【感想・ネタバレ】辞令のレビュー

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Posted by ブクログ 2024年02月19日

まさに会社員にとっては、切っても切れない言葉である。

オーナー一族が牛耳る同族会社において起こる悲喜交々が、生々しい会話と共に描かれていく。

オーナーの傲慢、茶坊主になりきる者、正義を貫く者、会社の業績を上げるために清濁を併せ呑む者、色艶、、、そういった話がない交ぜになって、会社という社会の凝縮...続きを読むした内容を描いている。

企業小説、経済小説としては、やはり面白い。一気に読み込んでしまった。

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Posted by ブクログ 2018年10月08日

人事及び人間関係のどろどろとした部分を上手に描いている秀逸なビジネス小説だと思う。自分の地位を守るために他人の悪口をいい、血縁関係でのし上がっていく、果たしてそれでヒトとして幸せなのだろうか?目的のに手段を択ばず、好き嫌いで昇格者を決める、ということはよくやられているが組織が崩壊する第一歩だと思う。...続きを読むこの本では三田常務と広岡だけは人間的にできた人物だがあとはひどいと思う。隙をみせてはいけない、姿勢を正す、一歩離れて見えることもある、人の面倒見が大切ということは忘れないようにしていきたい。

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Posted by ブクログ 2018年05月13日

大手家電メーカーの人事の話。30年前(1988年)の小説なのに、今(2017年)と全く変わらないため再販された、という触れ込みに惹かれて購読した。
実際会社の人事で行われていることが変わってるのか変わってないのかはわからないが、今もこんな感じだとすると、偉くなるのは大変なんだなぁとしみじみ思った。ま...続きを読むた登場人物の人間性・立ち居振舞い方は、確かに、こんな人いるいる!と思うことしきりだった。
さすがに30年前の小説ということで、古い言い回し・言葉使いがちょこちょこ出てくるが、読むのに支障があるほどではなく、むしろ勉強になった。

恬淡(てんたん):あっさりとしていて、名誉・利益などに執着しないさま。
不惑:40歳。孔子の論語にある、「四十にして惑わず」から。
間然する所がない:非難すべき点が一つもない。
屋上屋(おく)を重ねる:無駄なものをこしらえること。
臍(ほぞ)を固める:決意を固める。覚悟を決める。
李下(りか)に冠を正さず:自分の行動は常に用心深くし、疑われるようなことをしてはならない。李(すもも)の木の下で冠を直すと泥棒と誤解を与えるかもしれないことから。
人間到る処青山あり:人はどこで死んでも青山(=墳墓の地)とする所はある。故郷を出て大いに活躍すべきである、との意。

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Posted by ブクログ 2023年11月06日

「銀行大統合」に続く、高杉良の作品で読破したのは二作目。
タイトルから想像できる通り、サラリーマン社会での辞令の理不尽さなどが克明に書かれている。

エコーエレクトロニクス工業という架空の大企業が舞台だが、描かれている内容は昭和の時代も令和の時代も変わらない普遍的な社会。
企業人が読めばきっと共感で...続きを読むきるはず。

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Posted by ブクログ 2021年04月29日

会社を登るとこんな景色が待っているのか。
私には縁のない話だからこそ、笑えるが、本人だったら溜まったもんじゃないという感じ。
島耕作みたいな世界観。

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Posted by ブクログ 2020年11月08日

左遷人事を言い渡された広岡が、その背景を探る中でファミリー企業における保身、足の引っ張り合いに巻き込まれていく。時代は古いものの、臨場感溢れる筆致は流石です。目の前にやりとりが浮かんでくるよう。サラリーマンなら各所に思い当たる節があるはず。

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Posted by ブクログ 2020年08月31日

時代描写は、昭和60年代と古く今とは違うな〜と思う部分が多くあるが、辞令の重み、同族経営というものは今も昔も変わらないんだなと実感しました。
内容もスラスラ入ってきてとても読みやすい本でした。

