教育 - KADOKAWA - 角川ソフィア文庫作品一覧

  • 代官の日常生活 江戸の中間管理職
    3.5
    時代劇でおなじみの代官。悪の権化のように描かれてきた彼らは現代のサラリーマンであった。400万石の幕府の経済基盤を支えた代官を理解すれば、江戸幕府がなぜ270年もの間存続できたかが見えてくる。
  • 大政事家 大久保利通 近代日本の設計者
    4.0
    王政復古のクーデター、廃藩置県の断行、征韓論での西郷隆盛との確執……。劇的な明治維新期をたどりつつ、「意志の政治家」と呼ばれた、明治政府最高の政治家が体を張って描いた国家構想を捉え直す。 ※本作品は紙版の書籍から口絵または挿絵の一部が未収録となっています。あらかじめご了承ください。
  • 大モンゴルの世界 陸と海の巨大帝国
    -
    13世紀の中央ユーラシアに突如として現れたモンゴル。世界史上の大きな分水嶺でありながら、その覇権と東西への多大な影響は歴史に埋もれ続けていた。大帝国の実像を追い、新たな世界史像を提示する。
  • 地名でわかるオモシロ世界史
    -
    大航海時代、日本は黄金の島「ワクワク」と呼ばれていた? 世界の国々や都市名には、帝国拡大、民族大移動、「新大陸」発見、産業革命など、変革の歴史が刻まれている。由来と地図でわかる発見の世界史!
  • 中国古代史 司馬遷「史記」の世界
    4.0
    司馬遷『史記』には、あらゆる階層の人間が登場する。それらの人々の活躍・没落のさまは、読む者の心に深い印象をのこす。人物に注目しながら、中国古代の世界を100の物語で解き明かす。
  • 張学良秘史 六人の女傑と革命、そして愛
    5.0
    盧溝橋事変より80年。 生前の張学良に直接取材をした日本人作家が、20年以上をかけて明らかにした歴史秘話!! 半藤一利氏(作家) 「20世紀、戦争と革命の歴史のなかに、温かな情が交わされていた。張学良の秘史は、世界が緊張関係にある現在にこそ活きるだろう。本書の刊行も、歴史的事件だ」 山田洋次氏(映画監督) 「波瀾万丈の人生とはこの人のための言葉だろう。動乱の20世紀を生き抜いた風雲児張学良は『戦争は人間のすることではない』と言い切った紳士だった」  西安事変。中華人民共和国誕生の遠因ともなった大事件を、一人の男が起こした。  1901年。軍閥・張作霖の長男として生まれ、2001年百歳で世を去った張学良である。20世紀中国の歴史をそのまま背負って生きた男である。 生前の張学良に直接取材した著者に、彼はこう切り出した。「あなたには、私と女性のことを話しましょう」 蒋介石夫人・宋美齢、ムッソリーニ令嬢・エディ、幽閉時代を支えた妻と秘書に最高の女友達……。  戦争と革命の渦中にあった、知られざる“情の歴史”を甦らせたノンフィクション! ※本書は二〇一四年六月に刊行された『国と世紀を変えた愛 張学良と宋美齢、六六年目の告白』を改題し、加筆修正したものが底本です。
  • 朝鮮半島史
    4.0
    大陸の動乱や諸外国の圧力に常に晒されるという半島的性格を持ちながら、二〇〇〇年の歴史を紡いできた朝鮮。建国神話から日本による併合まで、その歩みを通覧する、入門書に最適の一冊。
  • 月と蛇と縄文人
    -
    なぜ、縄文人は死者を穴に埋めたのか? 縄文土器の文様は何を意味しているのか? 旧来の考古学では問われてこなかった縄文人の「精神性」を、シンボリズムとレトリックの観点で読み解く意欲作!
