高杉良のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
上巻よりは面白かった。
どこまでが本当の話かは不明だが、武富士社長のなりふり構わずは酷い。
裸の王様とはまさにこのこと。
社内の乱れぶりも昔の話と聞き捨てればそれまでだが、サラ金の被害者たちも酷いもんだと思う。
現代の異常なまでの多重債務者の保護はこの時代の悲劇をもとに生まれたのかと思うと納得。
いくらインフレで経済成長の時代とはいえ、過剰融資、過剰な取り立ての実態は、現代人から見ると戦慄を覚える。
この平和な時代に生まれ育って本当に良かったと思う。
サラ金大手4社の中で、なぜ武富士だけが潰れたのか、この本を読んで理解できた。
業界No. 1は結構なことだが、一線を超えると全てが逆回転し -
Posted by ブクログ
(上下巻合わせてのレビューです。)
経済小説の重鎮・高杉良先生の作品。
実は僕は苦手です…(笑)
なのですが、なぜか読みたくなって、読破しました。
外資系メーカーでCFOとして、
30年間勤め上げた主人公の物語。
巻末の解説によると、かなりノンフィクションに近い
仕上がりになっているようです。
CFOが主人公なので、財務戦略に関する物語かと思いきや、
社内人事や社内の争いごとがメインテーマ。
著者の作品は、そういう部分が多々見受けられるので、
少し苦手なのですが、その部分を除けば、
人と人とのやり取り・誰に何を話すのかor話さないのか等、
交渉時や社内で生き残っていくためのエッセンスが詰 -
Posted by ブクログ
実話ベースの物語ということで、大変興味深く読ませていただいた。
大学の学費を払うために、花屋のアルバイトから始まり、そこからの出会いによって、さまざまな試練を乗り越えてのストーリーだが、低い立場からコツコツと仕事をこなし、独立することの大変さが読み取れるが、まわりの人の協力は大きいのだなと、つくづく思う。
印象に残ったところ
お金は信頼の積み重ねで増えていく。
ウインウインのビジネスでないと仕事をしている意味がない。
ゼロからイチを生む能力とイチを10にする能力は別であるということ。
主人公になりきるために
宮沢賢治のアメニモマケズの詩を、理解することも面白い。
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Posted by ブクログ
経済小説の雄 高杉良が描くノンフィクション小説。
日系二世のアメリカ人 フレッド・和田勇は幼き頃の苦労を乗り越え、青果店を営んでいたが太平洋戦争が始まり肩身の狭い思いをしていた。
戦争が終わり、敗戦に打ちひしがれる日本だが、国際水泳連盟に復帰した日本水泳連盟は全米水泳選手権大会に日本選手を派遣することとなった。その選手たちの宿舎を求める新聞記事を見て、和田は私費ですべての選手を大会期間中、自宅に滞在させた。フジヤマのトビウオと呼ばれることとなる古橋、橋爪ら選手たちは、世界新記録を出すなどアメリカ人を驚かせた。古橋たちの活躍により「ジャップ」と蔑まれていた日系人たちは「ジャパニーズ」と呼ばれるよ