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偽証するオウム
その日の新聞は、億万長者セイビン殺害事件の記事で埋まっていた。物とりではなかった。札のつまった紙入れも宝石類も奪われていず、死体のかたわらには、彼がいつも身辺から離したことのない愛玩用のオウムが、すさまじい叫びをあげて人を呼んでいたという……。メイスンは、セイビンの息子チャールズの訪問を受ける。セイビンの莫大な遺産をめぐって、義母のヘレンと連れ子のスティーヴが何か策謀をめぐらしている。事件の真相を調査するとともに、二人の狙いを探りだして自分の権利を守ってほしいという。メイスンに、チャールズは二つの事実を打ち明けた。そのうちの一つは、死体のそばにいたオウムが、セイビンのかわいがっていたのとはちがうオウムであることだった……シリーズ初期の傑作。 -
黒い海岸の女王
1万2千年の昔、アトランティス大陸が海中に没したのち、現存する歴史が記されるまでの空白の期間にハイボリア時代なるものが存在した。この時期の伝承を伝えるネメディア国の年代記は、アトランティスの末裔、キンメリア生まれの英雄コナンの事跡を記している――。30歳で夭折した天才作家が創造し、のちに数多現れるヒロイック・ファンタジーの源となった傑作シリーズを、著者のオリジナル原稿に遡った校訂のもと全6巻に集成して贈る。横溢する妖美、奇怪はもとより一大宇宙史までをも堪能されたい。【収録作】「キンメリア(詩)」/「氷神の娘」/「象の塔」/「石棺のなかの神」/「館のうちの凶漢たち」/「黒い海岸の女王」/「消え失せた女たちの谷」/「資料編/「死の広間(梗概)」/「ネルガルの手(断片)」/「闇のなかの怪(梗概)」/「闇のなかの怪(草稿)/「R・E・ハワードからP・S・ミラーへの手紙」/「ハイボリア時代」/解説=中村融 -
思考機械の事件簿
1891年、英国で創刊したばかりの〈ストランド・マガジン〉が掲載したシャーロック・ホームズ譚は、爆発的な好評を博し、雑誌の売行きは一挙に数倍にはね上がった。この異常人気に他誌が黙っているはずはない。かくして陸続と独自の個性を誇る名探偵たちが登場し、名推理を競い合うことになった。彼らを通称して《シャーロック・ホームズのライヴァルたち》といい、名探偵の世紀が開幕する。本巻はアメリカの生んだ名探偵《思考機械》の活躍を描く名作を選りすぐった本格派ファン垂涎のコレクション第1巻!/【目次】《思考機械》調査に乗り出す/謎の凶器/焔をあげる幽霊/情報洩れ/余分の指/ルーベンス盗難事件/水晶占い師/茶色の上着/消えた首飾り/完全なアリバイ/赤い糸/解説=戸川安宣 -
アデスタを吹く冷たい風
謹厳実直の士、そして妥協なき謎の解明者〈テナント大佐〉。彼が活躍する4篇を収め、「復刊希望アンケート」で二度No.1に輝いた伝説的短篇集がついに文庫化。全7篇収録。 -
愛蔵版 英雄コナン全集
夭折したロバート・E・ハワードが一九三〇年代に『ウィアード・テールズ』などに発表したヒロイック・ファンタシーのシリーズ〈英雄コナン〉が愛蔵版となって登場! 本書は、〈新訂版コナン全集〉(東京創元社 二〇〇六-一三)」を基に、訳者・中村融氏が全面改稿。新たに新資料も加え、全四巻にてお送りする。 第一巻「風雲篇」の収録作は以下の通り。 氷神の娘/象の塔/石棺のなかの神/館のうちの凶漢たち/黒い海岸の女王/消え失せた女たちの谷/黒い怪獣/月下の影/魔女誕生 〈資料編〉死の広間(梗概)/ネルガルの手(断片)/闇のなかの怪(梗概)/闇のなかの怪(草稿)/P・S・ミラーへの手紙/ハイボリア時代 -
黒河を越えて
