高杉良のレビュー一覧
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財界鞍馬天狗といわれ、戦後日本の政官財界に大きな影響力を発揮した中山素平の物語。
中山氏が日本開発銀行の経営の第一線を退いてから手掛けた案件は、NTT分割、国鉄分割、ディズニーランド開園、国際大学設立と、戦後日本の大きな案件ばかり。まさにフィクサーというところでカッコいいのだが、あまりにも一般サラリーマンの世界とは異なりすぎて、その生き方に共感するというところまではいかなかった。
多くの国民が中流意識を持ち、終身雇用のもと、大いに会社、経済を発展させたのが日本の強さであり、それをベースに社会設計をすべきだった。しかし、途中で日本は間違えてしまったという中山氏の意見には、今となってみればなるほど -
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アサヒビール中興の祖、樋口廣太郎氏の業績を称える本。
昭和60年頃、アサヒビールはシェア下落が止まらず「夕日ビール」と蔑まれていた。
住友銀行から送り込まれたバンカーの樋口氏。強力なリーダーシップを武器に社員を鼓舞しながら、新商品のスーパードライの発売と、古くなったビールの回収・廃棄を推し進め、業績回復を果たす。
昭和一ケタどころか、明治生まれの人が経営のトップで力を奮っていた時代の訳だけど、本から伝わる彼らのエネルギーがすごい。
昼も夜もなく、公私混同で動き回ってる感じ。
戦後の日本を立て直してバブルを巻き起こした原動力と言うのは伊達ではない。
彼らトップだけでなくその部下たちも総 -
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オリンピックをその土地で開催すると、競技場だけでなく幅広いインフラが整備され新技術が取り込まれたり、人々の心がまとまるので、良いと思っている。最近では以前のような効果は見込まれないのかも知れないが、少なくとも以前の東京オリンピックは経済に勢いをつかせ、人々の心を一つにしたイベントだと思っている。
次のオリンピック、知人では準備に携わっている人もおり、普段はあまりスポーツ競技見ないが東京でやるとなると応援したい。
そんな前回のオリンピックを東京に誘致することに多大なる功績を残した和田勇氏の話。日系2世で戦前、戦中、戦後とアメリカで農業をやっていた和田氏、時代の背景とともに志し大きく時代を生き抜 -
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ネタバレ会社の維持・発展のために欠かせないものって何かを考えたとき、会社の組織体制とそれを支える人材だと自分は思っているし、上司からもそう教わったことがあります。
この本では、そうした組織の在り方を公平適正に評価されずに苦闘する役職職員の葛藤が描かれていた。
官民問わず、人事評価に伴う人事異動の時期。
今、まさしく密室会議で人事異動(辞令交付)の打ち合わせが行われていることと思います。
人事を評価し、辞令を発する担当も御苦労なことだけど、私は個人的に、「人事」ほど公平適正なものではないと硬くなに疑ってやまない(これはあくまで私見です)。
ともかく、この本を読んで、苛立ち反面、適正公正な評価を職業人全て