  • 鉄条網の世界史
    4.0
    【目次】(主なもの) 第一章 西部開拓の主役 カンザス州の「鉄条網博物館」/切実な柵の不足/万能フェンスの登場/入植者が必要とした柵/ウシの大軍がやってきた/牧場主と入植者の戦い/職を失うカウボーイ 第二章 土壌破壊と黄塵 加速する西部開拓/鉄条網が変えた生態系/開拓進む大平原/土壌破壊の米国史/大型農業機械の導入/大砂塵の襲来/放牧規制がはじまる 第三章 塹壕戦の主役 戦場に出現した鉄条網/日本軍が手を焼いた鉄条網/塹壕戦のはじまり/西部戦線異常なし/戦場のクリスマス/日本への導入/鉄条網と現代戦 第四章 「人種の罪」と憎悪のフェンス 強制収容所の歴史/南アフリカの植民地化/ダイヤ・ラッシュ/各収容所の劣悪な環境/スペイン内戦の悲劇/アウシュヴィッツの殺人工場/元収容者が苦しむ後遺症/人間の資源化/旧ソ連の強制収容所/逆境でも花を愛でた日系 第五章 民族対立が生んだ強制収容所 南アのアパルトヘイト政策/活動家の迫害/集団墓地になった五輪会場/「民族浄化」と集団強姦/サラエボの花/世界を「欺いた」映像/戦争と情報戦/最後の逃亡戦犯を拘束 第六章 国境を分断する鉄条網 ベルリンの分断/ヨルダン川西岸の壁/壁を超えた臓器提供/米メキシコ国境/世界最大の麻薬密輸ルート/中国・北朝鮮の壁/新たな万里の長城/タイ・マレーシア国境 第七章 追いつめられる先住民 大平原を分断した鉄条網/チェロキー族の悲劇/ラストサムライ/遅きに失した先住民保護/グアラニー族の悲劇/死に急ぐ若者たち/ケニア独立運動時の裁判開始/ウサギ防除フェンス 第八章 よみがえった自然 鉄条網は自然を呼び戻す/朝鮮半島の軍事境界線/チェルノブイリ原発三〇キロ圏/再導入された希少動物/科学者の反目
  • 天狗にさらわれた少年 抄訳仙境異聞
    3.8
    江戸時代の国学者・平田篤胤が出会った寅吉少年は、「天狗の国に行った」と語る。天狗界の生き物、文字、乗り物、まじない……驚くほど詳細な、異界の文化とは? やさしい現代語訳で江戸の大騒動が蘇る!
  • 東条英機と阿片の闇
    3.5
    戦時宰相「東条英機」はなぜかくも絶大な権力を手に入れるに至ったのか。阿片という資金の秘密、共産主義の脅威、皇室の思惑などの新事実をふまえ、その人間性と思考の解剖を試みる渾身のドキュメント。※本作品は紙版の書籍から口絵または挿絵の一部が未収録となっています。あらかじめご了承ください。
  • 鳥山石燕 画図百鬼夜行全画集
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 かまいたち、火車、姑獲鳥(うぶめ)、ぬらりひょん――。あふれる想像力と類まれなる画力で、さまざまな妖怪の姿を伝えた江戸の絵師・鳥山石燕。その妖怪画集全点を、コンパクトに収録した必見の一冊!
  • 日英同盟 同盟の選択と国家の盛衰
    4.7
    明治維新後の日本が列強入りをした日英同盟、破滅に追い込まれたドイツとの連盟。軍事外交史研究の泰斗が、日本の命運を決めた歴史的な選択を再検証。同盟国選定の要件と政策の意義から、近代外交の要諦を探る。 ※本文中に「*」が付されている箇所には注釈があります。その箇所を選択すると、該当する注釈が表示されます。
  • 日本語教室 Q&A
    -
    ちょっと気になる「~じゃないですか」「夜ごはん」。これでいいのか「申される」「ご応募してください」。間違いやすい慣用句「カエルの子はカエル」「気が置けない」。「海海海海海」は何と読む?
