲治氏は実在の人物で、イーパーセルも実在の企業であった。自分の無知を恥じるしかない。ちなみに北野氏は現在もイーパーセルの社長である。

    当初は架空の人物と思って読んでいたため、「こんな調子のいいことあるんかいな?」と思っていたが、実際の出来事も多いのだろう。

    北野氏の才能にもよるが、大切なのは一つひとつのことを誠実に続けていくことだと本書から感じた。

    なお、先日読んだ『最強の経営者』でも触れていたが、本書でも村山富市元首相の人柄を非常に高く評価してる。これは作者

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    2022年06月17日
  • 最強の経営者 アサヒビールを再生させた男

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    経済小説は数多くあるが、これは主人公が実名になっている。また実名で登場する人物が多い中で、実名ではない人物もおり、それが少々分かりにくい。

    人物伝ではなくあくまでも小説なので、例えばフジサンケイグループの鹿内氏を辞任させたシーンなど、本当の出来事かどうか分からない場面が数多くある。フィクションがかなり多いのだろう。

    とはいえ、樋口氏がアサヒビールを立て直したこと、またスーパードライが樋口氏なしでは産まれなかったのは事実である。樋口氏がもの凄いパワーの持ち主であることが窺えるが、実際もそうだったのだろう。

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    2022年06月08日
  • 灼熱起業

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    たまたま書店で見つけて手に取りました。高杉良さんの経済小説はその昔よく読んでました。日本興業銀行などなど。。
    「灼熱起業」というタイトルに、なぜかアジアで起業した人の話かなと興味をひかれ、買ってしまいました。
    感想は。。面白い!
    「マルキン自転車」はなんとなくブランド名だけは知ってましたが、そのメーカー「ホダカ」は知りませんでした。
    実名がバシバシ出てきてわかりやすく読めます。イトーヨーカ堂伊藤雅俊さんの著書が引かれていて、そこに「ディセントラライゼーション」とか、チェーン店経営の話題であるが、Web3で議論されてることと通じることも出てきてとても興味深いです。
    現代のテック系起業家にも読んで

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    2022年03月16日
  • 最強の経営者 アサヒビールを再生させた男

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    シェアが低迷していたアサヒビールを立て直した人の話。
    経営者に必要なものはたくさんあるとは思うけど、本書からは固い意志と情熱が強く感じられる内容だった。ある意味昭和的なのかも。

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    2022年02月11日
  • 辞表―高杉良傑作短編集―(新潮文庫)

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    傑作短編集と謳うだけあって、どれも楽しく読めた。人事という共通のキーワードで進むそれぞれの話、時代は違えども、どうしても「人事」というものに大きく左右されるサラリーマンの悲哀を感じてしまった。会社が大きくなればなるほど、そこには理不尽が散りばめられている。それと付き合いつつ時には我慢しながら生きるのか、もしくは脱藩の道を選ぶのか、人生それぞれ。(それにしても、あとがきを書いている人物には驚かされた。)

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    2021年12月16日
  • 最強の経営者 アサヒビールを再生させた男

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    1987年私が二十歳になった年にアサヒスーパードライが発売されテレビCM、新聞広告は非常にセンセーショナルで、コンビニの入口に「アサヒスーパードライはお一人様3本まで」と書かれていたのを思い出します。経営者の本を何冊か読んだ中で惹き付けられたのは出光佐三氏、本田宗一郎氏、そして樋口廣太郎氏です。バブルの絶頂期でしたが設備投資と増産のための工場設立に社員や回りの経営陣はハラハラさせられたと思います。しかし一番の功績は自分のあとの経営をアサヒの生え抜きの人にバトンを渡したことではないかと思います。

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    2021年09月26日
  • 勁草の人 中山素平

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    中山素平は財界鞍馬天狗と言われた異色の経営者。権力に媚びず、叙勲や褒章を拒み、自伝の類いも残さなかったそうです。地位や名声にしがみつく経営者が多い中で、中山さんのようなリーダーが社会を先導して欲しいと思います。

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    2021年05月22日
  • 最強の経営者 アサヒビールを再生させた男

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    ネタバレ

    樋口廣太郎さんは、自己肯定感が強く有言実行する人だ。且つ人への気遣いができるので皆んながついてくるし頼られる。受けた仕事は最後までやりきるし後継者の事も考えて人事を全うしている。
    ただ今の時代だと厳しいですよね、完全にパワハラですもんね。
    印象に残った言葉は、「チャンスは貯金できない」あれこれ考えてるうちに時が過ぎ機会を逃してしまいがち。
    感謝を忘れない→先人の碑
    良きものを大事にする→美術館、オペラハウス
    東京駅から見える玉の意味が分かりました(笑)
    小渕首相って立派な方だったんですね。

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    2021年05月11日
  • 生命燃ゆ

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    ●主人公柿崎は、糖尿病と白血病におかされながらも、命をかけて仕事に取り組んだ。その壮絶な姿に心を打たれる。また休日にはゼミを開き、若い社員に話を聞かせる、真面目さ。
    ●45歳で死去。死際の娘達への言葉に感動。「俺は常に全力でやってきた、だから悔いはない。二人とも、常に一生懸命で勉強し、学ぶ事の尊さをわかった欲しい。母さんを援けて・・・」‼️

