海外ミステリー - 早川書房 - ハヤカワ・ミステリ作品一覧

  • 樹脂
    3.4
    人里離れた半島で、森に囲まれて暮らす一家。何度もつらい喪失を経験した父親は、もうこれ以上は愛するものを奪われまいと決意して、あるとき幼い娘が死んだと偽りの報告をする。そして娘を隠して育てはじめるが……デンマークの注目作家が著した傑作長篇登場
  • ささやかな手記
    4.0
    【フランス推理小説大賞813賞受賞】目覚めると、鎖をつけられ、地下室で監禁されていた――。ある事情から、人目を避けて南フランスの田舎の民宿に滞在していたテオは、周囲の山中を散策していたところ、廃屋めいた家に暮らす老兄弟によって囚われの身となってしまう。地下室の先住者リュックは、彼にこう告げる……「地獄にようこそ」。あらゆる農作業と重労働、家事に酷使され、食べ物もろくに与えられず、テオは心身ともに衰弱していく。ある日、老兄弟の隙をついて脱出を試みるが。
  • 世界の終わりの七日間
    3.6
    小惑星が地球に衝突するとされる日まであと一週間。妹のニコに、もう一度会いたい――元刑事のパレスは、警官たちが集う〈警察のいえ〉を後にして旅に出る。小惑星の衝突を阻止する方法はあると確信して、地下活動グループと行動をともにしているニコ。今、彼女はどこにいるのだろう? パレスはニコとその仲間たちの痕跡を地道にたどってゆく。終末を目前とした世界を描く、アメリカ探偵作家クラブ賞受賞作『地上最後の刑事』、フィリップ・K・ディック賞受賞作『カウントダウン・シティ』に続く三部作の完結篇
  • カウントダウン・シティ
    3.5
    〈フィリップ・K・ディック賞受賞作〉失踪した夫を捜してくれないか――元刑事のパレスは知人にそう頼まれる。小惑星が地球に衝突して人類が壊滅する日まであと七十七日。社会が崩壊していくなか、人ひとりを捜し出せる可能性は低い。しかし、パレスは地道に手がかりをたどりはじめる。『地上最後の刑事』に続く第二弾。
  • 雪が白いとき、かつそのときに限り
    3.8
    冬の朝の学生寮で、少女が死体で発見された。白い雪に覆われた地面には足跡がなく、警察は自殺として処理する。5年後、生徒会長の馮露葵は、寮委員の顧千千の相談を受ける。いじめ騒動をきっかけに過去の事件の噂が校内に広がっていたのだ。真相を探るべく、彼女は図書館司書の姚漱寒と調査を始める。明らかになる、少女に関わった者たちの苦い過去。そんな折、新たな殺人事件が寮で発生する。しかもその現場は5年前と酷似した”雪密室”だった……冷徹なロジックと青春の痛みが織りなす本格華文ミステリーの新境地!
  • 元年春之祭
    3.7
    二千年以上前の前漢時代の中国。山中の名家を訪ねてきた少女は、かつてこの地で奇妙な殺人事件が起きたことを聞き、その推理を試みる。そこに新たな事件が! 不可能状況の殺人、二度にわたる「読者への挑戦」。気鋭の中国人作家による本格推理小説の新たな傑作
  • 殺す手紙
    3.6
    空襲の焼け跡にある空き家へ行き、指定の時刻ちょうどにランタンを灯してほしい。そして何が起こっても、決して逆らってはいけない……親友からラルフに届いた奇妙な手紙。友の正気を疑いつつも、事情があるものと察したラルフは指示通り夜の町へ出た。だが問題の空き家に警官が踏み込んで来たのを皮切りに、あっという間に事件の連続に巻き込まれてしまう。奇妙なパーティーに紛れ込み、空襲で死んだ自分の妻を見かけ、ついには殺人事件が! 不可能犯罪ものの名手がストーリーテリングの才を発揮するサスペンス
  • 狂人の部屋
    3.6
    〈ツイスト博士〉その部屋には忌まわしい過去があった。かつてそこで、一人の青年が原因不明のまま怪死したのだ……その後は長くあかずの間となっていた部屋を現在の当主が開いたとたん、次々に怪事件が起きる。当主は不可解な状況で部屋の窓から墜落死し、部屋の中を見た妻は卒倒する。はたして部屋には何があるのか?