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Posted by ブクログ 2020年05月23日

一枚の辞令に翻弄されるサラリーマン達を描いた作品。とにかく、時代を感じる。

これが令和の時代なら、おそらくほとんどの人が躊躇なくこんな会社辞めて転職するだろう。
それができない(というかその選択肢がなかった)この時代、自らの保身のため、親友のため、家族のため、部下のため、愛人のため(?)にこれだけ...続きを読む駆け回れるなんて…。昭和の人は、誰しもが24時間戦うバイタリティーを持ってたんだろうなと思いました。
この時代に生きた人はさぞ大変だったろうけど、その裏で会社の金でイイコトしたり、取引先の金でイイコトしたり…。今では社会通念上許されない楽しくて刺激的なコトもたくさんさせてもらえたんだろうな…と推察しました。

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Posted by ブクログ 2019年01月14日

同族会社では、今でも現実問題として起こっている人事配置の綱引き。特に、世代交代の時期には、今なお往々にして起こりうる問題。今や崩壊していると言われながらも、現実には多くサラリーマンの潜在意識に横たわっている終身雇用への固執。それが、ますます会社生活を苦しく醜く追い込む。ラストでそうした心情に新たな光...続きを読む明が見えたのが、唯一の救い。

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Posted by ブクログ 2018年12月15日

サラリーマンの悲哀。人生紙一重で出世する人しない人。
運も実力のうちとは言うが、正しくですね。
僅かな綻びが命取りになるのがサラリーマンの世界。
著者はその機微を絶妙に表現している。
主人公のその後の人生が気になりました!

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Posted by ブクログ 2018年11月25日

"昭和63年に発刊された小説。昭和の雰囲気もありつつ、サラリーマンの悲喜こもごもを描いている。女性をマンションで囲ってなんて、昭和チックな逸話だと思うが、今でもあるのだろうか?今の感覚では、会社の金を使い込めば、理由はどうあれ懲戒解雇は当然の罰だと思えるが、この時代はそうでもない雰囲気もあ...続きを読むったのだろう。

小説だから許せる世界が広がっている。"

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Posted by ブクログ 2018年07月01日

ファミリー企業の大手電機メーカーを舞台にした企業小説。
最初に集英社から単行本が発売されたのが1988年。
30年にわたって(出版社が変わりながら)文庫が売れている。
時代を感じる描写が多数でてくる。
登場人物がとにかく、よく煙草を吸う(場所関係なし)。
メールもない、携帯電話もない。
夜や休日、重...続きを読む要な話は直接、自宅に電話。
有力な役員には、夜討ち朝駆け的なアプローチ。
でも、30年前も今も、人事は変わらないのかもしれない。
出世競争、ワンマン経営者のゴリ押し、落としどころの探り合い……。
必ずそこには誰かの意思が存在する。曖昧決着もよくあること。
長きにわたって読み続けられているのが、よくわかる一冊。

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Posted by ブクログ 2018年06月18日

主人公広岡の異動しても腐らずに行動した点、また広告代理店の接待旅行の汚点騒動で奔走する役員。そして今度は、友人のスキャンダルに奔走する事に。人の為にどこまで必死になれるか考えさせられる一冊でした。

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Posted by ブクログ 2018年04月10日

30年前の刊行でも古さを感じず、一気に読み終えました。
人事異動の悲喜こもごもは、30年たっても変わらないということでしょうか。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年03月21日

携帯電話のない時代を生きるサラリーマンの悲哀を描いた作品。
上に媚びる者、自身の正義を貫こうとする者、どちらが正しいかは目に見えてわかるはずなのに、会社という組織がそれを歪めていく様子が面白かった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年02月23日

