殿様の通信簿(新潮文庫)

殿様の通信簿(新潮文庫)

小説・文芸
693円 (税込)

3pt

史料「土芥寇讎記」――それは、元禄時代に大名の行状を秘かに探索した報告書だったのか。名君の誉れ高い水戸の黄門様は、じつは悪所通いをしていたと記され、あの赤穂事件の浅野内匠頭は、女色に耽るひきこもりで、事件前から家を滅ぼすと予言されていた。各種の史料も併用しながら、従来の評価を一変させる大名たちの生々しすぎる姿を史学界の俊秀が活写する歴史エッセイの傑作。

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殿様の通信簿(新潮文庫) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    【あとがきまでが一作品】

    NHKの番組「英雄たちの選択」で著者磯田さんのことを知り、話がとても面白かったので選んだ一冊。

    長らく積んでいたけど(ていうか何を読むかって本当にタイミングだなぁと思って。気持ちの旬を逃すとなかなか次が来ない)、いざ読み出すと、『こんな面白い本、なんでほっぽってたかなぁ!』という思い。

    戦国末期から江戸中期くらいまでに登場した大名を中心に、資料を元にその人の生き様や人となりを紐解いていくんだけれども、今の「日本らしさ」と言われるものの始まりとも思える歴史の流れにも思い及ぶ、本当に興味深い1冊だった。

    しかも最初からあとがきまでを読むと、

    単に史実をたどっていただけではなかった?

    とびっくりさせられる場面転換になっていて、もう一度...とまた初めから頁を捲りたくなる結びになっている。

    楽しい読書時間だったなぁ!

    0
    2025年03月08日

    Posted by ブクログ

    「土芥寇讎記(どかいこうしゅうき)」という、元禄時代の大名の評価などが書かれた資料などをもとに、殿様たちの実像にせまる。とりあげられた人物は7人と少ないが、単純に資料に書かれた内容だけでなく、当時の時代背景や様々なエピソードも交えて実像を考察している。どの人物にも興味がわいた。戦国を知る世代から、戦を知らない世代へと移った時代。今と重なる部分もある。読みやすくて面白かった。

    0
    2020年08月16日

    Posted by ブクログ

    大河ドラマ「葵、三代」を見て、秀忠の娘、珠姫が加賀の前田家に嫁ぐシーン、涙なくしては見れなかった方は多いのではなかろうか。輿入れはわずか3歳。その珠姫の行く末をこの本で知るとは思っていなかった。珠姫の夫は前田利常。前だけ3代目であり、前田利家の孫。彼がどんなかはともかく、夫婦仲は睦まじかった。2人が話をすると笑いが耐えなかったという。16歳で初産その後8人も子をなしたというと仲が良くてよかった、とほっと胸をなでおろしたくなるが、そうは問屋がおろさない。珠姫は徳川の仮想敵たる前田家に嫁いたのだから実は従者は徳川のスパイといっていい。珠姫だってそんな役割を期待されているのに敵(利常)と仲良くするものだから、なんと乳母は激しく叱責したという。乳母は一計を案じ利常を近づかせないようにしたという。悲しみくれた姫はどうやら癌になり(ここは本来孤独と関係はなかろうが)24歳の若さで逝去。悲嘆の利常、乳母を憎むこと凄まじく、蛇責めの拷問にて処刑したという。色々と悲しい側面が伺えるエピソードである。

    0
    2020年01月12日

    Posted by ブクログ

    「土芥寇讎記(どかいこうしゅうき)」

    今でいうと、スパイが書いた敵国の人物報告書?
    優秀なスパイが書いたら、事実は小説より奇なりです。笑

    孟子の出典に土芥寇讎とは、
    「殿様が家来をゴミのように扱えば、家来は殿様を仇のようにみる」
    とあるらしい。

    歴史って、人に近付くほど面白さが倍増するなー。
    歴史を俯瞰すればするほど、逆にもやもやで一杯。
    その意味で、こういった「人を切り取る」紹介本は、ホントに大切!

    著者のあとがきに、
    「豊かになれば、人間というものは、歌舞音曲と恋愛と宗教にしか興味をもたなくなる。これは古今東西を通して歴史の法則であるといってよい」
    とあった。

    法則であるなら、その豊かな時代に生きれるのって、幸せなのかも、しれませんね。
    ただし、世を動かす歴史は生まれないかもですが、心を動かす芸術は生まれそうですね。笑

    0
    2018年10月01日

    Posted by ブクログ

    大名の通信簿ともいえる古文書を元にして、戦国末期〜江戸時代初めの様子が分かる。軽妙な語り口が相変わらず面白い。

    0
    2017年11月20日

    Posted by ブクログ

    「土芥寇讎記」(どかいこうしゅうき),こんな記録が残っているとは,そしてこのことを紹介してくださって,感謝です.こういうところから案外世間の言い伝えと違った本当の史実が現れてくるようで,馬鹿にできないというか非常に面白いです.
    前田家の殿様たちはことの外詳しく書かれていて,淡々とした語り口ながら熱い思いも感じられ,とても読みやすく読み物として最高でした.

    0
    2017年11月04日

    Posted by ブクログ

    通信簿と優しい表現にしているが、幕府隠密が調べ上げた機密文書である。徳川が支配した各地の殿様の査定書で、本書では中でも問題児を扱っているところに面白味がある。外様の雄・前田家に紙面を割いているのも良い。平和な世になるにつれ武士が官僚化されていく。稟議書に判を押すだけの管理職の悲哀……『保科正之』の文体と違って、書下し文と現代語訳を併記する著者の心遣いがありがたい。

    0
    2017年08月19日

    Posted by ブクログ

    めちゃめちゃ面白い。
    歴史が急に色彩を帯びて、目の前にあるかのように蘇る面白さがある。
    磯田さんの書き方が上手いのだろうし、着目点・解釈も分かりやすく興味を持ちやすいものなのだからかな。
    電子書籍でなく、印刷版を持って、人にも貸したい一冊です。

    0
    2016年10月16日

    Posted by ブクログ

    磯田先生の作品は、古文書がベースなので、史実に近く感じる。また、文章も読みやすいので読んでいてストレスをがないですね

    0
    2024年05月24日

    Posted by ブクログ

    元禄期に書かれた諸大名の内情を幕府の高官がまとめた書物をもとに、戦国末期から元禄期の大名の暮らしぶりやその人となりを取り上げた本です。
    磯田さんの歴史愛があふれ、とても楽しいです。

    生々しい生活ぶりや辛辣な人物評など本当におもしろくて、大名たちも同じ普通の人間で、生身の人間らしく生きていたのだなと身近に感じられました。

    「戦国から元禄」という時代を生きた人々をみることで、「変革から安定へという時代のなかに生きた日本人の姿がそこにみえるように思える。」

    「殿様の暮らしぶりをみていて思うのは、ひとつには、生活が豊かになり、ぜいたくが可能になってきた段階で、人間はどのようになってゆくのか、ということである。」

    歴史は繰り返し、日本人の習性はなかなか変わらないのかな。

    0
    2024年03月01日

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