村山早紀のレビュー一覧
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いつものように、登場人物の切ない願いをそっと抱きとめる不思議なコンビニのお話である。
「雪柳の咲く頃に」は凝った作り。
中学生の心優しい少年、淳が瀕死の老猫を助けられず、小さい時から見守ってくれていたタバコ屋のおじいさんとも死に別れる。
なのに、なぜか魔神が封じ込められた壺を拾ってしまい、他の誰かが喰われてしまうことを恐れて困惑する…。
たそがれ堂に行って「解決」するのだけれど、そういう形でか、とちょっとびっくり。
シリーズも七巻ともなると、作者さんもいろいろと趣向を凝らすのだなあ、と思った。
番外編は『百貨の魔法』とのコラボ。
二人の少年が願いをかなえてもらおうと夜の星野百貨店に潜伏する -
Posted by ブクログ
かなりや荘浪漫シリーズ第二弾。
周りの期待と本人の納得と、何かを作るというのは難しいですね。
好きなものだけ作っていればいい趣味とは違う。
お金をもらう、仕事にするとは、そういうこと。
そして友人でありライバルという存在はいいですね。
敵だけど仲間みたいな。
お互い良い刺激を与えられる関係って、仕事において、ものすごく大きなモチベーションになりそう。
いたことないので羨ましいです。
後半は、夜逃げした茜音のお母さんの話。
とても弱い人なのはわかるけど、どんな事情があれ、黙って子どもを捨てるのは理解に苦しむ。
想ってるからこそと言われても、残される側の気持ちを本当には考えてないだろうと。
で -
Posted by ブクログ
書店員さんの仕事、思い、他書店員との連携など、書店員さんの業務の裏側を見ることができたのがとてもよかった。最近はオンラインで本を買ってしまうことが多いけれど、書店に行くとたしかにいろいろな本に心惹かれるし、知らなかった作家の本との出会いもある、それは書店員さんのマジックにかかっていい出会いを生んでいるんだなぁ、とあらためて感じる。
また、作中に登場する「四月の魚」も読んでみたくなる。スピンオフとしてあるのかしら。幸せになれそうな物語を読んでみたい。
一方で、全体として言いたいことがてんこ盛りすぎて、ストーリーにひとつの流れが見出しづらく、さっきまでの話はどうなったの?と気が散ってしまう場面 -
Posted by ブクログ
物語を描いてるときは、自分もその空間に降りたって、登場人物たちと同じ場所の空気を吸っているような、そんな日々を過ごすという作者。
一階正面玄関前の空間から、中央に吹き抜けのあるフロアの方を振り返ると、そこには天窓のスタンドグラスから降り注ぐ、宝石のような光の欠片。丸いガラス窓の中央には白い子猫。青いアサガオと月と星と太陽。
→目をつぶると想像できます。
「桜風堂ものがたり」にも登場する星野百貨店。
どんな内装で、どんな匂いがし、どんな音が聞こえているのか。そもそも、どういう歴史を持ち、その街のその場所に建っているのか。その空間にどんなひとたちの想いを抱いて、今日まで続いてきたのか。
p. -
Posted by ブクログ
私にとっての本とは。
その本を読んで優しい気持ちになったり、あの人に申し訳ないと反省したり、感謝したり、愛おしく思ったり。
そんな本を書く作家さん。そんな本を推薦する書店員さん。いろんな思いをのせて自分の手元にくるんだな。私にとって、その時、必要なメッセージを込めて、私の手元にくるんだなと。
偶然ではなく、必然。
その時の私に必要なメッセージに気づけよ!って私の手元にやってくる。そんなことをしみじみと感じる本が、この桜風堂ものがたりです。
p.16
感謝の思いや、嬉しかったこと、大切に思っているということは、言葉にして伝えておこうと。そうすれば、いつか言葉は魔法になり、自分が大切にしている