磯田道史のレビュー一覧
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ネタバレ教科書には載っていないけれど
知っていたら歴史が面白くなりそうなエピソードがたくさん載っている。
多少偏っている感があり特に幕末は西軍寄りな雰囲気はあったが、初心者の方でも楽しめると思う。
信長が大蛇を探す話や、
秀吉がお稲荷さんを弾圧したり
竜宮城にお願いをしたりするエピソードが面白い。
家康が騎馬と水泳を大事にしたというのもなるほどと思った。
岩槻城の太田美濃守資正が犬好きで軍用犬を飼っていた
というのも、先見の明があるように思う。
鷹山の話で、当事者意識という表現がわかりやすかった。
罪人が出るのは自分のせいであると考えるのは
非常に繊細だが、それくらいの当事者意識を持って
政治家には政治に当たって欲しいと思ってしまった。
江戸時代は変わり者がやりたいことをやれて
一見無駄に見えるものに寛容だったというのが
なんだか羨ましい。
からくり儀右衛門こと田中久重の両親が、
家のことは無頓着で良いと言ってくれるところがすごい。
蓮月尼が自分の為に棺桶を用意しておいて
普段は米櫃にしていて、しかも困った人がいたら
棺桶を譲ってしまうというのに驚く。
とかく日本は子育てに向いていないなどと言われるが
それは飽く迄現代の話で
日本人の子供好きは世界的にみても類例のないぐらいで可愛がられて微笑ましいと外人が記録している
というのは誇らしくもあり、現代が残念にも思えた。 -
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ネタバレ安住アナのラジオに磯田先生が出演されていて、この本の話もされていたので、興味を持って読んだ。
ラジオで先生は、「歴史とは靴である」とおっしゃっていた。パンデミックは未曽有の事態ではなく、過去の時代にも乗り越えてきたことだから、歴史を調べれば参考になる事例が見つかる。
コロナに限らず、何か問題に直面にした時、自分の頭だけでゼロから考えるのではなくて、過去にさかのぼって事例を徹底的に調べることは、解決策を見つけるのに有効なのだと思った。
■引用
患者史
過去と同類のものが、反復的に襲ってくる→歴史が役に立つ
本能的な人間心理は変わらないものがある
感染症の対策には、総合的な知性が必要
長く幅広く時間軸で物事を捉える歴史学がもっとも威力を発揮する
緊急時のリーダーは、世評は放置し、仁慈、良心に従って断行する必要があります
世界を見て、1番、感染者や死者を減らしている国の対策を素早く取り入れるのが大切です。
地球を1つに見て、最善と思われる対策事例があれば、どんなに手間でも、政府は力の限りそれを真似たほうがいい。
ワクチンを開発し、集団免疫を獲得するのが我々のゴール
自衛隊が感染予防の見本を示している
おそらく化学兵器に対する訓練が行き届いているから
ノウハウを共有すべき
速水先生の言葉
「磯田くん、インド行ってみたらわかるよ。人は経済合理的には行動していない。伝統や慣習や宗教に基づいて生きている」
同じ国の中でも、地方によって特徴は異なる。多様性がある。 -
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「中世武士と近世の武士の違い」では猪山家が面白い。細かく数字を分析しているところと能力の高め方は教訓になる。安定するとそこが評価されるが非常時には家柄だけじゃ没落するという日本史のスパンも納得がいく。
「歴史を動かす英才教育」では豊臣秀吉の子育ての失敗(わしが帰るまで女中を縛って置けとか)と乃木希典の読書(○、△、×をつけて批評する精読)が参考になった。
「古文書を旅する」ではアイドルとかイケメン大名鳥居とか整形の話が出て普遍性のある読み物。
「歴史を読む」でお勧めの本を紹介。「日本史」の織田信長が自分と同じ生年月日で同じ時刻に産まれた人物を探させて質問したというエピソードは面白い。考えて実行することが同時代の人に比べても出色であることが分かる。 -
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ネタバレ江戸時代、特にその後期は、庶民の輝いた時代である。江戸期の庶民は、親切優しさと言うことでは、この地球上のあらゆる文明が経験したことがないほどの美しさを見せた