30歳で夭折した天才作家が創造し、すべてのヒロイック・ファンタジーの源となった傑作シリーズを、最新の校訂研究にもとづいて贈る第4集。傭兵部隊で気ままな暮らしを送っていたコナンの前に現れた、海賊団の女首領ヴァレリア。彼女を追って黒人王国の奥地深く踏み入ったコナンが見たものは、何年も開かれたことのないような城門に守られた死の都であった! 勇将コナンの南方国での活躍を描く「赤い釘」など3編を収録する。【収録作】「赤い釘」/「古代王国の秘宝」/「黒河を越えて」/資料編「ロバート・アーヴィン・ハワード」E・ホフマン・プライス/解説=中村融 -
黒い予言者
30歳で夭折した天才作家が創造し、すべてのヒロイック・ファンタジーの源となった傑作シリーズを、最新の校訂研究にもとづいて贈る第3集。ヴェンドゥヤ国の姫ヤスミナは、兄王を呪い殺した魔術師に復讐を果たすため、7人の捕虜の命と引き換えに、山地族の首領として勇名を轟かせていたコナンをヒメリア山系の奥深くへと向かわせようとした――人跡まれな山間に棲む恐るべき魔術師との死闘を描く表題作はじめ3編を収録。解説ではハワードの生涯を詳細に紹介。【収録作】「黒い予言者」/「忍びよる影」/「黒魔の泉」/「トムバルクの太鼓(梗概)」/「トムバルクの太鼓(草稿)」/解説=中村融 -
魔女誕生
30歳で夭折した天才作家が創造し、すべてのヒロイック・ファンタジーの源となった傑作シリーズを、最新の校訂研究にもとづいて贈る第2集。女王の死んだはずの双子の妹が魔女となって帰還、小王国カウランは一夜にして、女王と入れ替わった魔女ひきいる傭兵軍団の手に落ちた。これに立ち向かう守備隊長コナンの苦闘を描いた、圧巻の表題作をはじめ5編を収録する。また巻末には、著者と親しかったH・P・ラヴクラフトの手になる、詳細なハワード評伝を収めた。【収録作】「黒い怪獣」/「月下の影」/「魔女誕生」/「ザムボウラの影」/「鋼鉄の悪魔」/「ロバート・アーヴィン・ハワード――ある追想=H・P・ラヴクラフト」/解説=中村融 -
ミス・マープルのご意見は?
セント・メアリ・ミード村で静かな暮らしを送るミス・マープルは、人のうわさ好き。どんな出来事にも興味をもち、好奇心旺盛で記憶力も抜群。編物をしながら、じっと話に耳を傾けている。ガーデニングも好きで、通りかかる人物にも注意を怠らない。そして驚くべき洞察力で、事件の謎を解いてしまう。ミス・マープルは長編「牧師館殺人事件」で初めて顔をみせ、 その後、多くの短編・長編で活躍した。「ミス・マープルの物語は、書いていてとても楽しかった。わたしは、自分が作ったこのおだやかなおばあさんが大好きになってしまいました。読者のみなさんにも好きになってほしいと心から願っています」作者はこう書いた。 -
オランダ靴の秘密
大病院の手術台の上で、今まさに執刀されようという患者が首を絞められ殺されていた!被害者は病院の創設者であり、遺産相続をめぐる容疑は病院内部に向けられたが、やがて第二の殺人が起った!あらゆる手がかりを提示し、フェアプレイの精神で読者に挑戦する本格中の本格ミステリ。 -
Zの悲劇
悪名高い上院議員が殺された。遺品の中からは、いわくありげな小箱と、ある囚人からの復讐をにおわす脅迫状が発見された。しかもその男は、最近出所したばかりだったのだ……現代的な女探偵の先駆ペイシェンス・サムと老探偵ドルリイ・レーンの見事なコンビぶりを描く型破りの本格探偵小説。新訳決定版! -
本好きに捧げる英国ミステリ傑作選
現代英国を代表するミステリ作家にして愛好家マーティン・エドワーズが、英国探偵小説の一時代を築いた巨匠たちの名品から精選した「本」にまつわるミステリ傑作選。毒を盛られた愛書家が、死の直前に蔵書に書き残したアンダーラインの真相。売れっ子作家の妻を殺したい男が仕掛けるアリバイトリック。編集者が作家クリスチアナ・ブランドに宛てた原稿依頼書を誤って受け取った女性による奇妙な犯罪の顛末……。犯人当てからクライムストーリイ、〈奇妙な味〉からショートショートまで、様々なバリエーションで本好きに捧げる十六のミステリ!