中山元のレビュー一覧
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長い解説のおかげでなんとなく理解できた。
アプリオリとアポステリオリ。
アプリオリとは、その事象を経験する前から、他の経験や知識を通じて、その経験を理解していること。アポステリオリは、経験しないとわからないこと。
時間と空間についてはアプリオリなものとして挙げられる。しかし、時間や空間は生まれたときから認識しているのだろうか。これには疑問を覚えた。
また、神の概念は避けがたいらしく、カントも持ち出してくる。神の概念を述べなければ、哲学というものは大きく違ったのではないだろうか。
それにしても面白い本だ。理解できたとはとうてい言えないが。思考の訓練に役立つ。 -
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感性が受け取る直感すなわち経験的対象に、カテゴリーがいかに適用されるかを論じる「図式論」とその各論となる「原則論」。この図式を用いて理性の定める原則との適合性をジャッジする「判断力」と、前分冊で出てきた知性が個別の直感をまとめ上げる際に用いられる「想像力」との関係がよくわからず混乱したが、どうやらそれぞれの「根拠づけ」の対象が異なるようだ(前者は理性、後者は知性に権限がある)。
しかしこの「図式論」も厄介な代物だ。現象とカテゴリーを媒介する純粋な形式としての図式即ち〈時間〉が多様な私的経験のうちに含まれているからこそ、客観性を担保するカテゴリーが感性のうちに与えられて自己の追加的な判断 -
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感性を扱った第1分冊に続く本書では、主に人間の認識における知性の役割に焦点が当てられる。ちなみにこの中山訳では「悟性」ではなく一貫して「知性」が使用されている。
哲学というものは往々にしてそうなのだろうが、用語の使用が一般のそれと全く乖離しているために用語を見ただけではそれが意味するところを把握しづらいところがあるが、本分冊では特にこれが目白押し。何度読んでも「判断力」と「想像力」の違いや、「総合」とか「統覚」の関係性が頭に定着せず、その度に定義を確認する羽目になる。
極め付けは頻発する「根拠づけ」という言葉。流石にわかりづらいと考えたのか、訳者も解説に多くの紙面を割いているがそれでもピ -
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光文社古典新訳文庫 フロイト 宗教批判論文3編。
キリスト教の抑圧性や神経症患者との共通性から、宗教や文化を批判する論調。3編が共通テーマであり、フロイトのユダヤ人問題や宗教論を理解できる構成。中山元 解説のおかげで読めた。
随所に 科学重視、合理主義、個人主義の立場から、キリスト教批判は見受けられる。
各論文のテーマとアプローチ
*幻想の未来
宗教は幻想であり、科学に未来を託する論調。強迫神経症とキリスト教儀式の共通性からアプローチ
*文化への不満
キリスト教道徳の抑圧性が文化への敵視、不満とする論調。欲動論からアプローチし、文化の発展は人間の種の生存を賭けた闘いであるとした
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PSYCHO-PASSで紹介されてから購入し、だいたい5〜6年間、トライしては挫折を続け、やっとこさ読み終わることができました。
政治哲学に関する素養はないので、あまり大それた感想は書けませんが…
「自然状態」という事実かどうかは当時確かめようのない想定から人類の社会の誕生を考え、言語などをはじめとする文化の誕生に言及し、不平等がいかに誕生したのかという緻密な分析は、読んだ甲斐があると思いました。心理学的な人間理解にも通じるものがあり、1700年代にこのような人間理解をしたルソーはまさに天才であると感じます。
ルソーは他に、『社会契約論』や『エミール 』でも有名ですが、これらの本にもいつかは -
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イマヌエル・カント(1724~1804年)は、プロイセン王国に生まれ、『純粋理性批判』、『実践理性批判』、『判断力批判』の三批判書を発表し、認識論における所謂「コペルニクス的転回」をもたらした。ヘーゲルへと続くドイツ古典主義哲学(ドイツ観念論哲学)の祖とされ、彼による超越論哲学の枠組みは、以後の西洋哲学全体に強い影響を及ぼしている。