心は種である。果てしない未来を開く種である。1粒の種が全山を満開の桜の山に変えるように、心さえしっかりしていれば、驚くほどの奇跡もなし遂げられる
300年、党を組まぬように、しつけられてきたこの国民が、明治になって、政党政治と言うものを、うまく飲み込めなかったのは、至極、当然のことで、それは後々までこの国の政党政治をみすぼらしいものにした
金と言うものは、雪玉に似ている。一旦核になる資金ができると、雪玉が転がるように、金が金を呼び、玉は大きくなっていく
江戸時代、特にその後期は、庶民の輝いた時代である。江戸期の庶民は、親切、優しさと言う事では、この地球上のあらゆる文明が経験したことがないほどの美しさを見せた
本当に大きな人間と言うのは、世間的にえらくならずとも金を儲けずとも、ほんの少しでも良い、濁ったものを清らかな方に変える浄化の力を宿らせた人である。この国の歴史の中で、私は、そういう大きな人間を確かに目撃した。その確信を持って、私は、この本を書いた
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ネタバレ聡明で知られた慶喜ですが、自らの出自には、とらわれていました。自分の母親が皇族である。つまり天皇の親戚だと言うことで、他の兄弟たちよりも高い位置にあると言う意識を持ちます
よく徳川慶喜は、徳川幕府15代将軍、最後の将軍と呼ばれていますが、実は私は、京都幕府の初代将軍と言うべきでだと思っています
民主的な議会を作ることで、国民各層の中を結集する。それこそが、欧米と肩を並べる国づくりの基本であると、西郷は考えていたわけです
戦いが長い長引けば、西郷軍を見る周囲の目も変わってきます。あの西郷が率いる軍勢に寄せられる期待は徐々に薄れ、やがて、政府に逆らう賊軍を見る視線に変わってきます
歴史にifは必要です。ifを考えない歴史は役に立たない歴史になりがちです
歴史とは、過去の出来事を興味本位に拾い上げ、記録する営みにとどまるものでは決してありません。人生や社会を正しく運用していくための知識を集積し、必要に応じて引っ張り出せるレファレンスでなければならないと思います
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ネタバレ白村江の戦いと民衆:ではなぜ、倭国軍は敗れたのか。答えは明らかです唐の軍勢は国家軍であり、訓練されて統制のとれた軍隊ですが、倭国軍は豪族軍の寄せ集めであり、国家軍ではありません
戦いにおいて最も重要なのは、実は戦意を支える忠誠心とモチベーションです。国家軍にはそれがありますが、豪族軍にはありません
応仁の乱と足軽:民衆が必ずしも反権力の動きをしていたわけではないと言う事実です。民衆は、その時の状況に応じて本権力的な動きを見せることもあれば、権力の手先として動くこともあった
私が不思議でならないのは、例えば新選組の視点に立って京都の幕末を見る人は極めて多いのに、先ほどご紹介したような、夏の暑い盛りにくさった死体をひっくり返してお金を集め、新京極にお店を出した男の視点と言うのは、一切ない -
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西郷隆盛って、実はよく知らない気がしてね。幕末の英雄というと坂本龍馬がすごい有名だし、小説やドラマでなじみがある。土方歳三も新撰組で印象が強い。でも、それらにたいてい大物の脇役として出てくる西郷隆盛って、なんでそこまで有名だったのか、というとイマイチよくわからない。それほど身分は高くなかったみたいだけど、いつのまにか有名になり、実力者になり、という印象で、きっかけがわからないんだよね。島流しにもあってるし、二度も島流しになっているにも関わらず、連れ戻されている。その理由がいまいちわかんないんだよね。
そのあたり、実をいうとまだピンとこないところはある。やっぱり、いつのまにか、なんだよね。
ただ、有名になったあとの西郷像というのは、とてもよくわかった気がする。こういう人がいたんだね。闇をかかえつつ、仁というか徳というか、人格者だったのだろう。闇というのも、新しい国家をつくるため、という大義があってのこと。一貫した人物であり、強烈な個性だったのだろうな。
歴史を読む、学ぶ面白さを感じられる本だった。