  • 虎の首
    4.0
    休暇から戻ったツイスト博士を出迎えたのは、事件の捜査で疲れ切ったハースト警部。郊外のレドンナム村で、次いでロンドンの駅で、切断され、スーツケースに詰めこまれた女性の腕と足が見つかったのだ。警部の依頼を待つまでもなく事件に興味を持った博士だったが、すぐにその顔色が変わった。駅から戻って蓋を開いた博士のスーツケースから出てきた物は……いっぽう事件の発端となったレドンナム村では、密室でインド帰りの元軍人が殺される怪事件が起きていた。なんと犯人は、杖から出現した魔神だと言うのだが……怪奇と論理の華麗なる饗宴
  • 七番目の仮説
    5.0
    ペストだ! その一言に、下宿屋の老夫婦は戦慄した。病に苦しむ下宿人の青年を囲んでいるのは、中世風の異様な衣裳に身を包んだ三人の医師。担架で患者を搬出すべく一行が狭い廊下に入ったとたん、肝心の患者が煙のように担架の上から消え失せた! 数刻後、巡回中の巡査が、またしても異様な姿の人物に遭遇する。言われるままに、路地に置かれたゴミ缶の蓋を取ると、そこにはなんと……だが奇怪きわまる一夜の事件も、実はさらなる怪事件の序章に過ぎなかったのだ。それはさすがのツイスト博士も苦汁を舐めさせられる難事件中の難事件だった
  • カルニヴィア1 禁忌
    3.9
    ヴェネツィアの教会の石段で、女性の死体が発見された。死体はカトリックの女性には許されない司祭の祭服を着て、腕には奇妙な模様のタトゥーがあった。憲兵隊の大尉カテリ-ナは捜査を開始する。その頃、米軍基地に赴任した少尉のホリーは、旧ユーゴ内戦時の記録の公開を求める女性と面会した。ホリーは記録を調べるが、やがてその女性の死を知る。カテリーナとホリーは協力し、ソーシャル・ネットワーク「カルニヴィア」の創設者ダニエーレとともに、二人の女性の死に潜む陰謀に迫る。
  • カーテンの陰の死
    5.0
    〈ツイスト博士〉殺人現場に偶然居合わせたマージョリーは、犯人と同じ服装をした謎の人物が自分の下宿に入ってくるのを目撃する。続けて密室殺人事件が発生するにおよび、ハースト警部らが乗り出すが、事件の状況は七十五年前にこの下宿屋で起きた迷宮入り事件とそっくり同じだった……
  • 赤い霧
    3.8
    “フランスのディクスン・カー”と評され、日本でも二年連続ベスト1に輝いた著者が、十九世紀末の英国を舞台に、十年前の密室殺人とロンドンの連続娼婦殺人事件を融合させた冒険小説大賞受賞作。
  • 赤髯王の呪い
    4.0
    〈ツイスト博士〉エチエンヌは兄から届いた手紙に驚愕した。ある晩、兄が物置小屋を窓から覗くと、そこには十六年前「赤髯王ごっこ」をしたために呪いで刺殺されたドイツ人少女の姿があったというのだ……『第四の扉』刊行以前に私家版として発表された幻のシリーズ第一作。ほかにシリーズ短篇三作を収録。
  • 六人目の少女
    3.8
    森のなかで見つかった六本の左腕。それは、世間を騒がせる連続少女誘拐事件の被害者たちのものだと判明する。しかし、誘拐された少女は五人だった。六人目の被害者は誰なのか。失踪人捜索のエキスパートであるミーラ・ヴァスケス捜査官は、高名な犯罪学者ゴラン・ガヴィラとともに特別捜査班に加わることになる。だが、警察の懸命の捜査を嘲笑うかのように、犯人は少女の遺体を次々と発見させて……。 バンカレッラ賞、フランス国鉄ミステリ大賞、マッサローザ文学賞、カマイオーレ推理小説賞、ベルギー推理小説賞など数々のミステリ賞に輝いた息もつかせぬ傑作サイコサスペンス!
