中山元のレビュー一覧

  • 人間不平等起源論

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    人間はなぜ互いに憎しみ合ったり、嫉妬しあったりするのだろう。なぜ不平等は生まれたのだろう。そういう骨太な問いに、18世紀を代表する知性が正面から取り組んだ傑作。とても感動した。

    この問題を考える上で、ホッブズやロックらの先輩思想家がそうであるように、ルソーもまた社会が成立する前の「自然状態」を考える(ちなみに、なぜ彼らがそろって実際の歴史の探究ではなく理論的に過去を遡及するのか不思議だったが、そういう戦略をとらざるをえない理由が解説に書いてあった)。そして、ルソーはホッブズやロックの「自然状態」について、それらはすでに社会が成立した後の観念を反映させてしまったものだと批判しつつ、彼独自の人類

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    2010年10月16日
  • 幻想の未来/文化への不満

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    面白かった、まずはその一言に尽きる。今後はものの見方が少し変わってしまうかも知れない。そのくらい強烈な印象を受けた。
    と同時に自分が芸術作品から得ていたある種の予感が決して的外れではなかったことが分かったことで少し安心した。

    あと、やっぱり日本人て特殊だなと思った。日本人には父の記憶がないから、無闇にカリスマを求めるのかな。
    天皇陛下だってもともと祭祀しか司ってないもんな。
    これは文化的に遅れてるということなんだろうか、分からん。まあここでは関係ない。

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    2010年10月14日
  • フーコー入門

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    世界に対する視点を180度転換するほどの威力。自分たちが今まで「真理」と信じてきたものが、歴史的産物に過ぎないということを示してくれる。フーコーの思想は間違いなくそういう威力を持っている。その威力は入門書ですら損なわれない。(というよりも、原典は誤訳もあるし、読みにくくもあるので、入門書の方が手取り早いといえば早い。)「言葉と物」の章は個人的にイマイチピンと来なかったんだが、「規律訓練型権力」や<生権力>を提示する他の章は抜群に面白い。

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    2010年09月12日
  • 永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編

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    世界平和実現のために
    私たちは良心の声に耳をかたむけねばならないのですね、わかります


    カントの人間学読んだあとだと あんまぐっとこないwwww

    空想論だとか批判もあるけど
    いや、ほんとに、これ、名著

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    2009年10月14日
  • 人はなぜ戦争をするのか エロスとタナトス

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    フロイトさんはおもろいねー。
    てか、考え方似てるわー。。

    なぜ戦争してしまうかって?
    そりゃ、そういうもんだからだよ、人間は。

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    2009年10月04日
  • 道徳の系譜学

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    第3論文「禁欲の理想の意味するもの」が最もおもしろかった。ルサンチマンについても、それが発揮される方向についても、この著作を読んでよく理解できた。

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    2026年06月07日
  • 人間不平等起源論

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    フランス革命の思想の礎となったルソーの「社会契約論」。その前提となる考え方が詰まっている本。

    人間の自然状態の考察のために当時の最大限の自然科学的アプローチをとり、新たな人間観を提示している。
    現代人からすれば当たり前のように感じる一説でも、当時の身分社会で全てが平等と言い切ったルソーはやはりすごい。

    自然状態を理想化しすぎている部分は批判ポイントである一方で、人への希望を与える箇所にもなっている

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    2026年04月19日
  • アレント入門

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    ドイツに住む友人たちとの行き違いを発端に、全体主義に真摯に向き合い探究し続けたアレントは高く評価されるべきだと考えた。
    活動(action)の重要性や特徴についてポリスを引き合いに研究した点も興味深かった。

    終盤のカントが登場する部分はよく分からなかった。カント哲学を学んでから、もう一度読み返したい。

    アレントの著書をどれか読んでみたい。

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    2026年02月21日
  • 労働の思想史

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    面白かった。知っている内容が多かったが、いろんな思想家の考えがまとまっており、昔から労働ってつらいものだったんだなと実感できました。産業革命の時の労働者の生活(15時間労働や劣悪な住環境)と比べると、事務仕事のつらさは全然ましと思えてくる。

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    2026年02月06日
  • フロイト、性と愛について語る

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    昔受験時に倫理で学んだ以来のフロイト、超自我とか懐かしい。

    多少読みづらいなと思いつつも各論を読み切ったところで、訳者の中元氏の解説が一冊分通して丁寧にされていて、論文内容をよりきっちり理解するという目的であればその解説の方が有用だろう。
    フロイトの主張をしっかり読み解けていたかどうかの答え合わせをした感じだ。

    同性愛をまるで治すべき症状のように表現する部分に、時代の違いを感じて驚きつつも、その論の導入と後半では、結局同性愛は分析しこそすれ治すものでも治せるものでもないと述べていて、「だよね」となった。
    なおその点への言及は、巻末の出版社からの注記でも明確に述べられている。

    フロイトの論

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    2026年01月22日
  • 労働の思想史

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    私たちにとって働くとは何か?
    ハンナ・アーレントの古代ギリシアにおける労働と仕事の考察からはじまり、働くことについて展開されてきた哲学的な流れを学べる。課題のために何となく読んだけど面白かった。

