あらすじ
バブル前夜、大洋銀行調査役の山本泰世は、準大手ゼネコン・東和建設への出向を命じられた。拡大路線をひた走る同社社長の秘書となった山本は、建設業界のダーティーな実態を目にする。公共事業と政治献金、株価操作……莫大な利権をもとに政界・官界と癒着した業界は、徹底した談合体質を有し、闇社会とのつながりももっていた。建設業界を舞台に、日本の政治と経済の暗部に切り込み、組織と個人のあり方に鋭く迫った問題作。
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Posted by ブクログ
高杉良の「ザ ○○」シリーズ。
「ザ 外資」に続いて読んでみました。
日本語チックに言うなら、「まさにゼネコン」とも
言えるほどまるでノンフィクションかのような描写。
(まぁ、話のモデルは存在していますが…)
高杉良の特長でもある情報量と独特のストーリー展開を
付け加え、面白い小説になっている。
政治、談合、人事、出向、バブルなど
この一冊で一通りのゼネコンのイメージを
抱くことができる。そのへんの構成は流石。
まさに「ザ・ゼネコン」であると納得できる作品。
Posted by ブクログ
経済小説。バブル崩壊前の建設業界を描いている。
大手ゼネコン「東和建設」のメーンバンクに勤める山本が出向を命じられるところからスタートする。
そこで建設業界の様々な一面を見ることになる。
政治力がものを言う世界。騙し合い。談合は当たり前の世界。
物語とは別に「談合」については、考えさせられるものがあった。
果たして「談合」は必要悪なのだろうか?
毎回思うが、人物の心情表現が巧みさがすごい。
ありありとその場その場の臨場感が伝わってくる。
そして、社長業の難しさ。まったく違った価値観を持った人達を同じ方向に持っていかなければならないが、
まわりにYesマンばかり集めてしまうと大きな損失につながる難しさなど。。。
ストーリー、内容はもちろんおもしろいく大変満足な作品であり、それ以上に様々勉強になる一冊。
Posted by ブクログ
物語の中心は1988年に大手ホテルチェーンを買収する準大手ゼネコンがモデル。このゼネコンのメインバンクの中堅社員がこのゼネコンに出向するところから物語は始まる。
複雑な人間関係を簡素に分かりやすく書かれていて読みやすい。
ただ、ゼネコンの談合体質にもう少し触れてくれても良かったかなと思う。
まぁ談合の話ではないので妥当でしょうか。
Posted by ブクログ
こういう社会派小説(っていうのかな?)って初めて読みました。なので、なかなか読み進めるのに苦労しました。でも業界の話って面白い。会社役員も大変だ。
Posted by ブクログ
ノンフィクションみたいな感じの小説だった。
物語としてあまり感情の表現が書かれてなく、かなり淡々として話が進む。例えば仕切りに物語では北脇上司について嫌がらせや嫉妬の感情を向けられているがそこの原因ついてはあまり深掘りされず、なぜそこまで嫉妬に駆られるのか?何かコンプレックスを刺激されてるのか?等の小説ではかなり深掘りされそうなところをほぼスルーして主人公の悩みの種の一つとして書かれている。
他の人物もほぼそんなため、人物はかなり多く出てくるが一人一人に感情移入がしづらくいまいち物語に没入できなかった。それでもゼネコンという知らない業界や銀行とのやり取りは雑学としてみれば面白かった。
作者自身のこんなサラリーマンすごくね?みたいな主張が強く自分はあまり合わなかった小説だった。
Posted by ブクログ
覚悟を決めるために読んだ一冊。
半分くらいは事実を多少脚色して描写しているので、ゼネコンという業界の嫌な面を知るのには最適な一冊かもしれない。
ただし経営者レベルにならなければ感じないことではあろうけど。
小説としては、盛り上がりからクライマックスへの運びが急すぎる、かつ、あっさりしすぎなのではないかと思った。
途中までのワクワク感はとても良かった。
Posted by ブクログ
有力政治家に繋がることのすごさ、案件の獲得や銀行との付き合いなどいろいろなゼネコンの裏事情(?)みたいなものがよく分かった。かつて買収したホテルの前に、この小説のモデルとなった本店があるのだけれど、なんだかとっても切なくなる・・・・。