  • ありふれた祈り
    4.0
    〈アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞/バリー賞/マカヴィティ賞/アンソニー賞受賞作〉1961年、ミネソタ州の田舎町で家族とともに暮らす13歳の少年フランク。そのごく平凡だった日々は、思いがけない悲劇によって一転する。少年の人生を変えた忘れがたいひと夏を描く、切なさとほろ苦さに満ちた傑作ミステリ
  • 渇きと偽り
    4.0
    干ばつに苦しむ町で発生した一家惨殺。ある理由で20年ぶりにこの地へと戻ってきた警官フォークは、事件の犯人と目されている亡き友人ルークの汚名を晴らすべく捜査をはじめる。果たして真相は? オーストラリアでベストセラーとなった、新鋭による抒情あふれるフーダニット。
  • 特捜部Q―檻の中の女―
    4.3
    捜査への情熱をすっかり失っていたコペンハーゲン警察のはみ出し刑事カール・マークは新設部署の統率を命じられた。とはいっても、オフィスは窓もない地下室、部下はシリア系の変人アサドの一人だけだったが。未解決の重大事件を専門に扱う「特捜部Q」は、こうして誕生した。まずは自殺と片付けられていた女性議員失踪事件の再調査に着手したが、次々と驚きの新事実が明らかに!
  • ねじれた文字、ねじれた路
    3.9
    周囲に白眼視され孤独に生きる自動車整備士ラリーは、ある事件を契機に疎遠だった少年時代の親友、人種も境遇も超えて友情を育んだサイラスと再会するが……。英国推理作家協会賞ゴールド・ダガー(最優秀長篇賞)受賞作!ホラー小説を愛する内気なラリーと、野球好きで大人びたサイラス。1970年代末の米南部でふたりの少年が育んだ友情は、あるきっかけで無残に崩れ去る。それから25年後。自動車整備士となったラリーは、少女失踪事件に関与したのではないかと周囲に疑われながら、孤独に暮らす。そして、大学野球で活躍したサイラスは治安官となった。
  • バトラー弁護に立つ
    -
    「わたしの災難のすべては、あなたの手袋が原因です。助けてくれないと殺人が起きます……」弁護士事務所にいたヒューと許婚のヘレンの前にトルコ帽の東洋人が現われた。予言どおり彼は他に誰もいないはずの部屋で死んでしまう。不可能犯罪に法廷弁護士パトリック・バトラーが挑む!
  • 地上最後の刑事
    3.8
    〈アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀ペイパーバック賞受賞〉小惑星衝突が迫り社会が崩壊しつつある世界で、新人刑事は地道な捜査を開始する。近未来ミステリ。   ファストフード店のトイレで死体で発見された男性は、未来を悲観して自殺したのだと思われた。半年後、小惑星が地球に衝突して人類は壊滅すると予測されているのだ。しかし新人刑事パレスは、死者の衣類の中で首を吊ったベルトだけが高級品だと気づき、他殺を疑う。同僚たちに呆れられながらも彼は地道な捜査をはじめる。世界はもうすぐなくなるというのに……なぜ捜査をつづけるのか? そう自らに問いつつも粛々と職務をまっとうしようとする刑事を描くアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀ペイパーバック賞受賞作!
