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「本」が禁じられた世界、焚書官モンターグの仕事は、本を見つけて焼き払うことだった。人々は超小型ラジオや大画面テレビに支配され、本なしで満足に暮らしていたのだ。だが、ふと本を手にしたことから、モンターグの人生は大きく変わっていく……現代文明に対する鋭い批評を秘めた不朽の名作。
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Posted by ブクログ
「世の中に本がなくても困らない」「本を読まなくても平気」な人がいる(このサイトにはいないだろうけど)。そういう人だって情報はないと困るし、ネットニュースやSNSやTVなどで収集しているだろう。この小説で書かれる「書物」と「TV」は情報を得る媒体として何が違うのだろうか? 一つは読書という行為は受け身...続きを読むの人には敷居が高いということにあるのかも。ネットやTVは受け身でも何とかなるが、読書は受け手が何らかの「問い」を持たない限り、行為が発動しないという不親切さがあるのだと思う。この作品で燃やされる書物は、人間の「問い」の直喩であり、その背景にある「知性」のことだと締めくくられている。読む前はもっとシニカルでアイロニカルな文明批評なのかと思いきや、かなり作者の危機感や怒りが率直に感じられて意外だった。ちなみにこの作品で人間を無思考状態に陥らす「壁テレビ」は、従来のテレビではまだ生ぬるかったが、ほぼほぼ今のスマホで代替可能になった。スマホはTVと違って10時間を超える利用も可能。「考えるための余暇」も確実に奪い得るのだから。
昔のSF小説を読むと、人間社会の行く末を的確に予見した知性の働きに驚く。 本が禁止された世界で、焚書官モンターグの仕事は、本を焼き払うこと。人々は本を読み、物事の本質を捉えることをやめてしまい、物事を考えるいとまを持つこともなく、「幸せ」に暮らしている。 しかし、その世界には戦争が迫っている。テレ...続きを読むビやラジオは戦争のことを語らず、のんきな人々は「戦争は誰か他の人が死ぬもの」と思い込んでいる。 実は、この世界では、初めに焚書官がいたのではなく、初めには本を読まなくなった人々がいた。 それから、本を忌み嫌う政権が生まれ、人々が惑わされないようにと本を選び禁止していった。 これは2000年代からの日本の話でしょうか。 本を読まなくなった人々。知性を忌み嫌う政権。 互いを監視し合う自粛警察。溢れる音楽と動画配信。暇や空白の時間を無くし、汲々と効率の良い生活を求め。私たちはせっせとディストピアを自らの手で建設しているように思えてなりません。
素直に面白かった。物事を考えるのに必要な知識と閑暇(ヒマ)を人間に与えるのは本ではなく、自分以外の人間である他者との関係性なのだろう。
集中力がいる作品だが、今年一ワクワクして面白かった。 思想の統一 が焚書という非現実的な設定でまとめられているが、遠い未来こうしたことが起こらなくもないかもと思えた。 ネットで情報が拡散される今の世の中を舞台とした物語も読んでみたい。 映画版も観ようと思う。
全ての教育者は読むべし!!「本を読まないとバカになる」のは本当なんだな、と思わせる1冊。(3-5-2010)
本が禁止となった世界で本を燃やす仕事をしている主人公が自らの仕事に疑問を抱き始める。 現代のスマートフォンのようなものに人々は夢中であり娯楽はあるが空虚なディストピア的世界観。
この作品が六十年も前に書かれたことがまず驚き。 作品内で描かれている書物、テレビ、広告、ラジオ、選挙などと人間との関係性は、現代において全てフィクションとは言いきれないほどにリアリティーがある。娯楽の洪水に溺れて"考える"ことをやめてしまうのは簡単で楽だけど、本当にそれでいい...続きを読むのか。携帯やパソコンなしでは生活できない自分に、遠い昔から作者が問いかけてきたようだ。
