高杉良のレビュー一覧
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ネタバレ【小説 消費者金融】 高杉良さん
代議士秘書をしていた玉崎英太郎は政治の世界に見切りをつけ,金融業へと転職し「京阪クレジット」という消費者金融会社を立ち上げた。
当時、銀行は大口融資先しか取り扱わず、個人を相手にする「京阪クレジット」は急成長を遂げる。しかし一方で彼は、その厳しい取り立てから「鬼玉」とも呼ばれ恐れられていた。やがて彼の噂を聞きつけた新聞や雑誌が彼を叩き始めた。
鬼玉問題が大きくなり、彼が国会喚問の恐れも出だした時、大学時代のクラスメイト・渡辺が尋ねて来た。渡辺は通産省の官僚だった。渡辺は彼に、消費者金融の先進国アメリカの金融鵜システムを学んで来るように奨め、英太郎は渡米する。英太郎はアメリカの金融業界の、社会的な位置の高さと整備されたシステムに驚き日本の消費者金融の遅れを痛感する。
彼は日本に帰ってから、消費者金融とは融資先と債務先の架け橋となるべき存在だという気持ちを強くする。
☆
この本の中で英太郎が弁護士から告訴される下りが出てきます。
融資先と債務者の間に入り不良債権を回収するという業務の中で
弁護士法に抵触する部分があるというのです。
本来債務者との協議は弁護士の仕事ですが、数十万件に及ぶ件数の
小口取引を弁護士のみでまかなうというコトは現実問題としては
不可能なんです。しかし既得権を犯されるという危機感から強引に
告訴をした。この物語ではそうなっています。
実際には不可能なのに既得権にこだわる。
既得権があるから、本当に困っている人を助ける事が出来ない。
それと似た経験を以前働いていた職場でしたコトを思い出しました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレマルちゃんで有名な東洋水産の創業からアメリカ進出頃までの話が
実名で描かれている実名小説です。
まあ、この作者お得意の製作パターンですね。
高度成長期を背景に着実に大きくなっていく企業。
時代だけではなく、創業社長の決意と意思決定で着実に
大きくなった様が描かれています。
確かに時代背景は、拡大均衡ですが、決意が無ければ、
時代に飲み込まれてしまう。
かといってむやみに拡大すれば均衡は保てずに破綻する・・・。
バランス感覚にも優れていた証拠ということでしょうか。
現在の日本経済は果たして縮小均衡状態なのか、単なる縮小だけなのか、
意外に拡大傾向で拡大均衡ではなく、拡大のバランスを崩した状態なのか・・・。
私には判断できません。 -
Posted by ブクログ
故あって中東での石化プロジェクトの歴史を調べている中で読んだIJPCは華々しい失敗の例だが、その外側内側で起こっていた緊迫したやり取りを小説化している。
小説ということでドラマチックなストーリーにしたて上げなければという意図を感じるところはあるが、現実に起こった緊迫感あふれる事態を感じながら読み進めることができる。なかなか入手することは難しいが実際に三井物産をはじめとするプロジェクト関係者が編纂した「IJPCプロジェクト史」という本があり、こちらも合わせて読むと遠いペルシアの地で苦労した日本人の足跡をより深く追うことができる。
とりあえず読んでいるとピスタチオが食べたくなります。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ自転車メーカの「ホダカ」の創業者である武田光司さんの物語。
これって、小説?ノンフィクション?