面白かった。
営業からマーケティング、そんな出世街道を走っていた広岡に突然の辞令。
人事部へ。
一体何が?裏には会社の思惑が動く。
同族経営の会社の中で、うごめく思惑。
広岡もツメが甘くそこがバレポストを外される。
異動した人事部にて今度は昇進した同期を守る。
同期は金を作っていた。
面白と同時にリ...続きを読むーマン世界に触れられる。

p12
浮き貸しなどの不正が行われている場合を考慮して、とりつくろうひまを与えないためにも、抜き打ち的に辞令を発令する必要があるのだろうが、
→銀行の事情がわかった。

p18
本部付けでラインにも入れてもらえないそうです。
→ラインという言葉を覚えた。

p27
きみ、人事ってどんな仕事かわかってるのか。社員のクビのすげ替えをやる部門ぐらいに考えてるんだろうが、そんな単純なものじゃないぞ。人事異動を人事部が勝手にやれるわけでもないし、よく言えば調整機能だが、御用聞きみたいなもので、ねんがら年中社内をうろうろしてなければならんのだ。
→人事の事がよく分かった。

p129
参事の資格をクリアするのはたしかに難しいと思います。年齢的にも無理があります。通常は入社20年以上25年までとなってますが、
→出世の狭き門な事よ。。

p148
広岡は三田に冗談ともつかずに言われたが、もちろん「とんでもない」と答えた。
→広岡が妻以外の女性と外国旅行に行ったのではと疑われた際に三田常務がパスポートを預かろうとした際に、預り証を発行するか聞いた時に広岡が言った言葉。
三田常務を信頼しているからこそ、上司だからこそ言った言葉と思う。

p185
広岡は、名刺入れに挟んでおいた祝儀袋を差し出した。
張り込んで三万円包んだ。開店初日は、招待されて無料だからご祝儀は仕方ない。
→開店初日のご祝儀の事を知った。

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Posted by ブクログ 2023年04月08日

「高杉良」の長篇ビジネス小説『辞令』を読みました。

「内館牧子」の『終わった人』に続き、ビジネスマンの命運を描いた作品です。

-----story-------------
ビジネスマンの命運は、たった1枚の紙切れに左右される!

大手エレクトロニクスメーカーの宣伝部副部長「広岡修平」に、突然、...続きを読む辞令が突きつけられた。
異動先は「人事部付」。
有能で人柄も良く、大きなミスもせずに社内の出世レースのトップを走っていた「広岡」に、左遷される節は思い当たらない。
仕事に対する情熱と正義感では引けをとらず、自他共に認める同期の第一選抜だった「広岡」が脱落したのは、なぜか?
その内実を自ら調査し始めると、会社内に蔓延する思惑とファミリー企業ならではの病巣が次々と明らかになる。
敵は誰か? 同期か、茶坊主上司か、それとも……?

ビジネスマンの人生を左右する「辞令」のカラクリを暴き出すビジネス小説界の「現代の新古典!」

「サラリーマンならだれしも経験する人事異動の際の一場面。
本作は1988年の刊行だが、30年たっても古びた印象がしないのは、企業社会の本質である『組織と人間』の問題を、『辞令』というそのものずばりのモチーフで活写しているからにほかならない」――解説「加藤正文」
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1988年(昭和63年)に刊行された家電業界を舞台としたフィクション作品… 30年くらい前の作品なので、やや古い感じはしますが、現代に通じるテーマが扱われているので、どこかで見たような、聞いたような、すでに知っているような感覚を持ちながら読めました。

 ■第一章 ある日突然に
 ■第二章 憂鬱な一日
 ■第三章 部長の背信
 ■第四章 情事のあとで
 ■第五章 人事マフィア
 ■第六章 財務部長の犯罪
 ■第七章 情状酌量
 ■第八章 辞令の重さ
 ■解説 「組織と人間」を見つめて――高杉良の世界―― 加藤正文

大手メーカー・エコーエレクトロニクス工業株式会社宣伝部副部長の「広岡修平」に、左遷辞令が下る… 有能で人柄も良く、同期中の出世頭だったはずなのになぜだ!? 自ら調査に乗り出した「広岡」は、ファミリー企業に巣食う利己的な思惑と保身、讒言、足の引っ張り合いに巻き込まれていく、、、

