高杉良のレビュー一覧
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高杉良氏による、バブル崩壊の頃の日経新聞を題材にした小説。「対抗誌のないのをいいことに、経済情報を独占し、いい気になっている点を反省してもらいたいな。」と登場人物に言わせるという(笑
調べればわかる「ほぼ史実」「ほぼ実名」の内容を取り上げつつ、結構にこき下ろしていて、これはこれでかなり勇気がないとできない振る舞いだなと思いました。
…と思ったら日経の鶴田元社長と島田元常務に名誉棄損で訴えられてたんですね。提訴時に講談社と著者が発表したコメントがなかなか奮っていて、「言論・出版の自由を守るべき立場にある代表的新聞社の元トップと現役の最高幹部が、あろうことか文芸作品の出版禁止命令を公権力に求めるな -
Posted by ブクログ
主人公は架空の人物、企業も架空の企業と思って読んだが、解説を読んで「あれっ?」と思いインターネットで調べてみたところ、主人公の北野譲治氏は実在の人物で、イーパーセルも実在の企業であった。自分の無知を恥じるしかない。ちなみに北野氏は現在もイーパーセルの社長である。
当初は架空の人物と思って読んでいたため、「こんな調子のいいことあるんかいな?」と思っていたが、実際の出来事も多いのだろう。
北野氏の才能にもよるが、大切なのは一つひとつのことを誠実に続けていくことだと本書から感じた。
なお、先日読んだ『最強の経営者』でも触れていたが、本書でも村山富市元首相の人柄を非常に高く評価してる。これは作者 -
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たまたま書店で見つけて手に取りました。高杉良さんの経済小説はその昔よく読んでました。日本興業銀行などなど。。
「灼熱起業」というタイトルに、なぜかアジアで起業した人の話かなと興味をひかれ、買ってしまいました。
感想は。。面白い!
「マルキン自転車」はなんとなくブランド名だけは知ってましたが、そのメーカー「ホダカ」は知りませんでした。
実名がバシバシ出てきてわかりやすく読めます。イトーヨーカ堂伊藤雅俊さんの著書が引かれていて、そこに「ディセントラライゼーション」とか、チェーン店経営の話題であるが、Web3で議論されてることと通じることも出てきてとても興味深いです。
現代のテック系起業家にも読んで -
Posted by ブクログ
ネタバレ「燃ゆるとき」
高杉良作
2005年
角川書店
(初出版は1990年、実業之日本社)
「まんぷく」がヒットする中、インスタントラーメンはモデルの安藤百福が考えたのではない、という噂がネット上を飛び交うようになっているけど(そのことも書いてある)、ここで、実名企業小説でおなじみの高杉良の古い小説を読んでみた。日清食品を痛烈に批判したとされる「燃ゆるとき」。マルちゃんの東洋水産の創業から成功までの話だけど、実名は東洋水産や政治家の名前だけで、あとは誰でもわかるような仮名。例えば、日華食品の安東福一、村野証券と言った具合。しかし、最後の解説で中沢孝夫兵庫県立大学教授(当時)が、実名と照らし合わせて -
購入済み
ストーリーで読ませる。
企業犯罪物を得意とする高杉良の原作がさすがにしっかりしているので、ストーリー展開だけで読ませる。
コミックとしては絵が素直すぎるし、小説のコミカライズのけってとしてありがちな 地の文が多すぎる という課題はあるが、ストーリがしっかりしているのでさほど気にならない。 -
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一枚の辞令に翻弄されるサラリーマン達を描いた作品。とにかく、時代を感じる。
これが令和の時代なら、おそらくほとんどの人が躊躇なくこんな会社辞めて転職するだろう。
それができない(というかその選択肢がなかった)この時代、自らの保身のため、親友のため、家族のため、部下のため、愛人のため(?)にこれだけ駆け回れるなんて…。昭和の人は、誰しもが24時間戦うバイタリティーを持ってたんだろうなと思いました。
この時代に生きた人はさぞ大変だったろうけど、その裏で会社の金でイイコトしたり、取引先の金でイイコトしたり…。今では社会通念上許されない楽しくて刺激的なコトもたくさんさせてもらえたんだろうな…と推察し