  • 日本語質問箱
    -
    ふだん使っている日本語に疑問を感じることはありませんか。何気なく使った言葉が思わぬ誤解を招いてしまったり、よく耳にするが日本語としてどうなのだろうとか、似たような言い方だがいったいどう違うのかなど。たった一字違うだけで意味や言い回しが変わってしまう日本語の仕組みを、実際に寄せられた質問や相談に答えながら易しく解き明かします。適切でよりよい日本語の表現をめざし、一緒に考えてみましょう。
  • 日本人の給与明細 古典で読み解く物価事情
    3.5
    古代から近世まで、古典に登場する人物のうち、給料をもらう人物の年収と私生活を、米の値段などをもとに現代のお金に換算。丁寧な分析で、山上憶良、菅原道真、紫式部などの収入を明らかにしていく。
  • 人間の営みがわかる地理学入門
    4.0
    バナナはなぜ安いのか、村はどのようにできるのか、民族は何を基準に区分されるのか……農作物と農業、人種、民族、言語、宗教、村落と都市、人口、環境問題といった、世界の人々の営みについて豊富な写真や図版とともに解説。著者自身が世界各国で体験したエピソードをふんだんに盛り込み、人間の暮らしが地理的環境とどう結びついているのかを具体的に紹介する。さまざまな環境で生きる人々の姿が鮮やかに見えだす、やさしい地理学入門。
  • 忍者の兵法 三大秘伝書を読む
    -
    忍者とはなにか? 忍術書からその全容に迫る! いまだ多くの謎を残す忍者。彼らの真の姿を伝える『万川集海』『正忍記』『忍秘伝』という三冊の秘伝書を読み解きながら、忍者の歴史や概念、その術や武具、禅との関わりまで、忍者のすべてを明らかにする。 ※本書は、平成六年二月二十五日に小社より刊行した角川選書『忍術秘伝の書』を改題・改稿したものが底本です。
  • 敗者たちの平安王朝 皇位継承の闇
    4.0
    皇位をめぐって嵯峨天皇と争乱を繰り広げた平城天皇。宮中で殺人事件を起こし廃位となった陽成天皇。神器を見ようとするなど、異常な振る舞いが多かった冷泉天皇。色好みで奇矯な行動が目立つ花山天皇――。こうした天皇たちの奇行と暴虐に彩られた説話、そして「狂気」に秘められた知られざる真実とは。平安王朝の皇統の謎と錯綜する政治状況を丁寧にひもとき、正史では語られてこなかった皇位継承の光と影を明らかにする。
  • 廃藩置県 近代国家誕生の舞台裏
    4.5
    王政復古で成立した維新政権は、当初から藩体制を廃絶しようとしていたのか。廃藩置県はスムーズに行われたのか。「県」制度を生み、日本の西洋化のスタートとなった明治の中央集権国家誕生の瞬間に迫る。
  • はじめての王朝文化辞典
    4.3
    平安時代の家、調度品、行事や服装、儀式、季節の行事、食事や音楽、娯楽、スポーツ、病気、信仰や風習……。『源氏物語』や『枕草子』など古典文学の世界が鮮やかによみがえる! 文化を学べる読む辞典。
  • 埴輪 古代の証言者たち
    -
    ぽっかり空いた目と口、短い手足、あどけない表情。心が癒やされる可愛らしい造形で、博物館でも大人気の埴輪たち。しかし、古墳を彩る人物・道具・家・動物たちの群像として見ると、王権を巡る「さまざまな物語」が浮かび上がってくる。3世紀中頃から6世紀終わり頃まで、およそ350年にわたり造られた埴輪を、定番の名品から最新の出土品まで紹介。造形美、細部の見方、楽しみ方を第一人者が解説する。カラー図版160点掲載。
  • 幕末武家の回想録
    3.5
    大名から御家人まで、江戸時代の元武士たちが明治維新後に語った回顧談。江戸時代の生活・習俗・規則などの話題から、薩英戦争や大政奉還のような大事件まで、当事者として居合わせた人々だからこそできる貴重な話を、江戸学の祖・三田村鳶魚の著作に携わった柴田宵曲が編む。親本は青蛙房から刊行された『幕末の武家』。文庫化にあたり新たな注釈を加えた。江戸時代を知るための必読の書。 