「広岡」が左遷に至った背景には、宣伝部長の座を狙う「小林会長」の息子(「ジュニア」)の思惑や、上司である宣伝部長「前島」の暗躍があった… それでも「広岡」は、前向きに人事部で役割を全うしようと行動し、元部下「村山」の理不尽な異動を阻止したり、同期で第二財務部長の「太田哲夫」の横領による懲戒解雇のピンチから救う。

しかし、「小林会長」に目を付けられた「広岡」は、本流に戻ることができず、子会社エコー不動産株式会社への出向辞令を受け取ることに… 「広岡」の本流復帰を期待しながら読み進めたのですが、リアリティのある処遇で物語は幕を閉じました、、、

組織と人間のあり方、人事異動の悲喜こもごも、いつの時代にも普遍の人間模様… 自分の会社員としての人生に重ね合わせながら読んじゃいましたね。

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Posted by ブクログ 2022年01月20日

まぁまぁかな。

追記です。
30年も前に書かれた話であったんですね!
時代は変わってるのにひとは変わらない。ひとの本質を見極められる目がいつの時代も必要ですね。

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Posted by ブクログ 2020年01月03日

いまいち。理不尽だけどありがちな人事がストーリーになっているだけで、おちがない感じがして読み終わっても「何が言いたいの?」と言いたくなった。

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Posted by ブクログ 2019年02月07日

人事なんてものは案外いまだにこんなものなのかもしれない。非論理的で、理不尽なもの。
主人公の脇の甘さがなんとも気になったが、それもまた人間的なのかもしれない。
まあ、しかし、なんて暇な企業なんだろうか…。最後まで読んでよくよくそんなことを思った。

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Posted by ブクログ 2018年07月29日

大手メーカー宣伝部に勤める、サラリーマンが主人公の小説。

舞台は約30年前のため、今読むと細かな箇所は違和感はあるが、人事の本質的なところは今と変わらず描かれている様に感じます。

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Posted by ブクログ 2018年05月03日

出世競争,足の引っ張り合い,本来の仕事より同僚の減点探し.それに加えて浮気と会社勤めの嫌なところ満載.今は昔の接待や裏金作り,それほど悪いことではなかった時代だけど,形を変えて今でもありそう.

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Posted by ブクログ 2018年04月24日

前島みたいなのがいるから、三田や広岡が役割を果たす。組織とは面白い。全てをひっくるめた生き物だ。
ビジネスにも通じる熟語や言い回しの勉強になりました。

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Posted by ブクログ 2018年04月11日

古い本だつたのかな。
バブルが弾ける前の贅沢な話。
ケータイがない時代なんだけれど、面倒な手順を思い出した。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年02月27日

会社の維持・発展のために欠かせないものって何かを考えたとき、会社の組織体制とそれを支える人材だと自分は思っているし、上司からもそう教わったことがあります。
この本では、そうした組織の在り方を公平適正に評価されずに苦闘する役職職員の葛藤が描かれていた。
官民問わず、人事評価に伴う人事異動の時期。
今、...続きを読むまさしく密室会議で人事異動(辞令交付)の打ち合わせが行われていることと思います。
人事を評価し、辞令を発する担当も御苦労なことだけど、私は個人的に、「人事」ほど公平適正なものではないと硬くなに疑ってやまない(これはあくまで私見です)。
ともかく、この本を読んで、苛立ち反面、適正公正な評価を職業人全てに当てはまることを願ってやまない気持ちになりました。

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Posted by ブクログ 2018年01月10日

会社幹部との対話会で女子社員から『上司は部下を選べるのに、なんで上司を選べないのか』との質問が出たときはビックリしました。

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Posted by ブクログ 2017年12月17日

ハラハラはするし面白かったのに、最後は特段盛り上がりもなくあっさり。
悪人がのさばったまま終わりで、消化不良な感じ。

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