本書には、カントの政治哲学、歴史哲学に関連した重要な論考である、「啓蒙とは何か」、「永遠平和にために」のほか、「世界市民という視点からみた普遍史の理念」、「人類の歴史の憶測的な起源」、「万物の終焉」が収められている。
「啓蒙とは何か」のエッセンスは、冒頭の一段落に -
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ネタバレ人間は陸に暮らす動物であり、大地の上で活動をする。古くからある大地、水、火、空気というエレメントの中でも、大地は人間の基盤、ものの見方、自己の観点といったものを最も強く規定するエレメントである。なぜなら、人間は海に住む魚でもなければ、空を飛ぶ鳥でもなく、ましてや火で構成される生物などではないからである。だが、人間は大地にのみ関連づけられた動物ではない。もし人間がその4つのエレメントによってあますところなく完全に規定されているのであれば、人間は魚であったり、鳥であったり、またはこれらのエレメントの規定から生まれた奇妙な混合物であるはずだからだ。当然人間はそんなことはなく、人間はその四囲の世界に解
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ネタバレツァラトゥストラを分かりやすく書き直したというだけあって曙光よりだいぶ理解できた。と思う。すごくまじめに読んだら面白かった!ニーチェ先生が私たちのレベルまで降りてきてくださっているという感じ。
まず支配者の道徳と奴隷の道徳があって、奴隷=一般人はキリスト教程度で満足していればよいけど、支配者、新しき哲学者は奴隷も何もかも利用して高次の課題にあたり、新たな道徳価値を創造する。そういう人々が必要なんだ、ということ。
精神は自分の周りを同化し、征服し、わがものにすることで成長しようとする、これが生の本能、力への意思。キリスト教的道徳のもので、この本能は悪として否定され、支配者になるべき人を傷つけて -
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ネタバレフロイトとアインシュタインで往復書簡をしていた際に
(当時ナチスが支配している戦争真っ只中あたり)
「人間を戦争というくびきから解き放つことはできるのか?」
と当時50代のアインシュタインが70代のフロイトに問うわけですわ。
もちろん返答に困るんだけど
「文化の発展が反戦へ、そして平和主義になり戦争終焉へ向けることが出来る」という答え。
そんな精神分析学者のフロイトが書いた著書を更に分かりやすく解説した本。
と言っても小難しい話はちょっとなぁ…でもたまにはこんなのも読んでみるかと思いつつ読んでみた。
タイトル通り「人はなぜ戦争をするのか」って結構直球の疑問。
あぁまぁ確かにそうだよな、なんでだ -
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何かに対するアンチとして生まれる行動を批判し、ルサンチマン(怨恨の念)というシステムの起動を捉えていたニーチェ。
アンチ、つまり何かへの敵対や恨み及びそこからしか創造できないこと。
アンチから始まる道徳の究極の形態としての発展してきたものがキリスト教であった。
ニーチェ その名前だけならば知っている。
実際、ニーチェは特に日本では非常に有名な哲学者だ。
例えば出版点数で見ると以下のようだ。
「ニーチェの著作の出版点数は、出版国別では本国ドイツに次いで世界第二位、言語別でも、ドイツ語、英語訳、フランス語訳に次いで世界第四位です。日本は、世界一のニーチェ翻訳大国です。ドイツ語圏以外で、ニ -
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資本主義は、資本を蓄積することにより成功を収めるが、資本の蓄積は労働者の搾取によって生じていると批判している。資本家は資本を増大させることを目的とし事業を行っているという分析は的確であると思う。産業革命後のイギリス労働者が、いかに悲惨な生活を強いられていたかを理解した。また、これは江戸から明治期に来日した欧米人の数多くの手記の内容とも一致する。
ソビエト崩壊後のマルクスの評判は悪いが、資本主義について的確に理解しその重要性をわかった上で批判を展開しており、決して浅はかな論理ではないことが理解できた。
「生産過程をたんに継続するだけで単純再生産を行っているならば、遅かれ早かれ一定の期間の後には