本の所持が禁止された世界を舞台に、見つかった本を焼き払う”焚書官”の仕事をするモンターグの姿を描いたディストピアSF。 以前NHKの「クローズアップ現代」で読書について取り上げられているのを見ました。その番組の中の実験で普段読書をする学生としない学生でレポート課題に取り組む際どのような違いが...続きを読む見られるか、ということが実験されていたのですが、それがこの本の内容とシンクロしているような気がします。 モンターグはふとしたきっかけから衝動的に一冊の本を持ち帰り、その本を読み自分の仕事に疑問を持ち始め元大学教授のフェイバーに話を聞きにいきます。 フェイバーが語る書籍のない社会に欠けているもの。一つはものの本質をつかむ力。二つ目はその本質を消化する閑暇。そして三つ目が先の二つから学び取ったものを基礎において行動する力だそうです。 本が禁止された世界は、この小説の中ではこんな風に書かれています。 まず重要な役割を演じているのはテレビです。テレビは映像や音響の力で人間の想像力を縛ります。 また徹底したカットや編集、あらすじや概要だけを伝える省略化によって、視聴者にその番組の細かいところを想像させないようにし、また次の番組に移るという情報の意味を考えさせない工夫がされています。 また余暇はスポーツを徹底させて組織論を身体に覚えこませ、また身体を動かすことでふと物思いにふける時間を取らせないようにしています。 こんな世界だからこそ、人々は何も考えず与えられた情報をただ消費するだけになってしまい結果的に支配しやすくなるというわけです。 そして自分がNHKの番組とシンクロしていると感じたのはフェイバーが語る3つ目の理由。学び取ったものを基礎において行動する力です。 NHKの読書をする学生としない学生のレポート課題の取り組み方を調べる実験によって明らかになった違い。前者はネットで調べた後、本からさらに課題について知識を得、独自の観点を見つけそこから自分の意見を展開していったことに対し、 後者はネットで調べた多様なテーマをコピー貼り付けし、最終的にその多様なテーマを意見や考察に結びつけることなく簡単に数行で終わらせてしまう結果に終わったそうです。 こうしたところに学び取ったものを基礎において行動する力の限界が見えたように思いました。 ネットやSNSで簡略化された情報が次々と現れては消えていくようになった現代において、60年以上前に書かれたこの小説は今もなお警鐘を鳴らし続けているように思います。 警句的な意味でも名作ですが、ところどころに見られるブラッドベリらしい詩的なイメージや文章もさすが、と思いました。 そして徐々に本の重要性を知っていき、本を守るために命を懸けるモンターグの姿は本好きとして応援せずにいられなくなりました。そういう意味でとても共感しやすかったと思います。
書籍を持つことが禁じられた世界。書籍の一切を焼き払う「焚書官」という仕事に就くモンバーグは、近所に越してきた不思議な少女クラリスと出会い、また書籍とともに命を落とす老婆の存在を目の当たりにし、本を忌むこの世界に疑問を持ち始める。 思考すること・物事に疑問を持つことの重要性、思考の時間を奪われること...続きを読むの恐怖と弊害、さらには人間らしさとは何かを問う作品だと思う。 耳にはめた超小型ラジオや大画面テレビから、引っ切り無しに流れてくる情報の海。書籍から知識や思想を学び感じ取ることを禁じられ、物思いにふける時間すら悪とされる。 徹底的に思考を管理された世界は、確かに人と衝突することなく一見平和かもしれない。けれど刹那的で自身の意志を持たない「生」は、はたして「生きている」と言えるのか。 モンバーグの声に耳を貸そうとせずこの世界の規則に則ろうとする妻ミルドレッド、本に精通し知識にも長けながら本を真っ向から全否定する上司ビーティ、裏で本を肯定し冷静にモンバーグの想いに添う元大学教授フェイバーなど、モンバーグはそれぞれの意見に耳を傾け、自身の考えと立場に悩んでいく。 ある禁忌を犯してしまったモンバーグに降りかかる災難は、先が読めず一気読み必須です。 インターネットやスマートフォンが急速に普及し、溢れんばかりの膨大な情報が簡単に手に入る昨今。流れるように頭を駆け抜けていく情報にひとつひとつ向き合い、深く掘り下げる人はそう多くないはず。電車や歩道でスマートフォンに釘付けになっている人々の姿は、大画面テレビに没頭する妻ミルドレッドと重なる。 SFは苦手と読むのを後回しにしていたが、さすが巨匠ブラッド・ベリ、その中身は普遍的です。この作品のぞっとする怖さは現代に通じます。 ~memo~ 第一に大切なのは、われわれの知識がものの本質をつかむこと。 第二には、それを消化するだけの閑暇をもつこと。 第三には、最初の両者の相互作用から学び取ったものに基礎をおいて、正しい行動に出ることである。
「火の色は愉しかった」 この冒頭の一文に惹かれ、一気に読みました。自分から何も考えずただ刺激的な快楽を受け取るだけの未来は、もう現在のことになっている。壁一面のテレビはスマートフォンに、テレビ中の「家族たち」はSNSの繋がりに姿を変えて。
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