解説・高尾善希 【内容(一部)】 ・江戸城の開門・閉門のしきたり ・米公使を言い負かした弁舌の立つ老中 ・苛烈を極めた旧幕臣の静岡への移住 ・薩英戦争真っ只中のイギリス軍艦に乗り合わせた日本人 ・軍艦開陽丸を受け取りに行く途中インドネシアで難破した話 【目次】 解題  柴田宵曲 大名の日常生活  浅野長勲 大奥秘記  村山鎮 時の御太鼓  桂園 高家の話  大沢基輔 御船手の話  向井秋村 御朱印道中・御目付  桂園 御徒士物語  鈍我羅漢 勤番者  内藤鳴雪 お伽役の話  伊藤景直 廻り方の話  今泉雄作 雲助  宮崎三昧 幕末の話  梶金八、飯島半十郎、江原素六、柴太一郎、立花種恭、竹斎、六十匁道人、相陽道人、松本蘭疇、流行歌 明治元年  塚原渋柿 外国使臣の謁見  江連堯則 明治以前の支那貿易  山口挙直 幕末外交瑣談  田辺太一 目撃した薩英戦争  清水卯三郎 日蘭交渉の一片  長岡護美 徳川民部公子の渡仏  呉陽散士 和蘭留学の話  あられのや主人 幕府軍艦開陽丸の終始  沢太郎左衛門
  • 光さす故郷へ 満州から我が子を抱いて
    4.0
    満州国軍将校に嫁ぎ幸せに暮らすよしの運命は、ソ連軍の奇襲で一変する。夫と生き別れ、日本を目指す逃避行が始まったのだ。狭く汚い無蓋貨車での移動、200キロの山越え……。乳飲み子を抱えての400日余りの壮絶な引き揚げの旅を綴る感動のドキュメント。 本書は、文庫版『光さす故郷へ よしちゃんの戦争』をもとに、サブタイトルを改題のうえ電子化したものです。
  • 氷川清話 付勝海舟伝
    4.4
    現代政治の混迷は、西欧の政治理論の無定見な導入と信奉にあるのではないか――。先見の洞察力と生粋の江戸っ子気質をもつ海舟が、晩年、幕末維新の思い出や人物評を問われるままに語った談話録。略年譜付載。
  • 百姓の力 江戸時代から見える日本
    4.3
    江戸時代、社会の基盤をなした村とはどんな世界であり、人々はそこでどのように暮らしていたのか。「割地」や「無年季的質地請戻し」など、土地や山野の所有をめぐる独特な慣行を重視しながら、小農・豪農・村・地域社会に焦点をあて、その歴史や役割を平易に解説。年貢と搾取に耐える弱者のイメージを覆し、自立した豊かで逞しい百姓たちの姿を紹介する。私たちの祖先や故郷へとつながる「本当の歴史」が見えてくる!
  • 百万都市 江戸の経済
    -
    川柳・紀行文・名所図会ほか、多くの史料に残る庶民行事や祭祀、江戸前の食、長屋の住まいなどから、経済発展がもたらした江戸の生活や文化の展開を鮮明に描き出す。『八百八町 いきなやりくり』を改題。 ※本作品は紙版の書籍から口絵または挿絵の一部が未収録となっています。あらかじめご了承ください。
  • 百万都市 江戸の生活
    3.0
    熱い湯の銭湯でのやせ我慢、盛り上がる初物の売りだし日、贈答品のリサイクル――。現在の東京へとつながる江戸人の暮らしとその性格を明らかにし、いまも息づく「江戸の精神」を説き起こす江戸庶民史。
  • 藤原公任 天下無双の歌人
    5.0
    百人一首の「滝の音は絶えて久しくなりぬれど名こそ流れてなほ聞こえけれ」の歌で著名な藤原公任。栄光の家系に生を受け、有職故実に造詣が深く、音曲・漢詩・和歌などの風流文事に優れた才能を発揮した。社交の花形として活躍したが、政治家としては巨星・藤原道長をめぐる惑星の存在にとどまった。政界の頂点を断念し、宮廷のカリスマとして文化面の指導的地位に立った生涯を、研究の第一人者が描く人物評伝。解説:谷知子 第一章 三舟の才人、天下無双の歌人 第二章 栄光の家系 第三章 得意と失望とのはざま 第四章 権力者をめぐる惑星 第五章 栄華の余光 第六章 憂愁の晩年
  • 古田織部の正体
    4.5
    千利休亡きあと茶の湯の天下一宗匠となった古田織部。侘びから一転、豪快にして軽妙洒脱な織部焼をはじめ、茶の湯に新奇の流行を巻き起こした武将織部の数寄の極致と、慶長年間の乱世を生きた実像を描く。
  • 武士とはなにか 中世の王権を読み解く
    -
    源頼朝から戦国大名を経て、徳川幕府の完成まで――。「武士から王へ」の権力の変遷を、貨幣経済の浸透、海の民の活躍、一神教の衝撃、東西の衝突などのテーマに沿って丁寧にたどる画期的な書。
  • 武将の言葉 決断力が身に付く180のヒント
    5.0
    織田信長、上杉謙信、武田信玄、小早川隆景――。戦国武将たちが伝え残してきた言葉には、本質を見抜く力が宿っている。ビジネスに人生に、明日を拓く決断のヒントを知り、ピンチをチャンスに変える知恵を学ぶ一冊!
