あらすじ
大阪のある中学では,2割の生徒の家庭が生活保護を,6割が就学援助を受けているという.学校へ行けるならまだいい,経済的理由で進学できなかったり,中退する生徒も各地で急増している.家庭の貧困は子どもの将来に重大な影響をおよぼしていく.その実態,国・自治体や民間の対策を見つめてみよう.
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
今、この本を読んでいる私だって「貧困」に陥らないと断言はできない。
様々な条件が重なれば、今の日本では、富裕層を除いては、貧困が自分の問題となるのではないか。
自分がそうなっては困るからという、ずるい考え方からでもいいから、貧困について、一人でも多くの人が関心を持っていけばと思います。
そしてまた、人とのつながりというものを大切にしていくこと、周りの人に心を配るということを心がけていきたいと思います。
西成区、あいりん地区での子ども達の実状が報告されていますが、本当に心が痛みます。
そのような現実がすぐ近くにある。
貧困の連鎖を止めるために、私は無力だと思う。
でも、だからと言って無関心でいることはやめたい。
一生懸命生きている人に「もっとがんばって自立しろ」と言うのは意味がないし、「あなたたちは自立していない」と言うのは、失礼な話ではないだろうか。ぼくたちは個人の「自立」ではなく、社会の「貧困」を解決すべきなのだ。
Posted by ブクログ
文章がうまい。構成もうまい。特に冒頭の二人のひろしの話は引き込まれたなあ。
何かを示したデータがあるわけじゃないんだけど、とても象徴的な話だと感じた。
難を言えば、貧困撲滅にもっとも有効であるはずの経済成長・景気の回復についてほとんど触れられていなかったこと。
どちらかといえば否定的な文脈でちょこっと触れられてたなあ。
この手の話をするときは、経済成長と再配分政策をセットで語るべきだと思うんだけど。