中山元のレビュー一覧
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働くようになり、経験が積まれ、研修などで啓蒙が進んでいくと、仕事に求めているものと、そこから得ているものに複数の合い入れない要素を感じるようになった。
ライフラインを維持するために賃金を獲得すること、自己実現や人の役に立ちたいという欲求に応えること、嫌なことや辛いことでもやらなければならないことなど。その中で感じる、そもそも働くとは何なのだろうか?という問いを探るために手に取った本。
アンナハレントによる労働、仕事、活動という分類と、それらが現代においては混ざりあっており、ほぼ全ての人間の営みが労働になりつつあることが指摘されている。ここを知るだけでも、労働観に対する解像度を上げることもでき -
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・夢の仕事は4つあり、心理的な素材の(二つの観念の合一としての)濃縮、(面白い素材への)転換、具体的な準備作業、知覚内容の改竄
・あらゆる夢は利己的な動機から生まれる。
・夢を形成するメカニズムにおいて利用出来る論理的な関係は、現実世界に対する圧縮、類似、共通、一致のみである。
・夢の中では、あれかこれかそのどちらかという二者択一はない。「そのどちらも」しかない。
・現実性で見過ごされるようなつまらないことは、夢には出てこない。だから、強い感情に結びついた充足しなかった願望、罪の意識は夢に出やすい。
・例えば、知り合いの夫人が手を握ってきて「綺麗な目だね」と言ってきた夢は、プロポーズをしたシ -
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人間は事物をありのままの姿で認識できない。自分の五感を信じるな。事物の本質は分からないのに、分かると考えるから心の平静が乱される。あらゆる物事の判断を控えるように。ピュロン
あらゆる知識は「たぶんそう」なのであり、絶対確実なものはない。自分は間違えるかもしれないという謙虚な姿勢と生活をより良いものにする改善の精神が大切。ヒュームHume『人間本性論』1739
人間はすべてを認識できない。人間を離れた世界、経験を越えた世界(死後に霊魂は残るか・神の存在)については認識できない。これらは認識の対象ではなく、希望や信仰の対象。人間は目や耳などの感覚を使って経験できる範囲の世界(現象)のみ認識でき -
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アテン賛歌(エジプト):汝のわざのなせるものはいかに多いことか。おお唯一の神よ、汝に比すべきものは他にない。汝は思いのままに世界を創造された。
旧約聖書(ヘブライ):御業はいかにおびただしいことか。あなたはすべてを知恵によって成し遂げられた。地はお造りになったものに満ちている。詩篇104章
アテン賛歌(エジプト):汝が西の果てに沈むとき、地は死のごとく闇にとらわれる。獅子はみなその穴より出で、這うものが出てきて人を刺す。
旧約聖書(ヘブライ):太陽は沈む時を知っている。あなたが闇を置かれると夜になり、森の獣は皆、忍び出てくる。詩篇104章
前14cアメンホテプ4。一神教を発明。その息子ツタ -
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昔、岩波文庫で読もうとして、あまりに難しさ(?)にまいって、ざっと斜め読みすることになったが、資本主義ってなんだろうと改めて考えるにあたって、再チャレンジ。
中山元さんの訳文は、圧倒的に読みやすくて、なんかやっと議論についていくことができる感じがした。
一方、この本の面倒さ、読みにくさの一つは、本文以上に膨大な注釈の存在で、これを読もうとするともともとの議論の流れがわかりにくくなることから来ている。それはもともと原著がそうなっているので、仕方がないのだが、この本をしっかり理解するためには、まずは本文を通読して、次に注も読みながら、再読、再再読する必要がある気がした。
また、キリスト教に詳 -
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新訳でかなり分かりやすくなっているのかもしれませんが、かなり理解が難しい文章でした。それでも日本国憲法の基礎にもなっている人民主権の基本的な考え方は理解できたと思います。特定の統治者に権利を委譲するのではなく、国家に委譲しつつも各国民がその主権の一部であるという、話の抽象度の高さが難しさの理由の一つでしょう。
主権は国民にあり、政府は国民の意思を実行するために雇われているにすぎないという、教科書でも習うような当たり前なことです。でも選挙のたびに無力感を感じ続けてふと忘れがちになることを、18世紀の人の声で再確認させられるというのが面白いです。
国民全員の利益を追求する一般意志と、統治者の私 -
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「職業としての政治」は、30年以上前に読んだことがあって、強い印象をもった。
なんとなく中山元さんの訳で、初めて読む「職業としての学問」とともに、読んでみた。
「職業としての政治」については、驚いたことに、読んでいて覚えているところがほとんどなかった。わたしが覚えていたのは、政治という職業と倫理性の関係についての議論だけで、それは結論部分でようやく出てくる話し。
結論を覚えているならいいかというと、当然、そういうわけではない。
ここで、議論されているのは、政治というものもつ本質的なパワーというか暴力の問題(これがもちろん倫理の話につながるのだが)、そして歴史的、地理的な政治の形態、その -
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ネタバレ人間が思考するのは、他者に考えた内容を伝達するためである。そして他者に思想を伝達するためには、他者の立場から考えることが必要なのである。完全な独語には、だれも耳を傾けようがないのである。アーレントが指摘するように「我々は他者の立場から思考することができる場合にのみ、自分の考えを伝達することができる。さもなければ、他者に出会うこともなければ、他者が理解する仕方で話すこともなであろう」。
このことは、他者の存在こそが人間が思考するための条件を構成しているということである。他者との交わりのうちでしか、思考は形成されないし、刺激も荒れないのである。文化と文明の発達において、他者はその可能性の条件を