村山早紀のレビュー一覧
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かなりや荘浪漫シリーズ第二弾。
周りの期待と本人の納得と、何かを作るというのは難しいですね。
好きなものだけ作っていればいい趣味とは違う。
お金をもらう、仕事にするとは、そういうこと。
そして友人でありライバルという存在はいいですね。
敵だけど仲間みたいな。
お互い良い刺激を与えられる関係って、仕事において、ものすごく大きなモチベーションになりそう。
いたことないので羨ましいです。
後半は、夜逃げした茜音のお母さんの話。
とても弱い人なのはわかるけど、どんな事情があれ、黙って子どもを捨てるのは理解に苦しむ。
想ってるからこそと言われても、残される側の気持ちを本当には考えてないだろうと。
で -
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書店員さんの仕事、思い、他書店員との連携など、書店員さんの業務の裏側を見ることができたのがとてもよかった。最近はオンラインで本を買ってしまうことが多いけれど、書店に行くとたしかにいろいろな本に心惹かれるし、知らなかった作家の本との出会いもある、それは書店員さんのマジックにかかっていい出会いを生んでいるんだなぁ、とあらためて感じる。
また、作中に登場する「四月の魚」も読んでみたくなる。スピンオフとしてあるのかしら。幸せになれそうな物語を読んでみたい。
一方で、全体として言いたいことがてんこ盛りすぎて、ストーリーにひとつの流れが見出しづらく、さっきまでの話はどうなったの?と気が散ってしまう場面 -
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私にとっての本とは。
その本を読んで優しい気持ちになったり、あの人に申し訳ないと反省したり、感謝したり、愛おしく思ったり。
そんな本を書く作家さん。そんな本を推薦する書店員さん。いろんな思いをのせて自分の手元にくるんだな。私にとって、その時、必要なメッセージを込めて、私の手元にくるんだなと。
偶然ではなく、必然。
その時の私に必要なメッセージに気づけよ!って私の手元にやってくる。そんなことをしみじみと感じる本が、この桜風堂ものがたりです。
p.16
感謝の思いや、嬉しかったこと、大切に思っているということは、言葉にして伝えておこうと。そうすれば、いつか言葉は魔法になり、自分が大切にしている -
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人と猫との出逢いによって、心の隙間を埋めてくれる模様が描かれた短編集です。
小説だけでなく、イラストレーターのげみさんが描くイラストが全てカラーとなっているので、想像しやすくなり、幻想的な雰囲気にさせてくれました。
約100ページの量で、値段は税抜きで1500円。高っと思いましたが、全編カラーのイラスト付きとして考えると、妥当なのかなと自分に言い聞かせて購入しました。
げみさんの作品は初めて?だと思いますが、色彩が鮮やかで心を暖かくさせてくれます。また、明と暗の描き方が立体的に浮かび上がるかのような表現であり、幻想的でした。
他の作品も見てみたい気持ちにもなりました。
と思って検索してみ -
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【収録作品】1 十月のお菓子/2 枯れ葉舞う書店にて/3 柱時計は時を刻む/4 星空を行く翼/5 スターダスト/番外編その1 空から降る言葉/番外編その2 冬の魔法
集英社オレンジ文庫版が途絶えてしまったので気になっていたけれど、こちらで再刊してくれて、ちゃんと続きも出るそうなのでありがたい。登場人物の一人一人に物語があるわけで、いろいろと考えさせてくれます。
正直、誰がいちばんになるかはどうでもいいです。売れる本=質のいい本ではないのは当然。質にしたって、結局選考委員の好みが反映されるわけで。プレゼンがうまかったり、有形無形の力があったりする人が味方につくかどうかで分かれる部分もありま -
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12月の刊行と言うことで、1冊まるごとクリスマスのお話。
ここ最近の作品は命の重さを感じる作品が多かったので、今作に収録された話は夢があり、誰もなくならず、優しい気持ちで読み終えることが出来た。
特に1作目の「ガラスの靴」は今まであまり出て来なかったセレクトショップの店員さんが主人公で、とても新鮮な感じがした。遠い昔に優しくしてあげた女の子が恩返しに来るのも、とても夢があって、よかった。
もしクリスマスに奇跡が起きるのならば、私も物ではなく、もう会うことの出来ない人に会いたいと願うだろう。
今回はクリスマスと言うことで、「たそがれ堂」に店長とねここ両方ともいて、サービス作品だったんだろうなぁ。 -
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試験勉強の為、中断していた読書を再開。
再開1作目は試験後の頭にちょうどいい、ほっこりしたこのシリーズの第4作目。
今作はあとがきでも書いてあるが、ポプラ文庫史上一の厚みと言う、なかなか読み応えのあるページ数。
「空の童話」を巡る漫画家、編集者、書店員のお話と年老いた女医さんのエピローグの4編を収録。
表題作の「空の童話」は閉店寸前の書店を舞台に描かれた年老いた店長さんと、心優しい書店員さんのお話かと思いきや、途中から闇の組織の小鳥遊さんや宇宙人のスミスさんが登場し、一時はどんな展開になるかと思ったけど、ラストは安定のほっこり。
決して優しい面ばかりではなく、悲しいこともたくさん描かれているけ