家族幻想 ――「ひきこもり」から問う

家族幻想 ――「ひきこもり」から問う

770円 (税込)

3pt

現在、「ひきこもり」と呼ばれる人々の数は、およそ七〇万人、親や社会の価値観でみずからを束縛した挙句、羞恥心と屈辱にまみれざるをえなかった彼・彼女たち。ひとたび密室に閉じこもれば、家庭は激しい暴力に満ちた世界へと一変することも…。現代を支配する息苦しさの象徴である「ひきこもり」を長年にわたって取材し、絶望の底で現代の辛苦に寄り添ってきた著者が、“家族の絆”という神話に巨大な疑問符をつきつける。閉ざされた内奥に目を凝らし、現代の希望を探しもとめる圧倒的なノンフィクション。

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家族幻想 ――「ひきこもり」から問う のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2016年03月24日

    著者の生い立ちも書かれているので、本人を知っている身としては不思議な感じだった。
    精神科医が精神病にかかりやすい、ということと共通する部分があるのではないかと思った。
    ひきこもりを病気として捉えているけれども、自分を差し置いて何かに怒ったり、「いけなくな」ったりと、惰弱との線引きはとても難しい。
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    Posted by ブクログ 2016年03月15日

    ひきこもり に焦点を当てて,数多くインタビューをまとめている.世の中の規範に入り込めないことに不安を感じ,自分の中に閉じこもる事例があふれている.親や周囲の人がどのように対処したらよいのか,模範解答はないだろう.p199の「我が子に他者性を持つことは,実は,現代の新しい規範なのではないか.」は一つの...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年06月25日

    なんというか全体にまとまりがない。1〜3章までで個別のひきこもり事例から家族の価値観に問題を見出しつつ、自分の親との体験、親としての体験を綴ったとこまではとても良かったけど、それ以降また個別の事例の紹介に戻っていて、散漫な構成になっていて残念。朝ドラの後の番組でコロナ後の虐待について話してて面白そう...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年02月11日

    家族やイエ制度とは何か?を考えさせられる本。
    個別の事例が紹介されているが、明確な解決策がないため解決するための指南書として読まれる方は物足りないかも。
    問題の本質を考えるための本。

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    Posted by ブクログ 2018年10月13日

    ひきこもり70万人、子どもを所有感覚・抱え込む親、イエが自分に課す規範から自由になれず、自分を空想上の「他人のまなざし」でチェックし、不十分と評価し、外に出られなくなる。

    ひきこもっていても生活や仕事もできるようになってきているし、それも生き方のひとつとしてノウハウが共有されるようになれば、悪いこ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2018年06月29日

    引きこもりにはあまり関心がなかった。
    心のどこかで、親に甘え、自尊心が高く、周囲を見下している人だと思っていたからかも知れない。
    確かにそういう人もいるだろう。
    しかしそれが全てではない。
    狭く、密室である、家族という中で苦しむ人は一定程度いる。
    その苦しみに想いを馳せなければ、思い込みで語ってしま...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2017年10月09日

    家族は人を追い詰める力も大きい。スペースの力を言うけれど、どうやって家族以外につてを求めるかがこの時代ずいぶん大きいのだろうなあ。

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    Posted by ブクログ 2017年09月10日

    当事者へのインタビューを通じて、「ひきこもり」の意味を考えた良書。ひきこもる人がはけっして自由気ままな暮らしを謳歌しているわけではなく、既存の価値観を内面化しすぎて自己点検を繰り返し、自分をダメだと決めて「自分自身が社会に漏れ出すことを必死になって防いでいる」など鋭い指摘が多い。一方で、やや近代以降...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2016年09月10日

    共同体と呼ばれていたものが形を失う時、家族が孤立すれば、家庭内の規範は偏り、次世代を苦しめる。次世代が生活する社会の在り方が、親世代の規範とは大きくずれる場合もある。次世代に前の世代が与えるべきものは、まず、この社会は自分自身のいための場所だ、という確信だ。そして、命が本来持っている成長する力を尊重...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2016年05月06日

    家族という物語性の軛を巡る、現代の試練の数々。そうした局面に遭遇した時、もう少し肩の力を抜いても良いのだと、少し気が楽になった気がした。もちろんこの本にあるように、家族が担いきれなくなった機能を肩代わりする公的機関の存在が前提だが。経歴を隠さずさらけ出す著者の態度にも共感。

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