生田武志の作品一覧
「生田武志」の「10代に届けたい5つの〝授業″」「貧困を考えよう」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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ビジネス・実用
ビジネス・実用
Posted by ブクログ
大阪市西成区でホームレス問題に長年関わっている著者が記したルポタージュ。ホームレスと日雇い労働は切っても切れない関係にあるが筆者も日雇い労働者としての経験があり、現在は日雇い労働者を支援する側として働いている。
ホームレスに対して「よく言われるセリフ」にも根拠を示した論理的な説明がなされている。
「みんなが使う場所にいるのは迷惑だ」→世の中には公有地か私有地しか無い。行き場のないホームレスが公有地に野宿するのは必然。
「家に帰ればいいのでは」→家族の絆が切れているためにホームレス化、もしくはホームレスになると同時に家族の絆が切れる。
「福祉に相談に行けばいい」→福祉事務所はホームレスに対して十分な支援ができていない。
「努力が足りない。仕事をしようとしない。自己責任。」→自己の責任と社会のせいの境界は曖昧である。雇用をイス取りゲームに例えると、必ずあぶれる人が出てくることがよく分かる。
これらのよく言われるセリフは、発言者の市場、国家、家族に対する思い込みの上に成り立っているセリフだということがわかる。
他の社会学関係の書籍でも言われているように、「経済的貧困」と「関係的貧困」の2つが大きな要因となっており、人と人とのつながりが大きな財産であることもよく分かる。
これからの格差社会の先端を行っているルポであり、人事とは思えない切実さがある。
Posted by ブクログ
丁寧な描写で野宿者の実態が非常によく理解できた。また、実体験に基づく内容であるだけに、これからの対応策に関する提言も非常に説得力のあるものだと感じた。
この本を読んですぐ自分に何ができるというわけではないかもしれない。しかし、少なくとも今まで持っていた野宿者の人達に対する間違った情報、思い込み、偏見などは改善することができるのではないかと思う。積極的・能動的に活動を起こすことはできないかもしれないが、今後例えば子供たちとこうした社会問題について話す機会があった時、あるいは何らかのかたちで野宿者の人達との接点が生じた際に今までとは違う言動をとることができるのではないかと思う。
・市場の失敗、国家の失敗、家族の失敗などというものは存在しない、あるのは個人の失敗だけだという類の信念が野宿者への強い偏見と差別を生みだしている。
・解決すべきは野宿ではなくふたつの構造的貧困なのである。ひとつは、失業や格差拡大という経済的貧困。そしてひとつは、人と人が助け合うコミュニティの喪失という関係的貧困である。
・野宿者問題の要因のひとつに地域共同体や家族の助け合いの崩壊があるとすれば、それに代わるべき人と人とのつながりが必要とされる。