  • 最後の旋律
    3.5
    最初は盲目のバイオリン奏者だった。腕は良かったが人づきあいは悪く、誰からも恨まれずにひっそりと生きてきた男が、いきなり顔の真ん中を撃たれて殺されたのだ。すぐに刑事たちの困惑は深まることになる。今度は化粧品販売の女性が射殺されたのだ。キャレラ、ホース、マイヤーら87分署精鋭を総動員した捜査が導く意外な真相とは? 半世紀におよぶ大河警察小説の最終作
  • 耳を傾けよ!
    -
    刑事部屋に次々と届く謎のメッセージ。またもや宿敵中の宿敵、大悪党デフ・マンが現われたのか? 知恵を絞るキャレラたちを尻目に、意表をついた犯罪計画は、着々と進行する
  • 歌姫
    3.0
    ハーブ河に浮かぶ豪華ヨットで新人歌手ターマーのデビュー・イヴェントが華々しく催される。だが挑発的なパフォーマンスの最中、銃を手に突如乱入した二人の男が、ターマーを誘拐した! 事件は87分署の管轄となるが、FBIが介入して……大胆な誘拐犯との熾烈な知恵比べに、87分署精鋭が総力で挑む
  • でぶのオリーの原稿
    -
    市長選の有力候補者が、イベントの舞台上で何者かに狙撃された。全市を揺るがす大事件を担当するのは、88分署オリー刑事。だが現場に駐めた車から彼の処女小説の貴重な原稿が盗まれてしまう。重大事件そっちのけで、オリーの関心は原稿の行方に……異色の主人公を起用し、斬新な手法を駆使した話題作
  • マネー、マネー、マネー
    -
    クリスマス間近のアイソラでショッキングな事件が発生。空軍の元パイロットの女性がライオンに食い殺されたのだ。捜査を始めた87分署のキャレラと88分署のファット・オリーは、被害者が麻薬の運び屋をして大金を稼いでいたことをつかむが……国際謀略ものの面白さを加味してスケールアップした第51作
  • その雪と血を
    4.3
    オーラヴ・ヨハンセンは殺し屋だ。この数年間、麻薬業者のボスに命じられて殺人を引き受けてきた。今回の仕事は、不貞を働いているらしいボスの妻を始末すること。いつものように引き金をひくつもりだ。だが彼女の姿を見た瞬間、信じられないことが起こる。オーラヴは恋に落ちてしまったのだ――。葛藤する彼の銃口は誰に向かうのか。放たれた弾丸が首都の犯罪組織を大きく揺るがす……。雪降りしきる70年代のノルウェーを舞台に、世界で著作累計2800万部を突破した北欧ミステリの重鎮が描く血と愛の物語。
  • 大鴉殺人事件
    -
    突然轟音とともに弾丸がマイクロフォンから発せられ、ロス・クレグソーンの顔に襲いかかった。壇上に倒れた彼は何か言いたそうだったが、弾丸が入った口からは血が溢れるだけだった。しかし、ロス・クレグソーンは最後の力を振り絞った。彼は死を前にしてなお何か伝えようとするかのように、司会者の手から陶器の大鴉像をもぎとり、それを壇の床に打ち砕いたのだ! 死のメッセージ“砕かれた大鴉”とは?
  • 暗殺のジャムセッション
    3.5
    冷戦の最前線西ドイツでスパイ戦争に巻き込まれたマッコークルは、無事に帰国し、連れ帰った恋人フレドルと結婚してワシントンに〈マックの店〉を再開した。そこに突然、かつての相棒パディロが転げこんできた。元共同経営者にして腕利きスパイ兼殺し屋のパディロは、潜伏先の西アフリカから脱出してきたのだ。某国の首相暗殺を依頼され、それを断わったことからトラブルになったという。だが暗殺の依頼者たちは、何としてもパディロに暗殺を実行させるべく、卑劣な手段に訴えてきた……謀略と裏切りと追跡が交錯するなか、暗殺計画の歯車を止められるか?

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