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    2021年08月01日
  • 辞令

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    会社を登るとこんな景色が待っているのか。
    私には縁のない話だからこそ、笑えるが、本人だったら溜まったもんじゃないという感じ。
    島耕作みたいな世界観。

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    2021年04月29日
  • 燃ゆるとき

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    ネタバレ

    「燃ゆるとき」
    高杉良作
    2005年
    角川書店
    (初出版は1990年、実業之日本社)

    「まんぷく」がヒットする中、インスタントラーメンはモデルの安藤百福が考えたのではない、という噂がネット上を飛び交うようになっているけど(そのことも書いてある)、ここで、実名企業小説でおなじみの高杉良の古い小説を読んでみた。日清食品を痛烈に批判したとされる「燃ゆるとき」。マルちゃんの東洋水産の創業から成功までの話だけど、実名は東洋水産や政治家の名前だけで、あとは誰でもわかるような仮名。例えば、日華食品の安東福一、村野証券と言った具合。しかし、最後の解説で中沢孝夫兵庫県立大学教授(当時)が、実名と照らし合わせて

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    2021年03月29日
  • 管理職の本分

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    やっぱり高杉作品は面白い。
    高杉さんの本を読むといつも『自分が男だったら』と思います。

    最後の管財人との対立が本当に面白かった。
    私に経済知識がもっとあればと悔やまれました。
    しかし、いつも主人公はスーパーマンのようなエリートばかりなのでたまには駄目サラリーマンの話も読んでみたいかも。

    途中、経済の話になるとついていけなくなったので、★4つで。

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    2021年02月05日
  • 小説 ザ・ゼネコン

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    最後が少しモヤッとしましたが相対的に面白かったです。

    ゼネコンについてほぼ知識のない私でも面白く読めました。
    ノンフィクションとはわかっていても、パロディのような名前の政治家がたくさん登場するので、どうしても嵌め込んで読んでしまいました。

    駆け引きというよりは人間模様が面白い作品でした。

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    2021年02月05日
  • 生命燃ゆ

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    最後の方は電車の中で静かに読んでましたが、普通に泣きました。
    主人公はTHE・昭和の人っていう感じで仕事が生き甲斐なタイプですが、どんどん引き込まれて行って、最後は泣ける展開です。
    少しプラントの話は難しいですが、そこら辺は読み飛ばしても楽しめると思うので、是非手にとって読んでみて欲しい作品でした。

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    2020年11月13日
  • 辞令

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    左遷人事を言い渡された広岡が、その背景を探る中でファミリー企業における保身、足の引っ張り合いに巻き込まれていく。時代は古いものの、臨場感溢れる筆致は流石です。目の前にやりとりが浮かんでくるよう。サラリーマンなら各所に思い当たる節があるはず。

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    2020年11月08日
  • 辞令

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    時代描写は、昭和60年代と古く今とは違うな〜と思う部分が多くあるが、辞令の重み、同族経営というものは今も昔も変わらないんだなと実感しました。
    内容もスラスラ入ってきてとても読みやすい本でした。

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    2020年08月31日
  • 銀行渉外担当 竹中治夫 ~『金融腐蝕列島』より~(1)

    購入済み

    ストーリーで読ませる。

    企業犯罪物を得意とする高杉良の原作がさすがにしっかりしているので、ストーリー展開だけで読ませる。
    コミックとしては絵が素直すぎるし、小説のコミカライズのけってとしてありがちな 地の文が多すぎる という課題はあるが、ストーリがしっかりしているのでさほど気にならない。

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    2020年06月03日
  • 辞令

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    一枚の辞令に翻弄されるサラリーマン達を描いた作品。とにかく、時代を感じる。

    これが令和の時代なら、おそらくほとんどの人が躊躇なくこんな会社辞めて転職するだろう。
    それができない(というかその選択肢がなかった)この時代、自らの保身のため、親友のため、家族のため、部下のため、愛人のため(?)にこれだけ駆け回れるなんて…。昭和の人は、誰しもが24時間戦うバイタリティーを持ってたんだろうなと思いました。
    この時代に生きた人はさぞ大変だったろうけど、その裏で会社の金でイイコトしたり、取引先の金でイイコトしたり…。今では社会通念上許されない楽しくて刺激的なコトもたくさんさせてもらえたんだろうな…と推察し

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    2020年05月23日
  • 最強の経営者 アサヒビールを再生させた男

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    住友銀行副頭取からアサヒビール社長に転籍した樋口廣太郎氏の社長就任後とアサヒビールのその後を描く。住友銀行・磯田一郎会長とのイトマン事件における確執からアサヒビール再興までの描写は惹き込まれる。組織を率いるものに問われる資質、言動の描写が興味深い。さらに知りたくなるのは、樋口廣太郎の若かりし頃の生き様、思考プロセス。そしてそれらを支えて育んでいった草創期の樋口哲学。

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    2020年05月11日