【感想・ネタバレ】辞令のレビュー

あらすじ

ビジネスマンの命運は、たった1枚の紙切れに左右される!

テレビ・ビデオ・音響機器メーカーとして世界中で事業を展開する大企業、エコー・エレクトロニクス工業の宣伝部副部長・広岡修平に、突然、辞令が突きつけられた。異動先は「人事部付」。それまで社内の出世レースのトップグループに入っていた広岡に、左遷される理由は思い当たらない。
仕事に対する情熱と正義感では引けをとらず、社内でも高く評価されていたはずの広岡が脱落したのは、なぜか?
その内実を自ら調査し始めると、自らの後任者が現会長の息子であることが判明。ファミリー企業に巣食う利己的な思惑と、会社内に蔓延する保身、讒言、足の引っ張り合いの実態が見えてきた……。

ビジネスマンの人生を左右する「辞令」のカラクリを暴き出すビジネス小説界の「現代の新古典」!

解説・加藤正文

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

携帯電話のない時代を生きるサラリーマンの悲哀を描いた作品。
上に媚びる者、自身の正義を貫こうとする者、どちらが正しいかは目に見えてわかるはずなのに、会社という組織がそれを歪めていく様子が面白かった。

0
2018年03月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白かった。
営業からマーケティング、そんな出世街道を走っていた広岡に突然の辞令。
人事部へ。
一体何が?裏には会社の思惑が動く。
同族経営の会社の中で、うごめく思惑。
広岡もツメが甘くそこがバレポストを外される。
異動した人事部にて今度は昇進した同期を守る。
同期は金を作っていた。
面白と同時にリーマン世界に触れられる。

p12
浮き貸しなどの不正が行われている場合を考慮して、とりつくろうひまを与えないためにも、抜き打ち的に辞令を発令する必要があるのだろうが、
→銀行の事情がわかった。

p18
本部付けでラインにも入れてもらえないそうです。
→ラインという言葉を覚えた。

p27
きみ、人事ってどんな仕事かわかってるのか。社員のクビのすげ替えをやる部門ぐらいに考えてるんだろうが、そんな単純なものじゃないぞ。人事異動を人事部が勝手にやれるわけでもないし、よく言えば調整機能だが、御用聞きみたいなもので、ねんがら年中社内をうろうろしてなければならんのだ。
→人事の事がよく分かった。

p129
参事の資格をクリアするのはたしかに難しいと思います。年齢的にも無理があります。通常は入社20年以上25年までとなってますが、
→出世の狭き門な事よ。。

p148
広岡は三田に冗談ともつかずに言われたが、もちろん「とんでもない」と答えた。
→広岡が妻以外の女性と外国旅行に行ったのではと疑われた際に三田常務がパスポートを預かろうとした際に、預り証を発行するか聞いた時に広岡が言った言葉。
三田常務を信頼しているからこそ、上司だからこそ言った言葉と思う。

p185
広岡は、名刺入れに挟んでおいた祝儀袋を差し出した。
張り込んで三万円包んだ。開店初日は、招待されて無料だからご祝儀は仕方ない。
→開店初日のご祝儀の事を知った。

0
2018年02月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

会社の維持・発展のために欠かせないものって何かを考えたとき、会社の組織体制とそれを支える人材だと自分は思っているし、上司からもそう教わったことがあります。
この本では、そうした組織の在り方を公平適正に評価されずに苦闘する役職職員の葛藤が描かれていた。
官民問わず、人事評価に伴う人事異動の時期。
今、まさしく密室会議で人事異動(辞令交付)の打ち合わせが行われていることと思います。
人事を評価し、辞令を発する担当も御苦労なことだけど、私は個人的に、「人事」ほど公平適正なものではないと硬くなに疑ってやまない(これはあくまで私見です)。
ともかく、この本を読んで、苛立ち反面、適正公正な評価を職業人全てに当てはまることを願ってやまない気持ちになりました。

0
2018年02月27日

「小説」ランキング