すべての高評価レビュー
-
Posted by ブクログ
ネタバレ皆さんおっしゃる通り、切ない。
石神は刑務所にいても数学に打ち込むことができ、母娘が幸せであれば、もうそれだけで石神にはハッピーエンドだったのでしょう。
靖子はいったんは工藤から贈られた指輪をはめてみて、石神の言うとおりに生きようと決断しかかります。
しかし、娘のリストカットがその決断を覆させました。「このままでは娘が壊れる」と考えたのでしょう。
美里は石神を信頼しており、自分たちの罪をかぶって石神が自首した(第2の殺人は知らない)ことが耐えられなかった。また、工藤と母の関係も受け入れられなかった。美里目線ではそのようなことだったのでしょうね。
さすがの石神も娘の心情までは読み切れなかったとい -
匿名
ネタバレ 無料版購入済み心温まる絆の物語
夏目貴志が祖母の遺品「友人帳」を通じて、人と妖の切ない交流や過去が深く描かれます。「春に溶ける」や「桜並木の彼」など感動的なエピソードが多いです。名取周一との温泉旅行回もあり、人間関係の変化も魅力の心温まる巻です。
-
Posted by ブクログ
ネタバレどの短編もすごく心奪われる内容で、グッと惹きつけられた。結末が示されないのでその後どうなったのか気になる部分はたくさんあるけれど、心に響くシーンもたくさんあった。
どの作品も良いのでどれかを選ぶこともできない。日常のなんてことのない場面が多く描かれているはずが、妙な緊張感に満ちていた。嫌な予感がしてハラハラが止まらない。こうした身近にある違和感や恐怖の描写が素晴らしかった。
そして、女性たちの声がとても身近に感じたという、そのことも収穫だった。たとえフィクションでも、自分と似た心の内がそこにあるというのは心強くもあるのだと知った。
日本でなんらかの被害に遭ったり、被害とまではいかずとも怖い思い -
Posted by ブクログ
「受かった。ココに行くことにする。」
「受かったのか…。母さんは反対しているぞ」
40年以上前、大学受験の合格発表を東京まで見に行き、兵庫県の自宅に電話した僕。そして、それに対する父からの反応だ。
表面的には大きく揉めることなく僕の希望が通った。ただ、スッキリした「おめでとう」を聞いていないような気もする。(僕の知らないところで両親および親戚などでいろいろ議論があたったことは後々聞いた)
そんな「あの日」のことを何度も思い出した。当時の選択に対して後悔はないつもりだ。ただ、「もっとよい決着の仕方があったのではないか」と、この物語を読んだことで少し考えた。
(塾通いは未経験。高校進学まで特 -
匿名
ネタバレ 無料版購入済み多軌との出会い、寄り添う心の成
新キャラクター多軌透との出会いを通じて、夏目が孤独から他者との絆を深めていく過程を描いています。藤原夫妻との過去のエピソードも交え、人と妖の関わりの中で夏目の精神的な成長と温かい人間関係の構築が繊細に表現されており、心温まる一冊です。
-
Posted by ブクログ
四畳半神話大系の事実上の続編。
タイムマシーンをどうもくだらないことに使おうと奔走する腐れ大学生の物語。
四畳半神話大系を読んだ後に読んでください。
ただそれだけでよろしい。
例のごとく四畳半に集う剽軽者どもの夏はどうも暑い...
なんといっても構成が見事、それでいて森見特有の阿呆ながら妙に達観した語りやキャラクター達、目まぐるしいドタバタが200ページ強に詰め込まれていて最高です。
彼らは無事宇宙を救うことが出るのか!!
そしてすべてが繋がったとき、この本の真の面白さに気づくはず...!!
感想を語り合いたい(投げつけたい...)作品の筆頭、是非ご覧ください!! -
ネタバレ 無料版購入済み
暗黒超新星より
冒頭で姉妹が見るオーロラはカラーページがそのまま収録されていて美しいです。
が、そこ以外は人間の醜さがかなり凝縮されているようでもありました。
暗黒超新星のもたらした異変は若年層の高熱のみという症状からの超能力覚醒につながったようです。
主人公は母を失い身寄りもなく、姉の売春で生活しているようです。
しかしやがてやはり顧客などにも12歳の妹に性的興味を持つ輩が出てくるので姉は関係者を消して姿をくらまし、妹さんはしばらく養護施設にお世話になってから姉を探しに出たようです。(お2人で力の使い方を練習していましたし)
そこから仲間を得つつ、題名につながる組織も立ち上げますが、敵対勢力もあるぽいですし