Posted by ブクログ
2017年11月09日
シングルマザーともいうだろう、このタイろトル。
ルポなので、緻密な取材をかさねて書かれた本だと思う。
さまざな理由で「母子」となった女性たちの
その後の生活の苦労が詳細に描き出されていた。
死別はもちろんだが、
DVや浮気など、夫側のどうしょうもない理由で、
一大決心をしてシングルとなった女性の...続きを読むなんと多いこと。
子どもがいるために思うように仕事ができない、
仕事ができないから、子どもが寝ている時間の仕事につく。
忙しくなると子どもとのかかわりが少なくなってくる。
子どもは寂しい思いを抱えて育っていく。
母子である家庭を守るための法律も
細かい規制があったり、地域によって異なったりするために、
十分に活用できない状態だ。
頼りになるのは、実家のみ、というシングルマザーも少なくない。
だが、実家にも頼らず、
自分で全部育児も仕事もこなす人もいた。
育児放棄も多い現状で、
シングルでも子供を育てようとするのは立派だ。
シングルに対する偏見もあるようだが、
一生懸命に仕事を捜す母には
温かい手を差し伸べるのが社会ではないか。
かなり厳しい現実も描かれていて、冷たい現実が悲しい。
それでもなんとか生きていこうとする
シングルマザーたちの逞しさに救われる思いだった。