  • ブッダの言葉 生き方が変わる101のヒント
    4.5
    「すべてのものは滅び行くものである」(釈迦)、「本来無一物」(慧能)、「善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや」(親鸞)――。自分に自信がなくなったり、対人関係がぎくしゃくする時に効く人生の案内書。
  • 平野が語る日本史
    4.0
    難波京・平城京・平安京をはじめ、古代日本の都が置かれた「平野」の実態とは? 段丘、扇状地、三角洲、ラグーン……。地震や火山爆発によって急速に、流水や氷河・風・波浪の浸食や堆積によってゆっくりと変化してきた平野は、人間とどのように関わってきたのか。過去の景観と地形環境を、遺構・遺物や古文献・史料、古地図・地籍図から復原。畿内、大井川、紀ノ川、筑後川を例に、人々の自然への思いや生きざまに迫る。
  • ペリー提督日本遠征記 上
    5.0
    喜望峰をめぐる大航海の末ペリー艦隊が日本に到着、幕府に国書を手渡すまでの克明な記録。当時の琉球王朝や庶民の姿、小笠原をめぐる各国のせめぎあいを描く。美しい図版も多数収録、読みやすい完全翻訳版!
  • 保元・平治の乱 平清盛 勝利への道
    4.0
    貴族から武士へ。古代末期の2つの兵乱、保元・平治の乱を画期として、時代の主役は移り変わってゆく。武士を両兵乱の主人公とする通説に挑み、王家・摂関家・新興貴族・武士が複雑に絡みあう政争の真実に迫る。
  • 骨と墓の考古学 大都市江戸の生活と病
    5.0
    大都会のビル群の下、眠りつづける無数の骨。考古学者によって掘り起こされた「古人骨」は、かつてこの町に暮らした近世人の姿をいきいきと物語る。町人か侍か。病死か、事故死か、はたまた人柱か。銭や爪、入れ歯など副葬品の意味とは――? けがや流行り病、食事や性生活、衛生状態や老後の暮らしまで、文献に残らない歴史を、科学の力で解き明かす。人骨をみると「わくわくする」という著者が手まねきする、都市古病理学への招待。 *単行本『八百八町に骨が舞う 人骨から解く病気と社会』に加筆、改題し、文庫化したものです。
  • マルクスを再読する 主要著作の現代的意義
    3.5
    資本主義国家が外部から収奪できなくなったとき、いったい資本主義はどうなるのか? この問題意識から、日本を代表するマルクス研究者が主要著作を読み解いた講義録。 「グローバリゼーションが社会を上位均衡化させる」は、幻想だった。 実際に起こったのは中産階級の崩壊であり、下位均衡化(下の方で貧しくなる事)でしかなかった。 ネグリの帝国論とその課題から入り、アルチュセールからスピノザの思想を押さえたうえで、マルクスの主要著作を、「代議制民主主義が世界に普及している現在において、あえて近代市民社会を批判する」という視点から解題していく。 この挑戦、刺激的な読み解きは、資本主義が支配する世界以外を考えられない私たちの頭を解き放つ。 そして、まるで“中世かポスト現代か”というような、ナショナリズムや民族主義、原理主義が氾濫する現代社会を切り拓き、新しい世界を展望するきっかけとなるだろう。 文庫版まえがき 第一部 現代思想と<マルクス>  一章 アントニオ・ネグリの「帝国」の概念  二章 アルチュセール・ショック  三章 スピノザ革命 第二部 <マルクス>の著作を再読する  四章 現代社会とマルクス  五章 共産主義社会とは何か--『経済学・哲学草稿』の類的本質  六章 唯物論とは何か--フォイエルバッハテーゼの一一番  七章 たえざる運動としての共産主義--『ドイツ・イデオロギー』  八章 構成された価値と労働運動--『哲学の貧困』  九章 共産主義の亡霊と『共産党宣言』  一〇章 国家の解体--フランス三部作  一一章 オリエンタリズム  一二章 方法の問題--『資本論』と『経済学批判要綱』  一三章 社会運動とマルクス あとがき
  • 民主主義
    4.5
    戦後、文部省は中高生向けに一冊の教科書を刊行した。民主主義の真の理念と歴史、実現への道のりを、未来を託す少年少女へ希望と切望を持って説く本書は今こそ読まれるべき名著である。完全版を初文庫化!