/【目次】序=マーティン・エドワーズ/作家に授ける殺人講義=G・D・H&M・コール/救いの天使=E・C・ベントリー/暗殺者クラブ=ニコラス・ブレイク/メガテリウム・クラブの奇妙な盗難事件=S・C・ロバーツ/殺意の家=フィリップ・マクドナルド/荒っぽいゲーム=A・A・ミルン/本の中の手がかり=ジュリアン・シモンズ/ある原稿=グラディス・ミッチェル/ある男とその姑=ロイ・ヴィカーズ/灰色の幽霊=マイケル・イネス/拝啓、編集者様=クリスチアナ・ブランド/あらかじめの殺人=マージョリー・ブレムナー/性格(キャラクター)の問題=ヴィクター・カニング/名誉の書=ジョン・クリーシー/きみが執筆で忙しいのはわかってるけれど、ちょっとお邪魔してもかまわないだろうって思ったんだ=エドマンド・クリスピン/章と節=ナイオ・マーシュ/解説=小山正 -
ピーター卿の事件簿
ピーター・デス・ブリードン・ウィムジイ卿は十五代デンヴァー公爵の次男。クリケットの名手にしてワイン通、書物蒐集と音楽、そして犯罪の探究を趣味とする貴公子である。クリスティと並び称されるミステリの女王セイヤーズが創造したピーター卿は、従僕を連れた優雅な青年貴族として世に出たのち、作家ハリエット・ヴェインとの大恋愛を経て人間として大きく成長し、古今の名探偵の中でも屈指の魅力的な人物となった。本書はその貴族探偵の活躍する中短編から「不和の種、小さな村のメロドラマ」等、代表的な秀作7編を選んだ作品集である。【収録作】「鏡の映像」/「ピーター・ウィムジイ卿の奇怪な失踪」/「盗まれた胃袋」/「完全アリバイ」/「銅の指を持つ男の悲惨な話」/「幽霊に憑かれた巡査」/「不和の種、小さな村のメロドラマ」/解説=戸川安宣 -
フランス白粉の秘密
喧騒を極めるニューヨークの五番街、その一角を占めるフレンチ百貨店では、新型家具の展示が行われていた。群衆を前に係が壁収納ベッドのボタンを押すと・・・・・・中から飛び出したのはなんとフレンチ社長夫人の射殺死体だった。大百貨店を醜聞の中に叩き込んだ事件の謎をエラリイはどう解くか?国名シリーズ第2作。 -
ローマ帽子の秘密
観客でごったがえすローマ劇場で異常な事態がもちあがった。ニューヨークきっての悪徳弁護士が客席で息絶えていたのだが、不思議なのは被害者の帽子が現場から消えていたことだった。弁護士に恨みをもつ小悪党、社交界の花形、俳優たち・・・・・・帽子は誰の手でなぜ消えたのか? クイーンの処女長篇決定版。 -
ドルリイ・レーン最後の事件
髭をまだらに染めた異様な風体の男がサムのもとを訪れた。一通の封筒を預けて男は消えたが、同じ頃博物館でシェイクスピアの稀覯本すり替え事件が起きる。サムの要請に応じ、ドルリイ・レーンが世界文学史を根底から覆す大事件の謎に挑む。X、Y、Zに続く四部作の掉尾を飾る、巨匠の代表的傑作。改訳決定版。 -
スミルノ博士の日記
天才法医学者ワルター・スミルノはある晩、女優アスタ・ドゥールの殺害事件に遭遇。容疑者として、かつての恋人スティナ・フェルセンが挙げられる。名探偵レオ・カリングの手を借り、不可解な謎に挑むのだが……。 本作はかつて小酒井不木訳で「新青年」に掲載されるや、江戸川乱歩・横溝正史ら戦前の日本人作家にも多大な影響を与えた。世界ミステリ史上にその名を刻む、探偵小説ファン必読の傑作本格推理長篇。 〈解説〉戸川安宣 【目次】 第1章 発端 第2章 糊づけにされたページ 第3章 警官第三一七号 第4章 偶然 第5章 尋問 第6章 「あなたの奥さんです」 第7章 犯行の時刻 第8章 三人目の客 第9章 新しい事実 第10章 レオ・カリング援助を求める 第11章 第二の銃弾 第12章 犯人の名 第13章 意外な展開 第14章 深夜の冒険 第15章 厚かましい侵入者 第16章 新しい証拠 第17章 手紙 第18章 犯人はだれか? 第19章 告白 第20章 レオ・カリングの付記 ドゥーセ今昔(宇野利泰) -
ドラゴンの歯
