高杉良のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
常に人に対して誠実であろうとする主人公が、さまざまな職種を通して人に向き合っていく経済小説。
主人公である小野健一は、学生時代は野球一筋で、英語もあまり得意ではなかった。そんな彼がシカゴ研修に憧れてアンダーセン(現アクセンチュア)に新卒で入社するところから物語は始まる。
転職を6度行うが、彼は常に物事と人に誠実に取り組み続けており、どこの職場に行っても周りの人間から慕われている。物語の中で彼は比較的淡々と昇進、転職していくのでいかに難しいかが伝わりづらいが、彼が簡単に行なっている「人、物事に対して常に誠実であること」「今までと異なる環境に行っても素直に指摘を受け入れること」「相手を信じて託すこと」は誰しもができることではない。私自身も何か一つだけでも自信を持ってできるようになりたいと思った。
リーバイス、ブルーボトルコーヒーなど、同じBtoCの企業でもどういうコンセプト、マーケティングを行うかは全然違う。ビジネスには正解はない、という言葉が身に沁みた。
そして、全く違う業界に行ったとしても無駄な経験は一つもないのだと痛感した。
そしてこの物語がほぼ実話だということにも驚き。
GODIVAが以前と戦略を変えたような感覚があったが、当時小野がリーバイスで話したような、ターゲティングの会議なども多く開かれたのかなとも想像する。
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あまりに多忙すぎて、息子から父と認識されず”よくくるおじさん”と認識されるのは苦しかったと想像する。
心理描写を期待している人にとっては少し求めるものとは違うかも。 -
Posted by ブクログ
「高杉良」の長篇ビジネス小説『辞令』を読みました。
「内館牧子」の『終わった人』に続き、ビジネスマンの命運を描いた作品です。
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ビジネスマンの命運は、たった1枚の紙切れに左右される!
大手エレクトロニクスメーカーの宣伝部副部長「広岡修平」に、突然、辞令が突きつけられた。
異動先は「人事部付」。
有能で人柄も良く、大きなミスもせずに社内の出世レースのトップを走っていた「広岡」に、左遷される節は思い当たらない。
仕事に対する情熱と正義感では引けをとらず、自他共に認める同期の第一選抜だった「広岡」が脱落したのは、なぜか?
その内実を自ら調査し始めると、会社内に蔓延する思惑とファミリー企業ならではの病巣が次々と明らかになる。
敵は誰か? 同期か、茶坊主上司か、それとも……?
ビジネスマンの人生を左右する「辞令」のカラクリを暴き出すビジネス小説界の「現代の新古典!」
「サラリーマンならだれしも経験する人事異動の際の一場面。
本作は1988年の刊行だが、30年たっても古びた印象がしないのは、企業社会の本質である『組織と人間』の問題を、『辞令』というそのものずばりのモチーフで活写しているからにほかならない」――解説「加藤正文」
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1988年(昭和63年)に刊行された家電業界を舞台としたフィクション作品… 30年くらい前の作品なので、やや古い感じはしますが、現代に通じるテーマが扱われているので、どこかで見たような、聞いたような、すでに知っているような感覚を持ちながら読めました。
■第一章 ある日突然に
■第二章 憂鬱な一日
■第三章 部長の背信
■第四章 情事のあとで
■第五章 人事マフィア
■第六章 財務部長の犯罪
■第七章 情状酌量
■第八章 辞令の重さ
■解説 「組織と人間」を見つめて――高杉良の世界―― 加藤正文
大手メーカー・エコーエレクトロニクス工業株式会社宣伝部副部長の「広岡修平」に、左遷辞令が下る… 有能で人柄も良く、同期中の出世頭だったはずなのになぜだ!? 自ら調査に乗り出した「広岡」は、ファミリー企業に巣食う利己的な思惑と保身、讒言、足の引っ張り合いに巻き込まれていく、、、
「広岡」が左遷に至った背景には、宣伝部長の座を狙う「小林会長」の息子(「ジュニア」)の思惑や、上司である宣伝部長「前島」の暗躍があった… それでも「広岡」は、前向きに人事部で役割を全うしようと行動し、元部下「村山」の理不尽な異動を阻止したり、同期で第二財務部長の「太田哲夫」の横領による懲戒解雇のピンチから救う。
しかし、「小林会長」に目を付けられた「広岡」は、本流に戻ることができず、子会社エコー不動産株式会社への出向辞令を受け取ることに… 「広岡」の本流復帰を期待しながら読み進めたのですが、リアリティのある処遇で物語は幕を閉じました、、、
組織と人間のあり方、人事異動の悲喜こもごも、いつの時代にも普遍の人間模様… 自分の会社員としての人生に重ね合わせながら読んじゃいましたね。 -
Posted by ブクログ
上巻よりは面白かった。
どこまでが本当の話かは不明だが、武富士社長のなりふり構わずは酷い。
裸の王様とはまさにこのこと。
社内の乱れぶりも昔の話と聞き捨てればそれまでだが、サラ金の被害者たちも酷いもんだと思う。
現代の異常なまでの多重債務者の保護はこの時代の悲劇をもとに生まれたのかと思うと納得。
いくらインフレで経済成長の時代とはいえ、過剰融資、過剰な取り立ての実態は、現代人から見ると戦慄を覚える。
この平和な時代に生まれ育って本当に良かったと思う。
サラ金大手4社の中で、なぜ武富士だけが潰れたのか、この本を読んで理解できた。
業界No. 1は結構なことだが、一線を超えると全てが逆回転してしまう。
不良債権山積みの貸し倒れに継ぐ、過払い請求は、武富士にとっては、まさに泣きっ面に蜂。
息の根を止められたということなのだろう。 -
Posted by ブクログ
(上下巻合わせてのレビューです。)
経済小説の重鎮・高杉良先生の作品。
実は僕は苦手です…(笑)
なのですが、なぜか読みたくなって、読破しました。
外資系メーカーでCFOとして、
30年間勤め上げた主人公の物語。
巻末の解説によると、かなりノンフィクションに近い
仕上がりになっているようです。
CFOが主人公なので、財務戦略に関する物語かと思いきや、
社内人事や社内の争いごとがメインテーマ。
著者の作品は、そういう部分が多々見受けられるので、
少し苦手なのですが、その部分を除けば、
人と人とのやり取り・誰に何を話すのかor話さないのか等、
交渉時や社内で生き残っていくためのエッセンスが詰まっています。
上下巻で1000ページにも及ぶ大作ですが、
飽きることなく読み進めることができました。