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    2025年07月19日
  • 労働の思想史

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    仕事や労働という事に対して、各時代の哲学者や思想家がどのように考え向き合って来たかを時代背景も含めて判りやすく簡潔に書かれていて読みやすい。それぞれの哲学者や思想家の論点が労動史や資本主義の歴史の中で俯瞰出来るので、深掘りする前の参考になる。後半の感情労働の概念などは、特に日本では「おもてなし」として扱われてるサービスの部分かと気付かされ興味深かった。

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    2025年06月20日
  • 労働の思想史

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    働くとは何か。
    これだけ労働に時間を費やしているのに、それが何なのかと問われるとなかなか難しい。

    本書では、労働についての思想を古代から現代まで、西洋哲学の系譜を辿るものだ。
    通して読むと、労働というものの立ち位置が時代や社会状況に応じてかなり変わっていくことに驚かされる。こんなに考え方や価値観が変わるのか!という驚きを与えてくれる。

    最後はAIの登場により労働がさらに変化するであろう端緒を紹介して終わる。AIは、恐らく今までにない大きな変化をもたらすだろう。それは誰にも分からない。ただ、過去の思想の流転を把握していれば、「あー、近世の労働観の大転換の、変化軸が違うヤツかなー?」ぐらいに鷹

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    2025年06月16日
  • 純粋理性批判 1

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    なんとか入門書と本書の半分近くを占める解説を読んで、一巻を読み終えた。それでもわかってない箇所がたくさんある。

    様々な入門書を読んで思ったこととして、これは訳が悪いわけではなく、カントがあまりにも前提を省いて色々なことを書いているのが原因であると判断した。

    以下、自身のメモ。

    大まかに本書は、アプリオリな総合判断はどのようにして可能か?という問いに答える試みであることや、当時の経験論vs合理論が問いの背景にあることはわかる。

    また、人間の認識には、感性と悟性(知性)が必要であることもわかる。そして、本書では、感性を用いて直観するためには、時間と空間が前提として人間に備わっているという話

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    2025年06月15日
  • 労働の思想史

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    働くようになり、経験が積まれ、研修などで啓蒙が進んでいくと、仕事に求めているものと、そこから得ているものに複数の合い入れない要素を感じるようになった。
    ライフラインを維持するために賃金を獲得すること、自己実現や人の役に立ちたいという欲求に応えること、嫌なことや辛いことでもやらなければならないことなど。その中で感じる、そもそも働くとは何なのだろうか?という問いを探るために手に取った本。

    アンナハレントによる労働、仕事、活動という分類と、それらが現代においては混ざりあっており、ほぼ全ての人間の営みが労働になりつつあることが指摘されている。ここを知るだけでも、労働観に対する解像度を上げることもでき

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    2025年04月12日
  • フロイト、夢について語る

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    ・夢の仕事は4つあり、心理的な素材の(二つの観念の合一としての)濃縮、(面白い素材への)転換、具体的な準備作業、知覚内容の改竄
    ・あらゆる夢は利己的な動機から生まれる。
    ・夢を形成するメカニズムにおいて利用出来る論理的な関係は、現実世界に対する圧縮、類似、共通、一致のみである。
    ・夢の中では、あれかこれかそのどちらかという二者択一はない。「そのどちらも」しかない。
    ・現実性で見過ごされるようなつまらないことは、夢には出てこない。だから、強い感情に結びついた充足しなかった願望、罪の意識は夢に出やすい。
    ・例えば、知り合いの夫人が手を握ってきて「綺麗な目だね」と言ってきた夢は、プロポーズをしたシ

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    2024年06月24日
  • 永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編

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    自分の頭で考え、道徳的に善く進歩していくことが自分が社会に対してできることだと思いたい。
    自己の考えを他者と交わして、高めあえると尚良いと。
    現代の在り方にも通ずる提言がたくさんあった。

    カントの言う、周囲を啓蒙できる哲学者って現代にどれだけいるのだろう。
    過去の哲学者を研究して、解釈について思考を巡らすのが哲学者といえるのか。

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    2024年05月09日
  • 責任と判断

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    ゼミの読書会で読みました。ガザで起きていることを踏まえて、先輩方が選んでくださってありがたかった。一読する価値は十分にあるかと思います。

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    2024年03月20日
  • アレント入門

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    全体主義と戦った政治哲学者の思想のエッセンス

    おぞましい悪を成し得たのは、凡庸な悪だった

    想像力の欠如と思考の停止

    自分との調和の大切さ

    労働、仕事、活動
    公共の、現れの空間、社会

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    2023年08月13日
  • 永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編

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    ☆「知る勇気をもて」「自分の理性を使う勇気をもて」(p10)
    ☆「自分の理性を公的に使用せよ」(p14)
    「啓蒙とは何か」におけるこの2点は、自由な言論の必要を訴えるもので、本書が公共哲学のスタート地点に位置付けられる(「齋藤純一ほか「公共哲学入門」)のもうなずける。巻末解説にあるように、カント思想はいまなお、アクチュアルである。これを楽観主義とか理想論だとかたずけるのはたやすい。そうではなく、あえて、ベタに、ここをスタート地点としたい。

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    2023年06月29日