エラリー・クイーンは自分と同じ警察官の息子ボー・ランメルの発案で、いっしょに私立探偵社を経営することになった。ボーは金も出し、足回りの仕事はなんでもやるという。ある日、そこへ億万長者カドマスが現われ、将来、事件を依頼するからという怪しげな条件で、多額の契約金を払っていった。その数日後、依頼人は愛用の豪華なヨットの上で謎の死をとげる。巨万の富を相続することになる二人の娘をめぐってまき起こる怪事件に乗り出すクイーン! 謎ときの興味横溢する本格編! ギリシア神話のカドマスはドラゴンの歯を地中に埋めて多大なトラブルを生み出したのだが……。 -
赤後家の殺人
マントリング邸にある《後家部屋》は、ひとりで過ごすと毒で死ぬとの伝説があり、開かずの間になっていた。そこをマントリング卿が60年ぶりに開けて実験することに。入るのはトランプによる抽籤でスペードのAを引いたベンダーだった。彼は夜の10時から2時間の約束で1人で入り、15分ごとに返事をする。ところが、ちゃんと返事をしていたのに、12時になっても出てこない。皆が部屋に入ってみると、どうも1時間前には毒で亡くなっていたらしい! 謎は解けぬまま、新たな犠牲者が――。作者が好きな「密室殺人劇」だが、毒の罠や処刑人サンソンの話など歴史的蘊蓄の披露もあり、時間的にも空間的にもスケールが広がってゆく展開と怪奇趣味を楽しめる。乱歩の好みの作品だった。 -
思考機械の事件簿
「思考機械」(Thinking Machine)とはそもそも何者なのか。これはれっきとした探偵の名前で、アメリカ生まれのシャーロック・ホームズの仲間だ。「いかなる問題も、すべて単純な知的操作によって数学的因子に還元されるはずなのだよ」オーガスタス・S・F・X・ヴァン・ドゥーゼン教授(これが彼の本名だ)は、力を込めて言った。作者フットレルは、ジョージア州生まれで、一九〇五年、「思考機械」の別名を持つ探偵が活躍する推理小説「13号独房の問題」を発表して人気を集めた。以後、「思考機械」ものの推理小説で欧米の人気をさらったが、奇しくも一九一二年、タイタニック号の遭難事故で死亡した。「思考機械」ものの推理小説は、ポーストの「アブナー伯父」と並びアメリカン・ミステリの古典として高く評価される。 -
もう探偵はごめん
トムとディックとは無二の親友だった。同じ大学を出、同じアパートで暮らし、いっしょに美人の尻を追いかけ、いっしょに女から逃げ、ひとつの背広を着あう仲だった。ところが、ある夜、トムに幸福と不幸がいちどに訪れる。トムとマーシャの結婚祝賀パーティが、ホテルでひらかれた夜である。宴たけなわに、その夜社交界にデビューしたばかりの、うら若いマーシャの妹が変死をとげた。死因は誤って親指に突き刺さったバラの棘に毒が塗られていたためで、そのバラというのが、トムが婚約者に贈った花束の一輪だった! 警察の嫌疑はトムに向けられ、ディックは親友にかけられた見当違いな濡衣を晴らすため、素人探偵を買ってでた。この表題作の他、サスペンス派の巨匠アイリッシュの好短編6編を収録。 -
アラビアンナイトの殺人
ある夏の夜、ロンドンのウェイド博物館を巡回中の警官が、怪人物を見かけたが、その人物は忽然と消えてしまった。しかも博物館の中には殺人事件が発生していた。それはとんでもない大事件の発端であったが、未解決のままだった。奇書アラビアンナイトの構成にならって、この事件を体験したロンドン警視庁のお歴々三人は、三者三様の観察力と捜査法を駆使して事件を物語る。そして、その話の聞き手はギデオン・フェル博士である。ユーモアと怪奇を一体にしたカーの独特な持ち味が、アラベスク模様のようにけんらんと展開する代表的巨編。フェル博士がみごとな安楽椅子探偵ぶりを発揮する異色作。 -
靴に棲む老婆
世界的な製靴会社を築き上げたコーネリと前夫との間に生れた三人の子供は奇人揃いだった。ある日、長兄のサーロウは弟のロバートに決闘を申し込み、なんとクイーンに介添人を頼んできたのだった。彼は一計を案じ、銃に空包をつめたのだが……!マザー・グースの歌を本格推理にみごとに融合されたクイーンの中期の傑作