イトーヨーカドー含め実名企業がバンバン出てくる小説と思いきや、小説というには、オチがないので、武田さんの半生を語るノンフィクションだと思います。
武田さんってすごい人です。
何も知らずに自転車販売事業に入って、失敗、成功、を繰り返しながら、企業を成長させていく、人間味あふれる機関車のような人を想像します。
本書の中で、一番感じられるところは、人との縁。
ヨーカドーとの取引から始まり、さまざまな人との出会い、人との縁の中で経営者として、企業として成長していきます。もちろん、だまされた縁もあります。しかしながらそれを乗り越えられるのもまた人の縁なのだと思います。さらに仕事での縁のみならず、家庭でも二人目の奥さんとの縁が重要なポイントだと思います。この出来た奥さんがホダカの成長を支えたといっても過言ではないでしょう。
さて、本書は、小説と考えると、ちょっと残念。
最後に盛り上がりが待っているかと思いきや...なにか尻切れトンボみたいな感じ。途中、「商いの心くばり」のエッセーからの抜粋や「逃げない経営者たち」からの抜粋があり、やはり、小説というより、武田さんの波乱万丈物語かというところです。
なので、ちょっと不思議な感覚で読み終わってしまいました。
ただ、武田さんの人生にかける熱い思いはひしひしと伝わってくる物語です。
まさに勇気リンリンですね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ【虚像】 高杉良さん
オリックスをモデルにした経済小説。
行動力があり、押しが強く、政治力にも長けている
ワンマン社長の加藤。
その加藤に仕え、一介のノンバンクだったワールド
ファイナンスを巨大なコングロマリットへと成長させる
一翼をになった井岡堅固。
大泉首相と竹井経済相が推し進める規制緩和と強引な
不良債権処理でワールドファイナンスは巨額の富を得た。
留まるコトを知らない拡大路線を辿るワールドファイナンス
と加藤。
加藤の飽くなき欲望に多少の嫌悪感を持ちつつも
卓越した経営能力と判断能力に感服する井岡。
しかし米国発のサブプライムローン問題が、発展を続ける
ワールドファイナンスの頭上にも降りかかってきた。
サブプライムローン問題を「対岸の火事」とみなし、
さらに拡大路線を突き進もうとする加藤。
だが、拡大路線をとりすぎたワールドファイナンスは、
資金調達が困難になりつつあった。
☆
登場人物が現実の人物をモチーフに書かれています。
わたしは経済には詳しくないですが、書いてあることは
そのまま現実に当てはまるようです。
1990年からの経済をよく知っている人には
より以上に面白く読めるかもわかりません。
「不良債権処理」という言葉はよく聞きましたが、
どういう流れで債権回収会社へ渡ったかよくわかりました。
金融庁の監理のないノンバンクは引当金を積み立てる
必要が無いので銀行の債権を買い叩いたんですね。
そして、コングロマリットの強みを生かし、
グループ会社で再開発を行う。
大企業の一社独占ではなく、昔のように小さな工務店や
左官屋さんなど、末端にまで仕事が行くような仕組みを
為政者には考えてもらいたいと思います。
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Posted by ブクログ
オリックスがモデルの企業小説。ほとんど実名が想像できる。高杉良だからかなり真実なのだろう。オリックスなんてあまり気にしたことなかったけど、調べたら、S39年に3商社と5銀行により設立された「オリエント・リース」に源を発する「多角的金融サービス業」。連結子会社が730社、総資産8兆、純利益700億。「虚像」といタイトルからは想像できない企業実績を上げ続けているし、オリックスバファローズも手放していないし、、、まぁ、勉強にはなった訳だが。反面調査のため、登場する日本郵政の北山社長(元三井住友BKの西川頭取)の「ラストバンカー」も読んでみよう。
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Posted by ブクログ
(上下巻合わせてのレビューです。)
経済小説の重鎮・高杉良先生の作品。
実は僕は苦手です…(笑)
なのですが、なぜか読みたくなって、読破しました。
外資系メーカーでCFOとして、
30年間勤め上げた主人公の物語。
巻末の解説によると、かなりノンフィクションに近い
仕上がりになっているようです。
CFOが主人公なので、財務戦略に関する物語かと思いきや、
社内人事や社内の争いごとがメインテーマ。
著者の作品は、そういう部分が多々見受けられるので、
少し苦手なのですが、その部分を除けば、
人と人とのやり取り・誰に何を話すのかor話さないのか等、
交渉時や社内で生き残っていくためのエッセンスが詰まっています。
上下巻で1000ページにも及ぶ大作ですが、
飽きることなく読み進めることができました。