  • 室町幕府崩壊
    3.7
    3代将軍足利義満の時代に全盛期を迎えた室町幕府。その50年ほどのち、重臣による将軍謀殺という前代未聞の事件が起きる―。この前期の室町幕府、4代義持、6代義教の時代に焦点を当て、室町殿と有力守護層たちとの複雑で重層的な関係から室町時代の政治史を読み直し、幕府崩壊の一大転換点となった義教謀殺=嘉吉の乱に至る道筋を実証的に跡付ける。 序 章 翳りのはじまり 第一章 足利義持の時代  一 義満後の政治環境  二 足利義持政権の特質  三 在地勢力の動向 第二章 足利義教の嗣立  一 足利義教の登場  二 嗣立期の足利義教とその周辺  三 正長改元の経緯と歴史的意義  四 後花園天皇の擁立と後南朝の動向 第三章 足利義教の時代  一 足利義教政権の特質  二 足利義教の文芸  三 有力守護家の分断政策  四 「恐怖の世」  五 対外交易と国際的環境 第四章 嘉吉の乱への道  一 永享の乱  二 嘉吉の乱はなぜ起こったか 終 章 嘉吉の乱──その後
  • 明治日本写生帖
    -
    開国直後の日本を2度訪れたレガメ。紙とペン、そして旺盛な好奇心を携えたフランスの画家は、憧れの異郷で目にするすべてを描きとめた。誕生したばかりの帝国議会の様子は? 富裕層と庶民の学校はどう違う? 市川團十郎の歌舞伎の舞台裏とは? 天皇、軍人、僧侶から、名もなき人や子どもまで、明治の人と風景を克明に描く図版245点。ジャポニスムに火を付けた画家の知られざる全貌、日仏交流史における意義に迫る解説を収録。
  • 闇の歴史、後南朝 後醍醐流の抵抗と終焉
    4.0
    南北朝合体の後も旧南朝勢力は、室町幕府の抱える諸矛盾と結びつく形で再起を図り続けた。史料実証の立場から可能な限りの関係史料を収集し、その「闇」を明らかにする。後南朝の歴史に光を当てた好著。
  • 四文字でわかる日本史
    -
    「天孫降臨」「大化改新」「廃藩置県」「憲法九条」など、日本の各時代を象徴する漢字四文字の単語を選りすぐって日本史を通覧。出来事の因果関係や時代背景もよくわかる大人のための日本史学び直し本。
  • 歴史としての戦後史学 ある歴史家の証言
    3.0
    それまでの自分の生き方の決定的な誤りに気付いた1953年の夏から40余年間、ひたすらに学問と研究に向き合い、独自の歴史像を拓き続けた歴史家・網野善彦。「一つ一つの仕事、一通一通の文書を大切にするような姿勢だけは崩すまい」――戦後史学の当事者でもあった著者の苦悩と挫折、知られざる学問形成の足跡に肉薄。今後の歴史学に対する危惧を抱きつつも、その新たな展開へ強い願いを込めた自伝的名著。解説/清水克行
  • ローマ法王
    5.0
    ヴァティカンは面積こそ最小だが、12億人以上のカトリック教徒を擁し、政治・外交・平和に影響力を持つ。その頂点に立つローマ法王の歴史と現在を辿る。近代オリンピックも、冷戦終結の端緒・ポーランド民主化も、実現させたのは法王とカトリックのネットワークだった。法王の日々の仕事、各国訪問の理由、現代の価値観への対応を読み解く。西洋文化の根底にあるカトリック文化を知り、国際社会をより深く理解できる快著。第266代法王フランシスコについても紹介。

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