中山元のレビュー一覧

  • 人はなぜ戦争をするのか エロスとタナトス

    Posted by ブクログ

    フロイトとアインシュタインの手紙のやりとり。
    フロイトからの返答。
    戦争はなくならせることはできないのか?
    という疑問に対して。


    利害が対立した際に話し合いをして解決する動物というのはちょっと想像できない。
    人間の場合には、動物の本性としてある暴力が、知性によって優劣が決められるように取って代わっていく。

    暴力から知性の時代へ。

    0
    2019年01月13日
  • 道徳形而上学の基礎づけ

    Posted by ブクログ

    毎度のことながらカントの几帳面な議論の進め方に感動しつつも、厳密さにこだわるあまり、一見同じような内容の議論が延々と繰り返される、半ば宗教書のような展開には、集中力がきれそうになる。が、読み通せました。訳者による150頁以上にわたる解説も大変参考になりました。内容的には、ソクラテスやプラトンが訴えていた「善く生きる」ということを、ガチガチに理屈で固めて主張しているような感じです。

    0
    2018年09月19日
  • フーコー入門

    Posted by ブクログ

    基礎的なワードを丁寧に説明してくれ、入門書としてとても良かった。
    また、初期から後期への思想の変遷と、その中で一環した目的など、よくこんだけ綺麗にまとめたな、、という本。

    生権力に対して、抗うことは可能なのか。
    「真理のゲーム」を続けなければいけない。

    0
    2018年06月24日
  • 責任と判断

    Posted by ブクログ

    アレント後期の未刊行論文集。講演やスピーチとして聴衆に語る形式になっているので、いくぶん分かりやすい。なかで「独裁体制のもとでの個人の責任」は全体の要約ともいえるもので、国家の命令で犯罪に手を染めた個人の責任を問いかける。人間の責任の意味と判断の能力について考察する。判断の基準を喪失した現代こそ、アレントがもっと認められてもいいと思う。

    0
    2018年04月13日
  • 純粋理性批判 1

    Posted by ブクログ

    経験なしで認識ってできるんだろうか?
    先験的な認識ってどうやって可能なのか?
    神秘主義や聖書の啓示とどうやって付き合っていくべきか。
    改めて問いかけられてみるとむむむ。

    0
    2018年03月09日
  • 人間不平等起源論

    Posted by ブクログ

    面白すぎる。解説は繰り返しが多く蛇足な感じ。本編は本当に面白かった。考えたり想像したりする読書の中でかなり面白い部類の本。こういう本がきっと愛読書になるんだろうなって感じがした。また読んでみたいなと思う。楽しい時間が過ごせる。

    0
    2017年12月18日
  • 道徳の系譜学

    Posted by ブクログ

    第一論文は語源的に、良いと悪い、善と悪の系譜をたどっていく。これまでのニーチェの直感的、詩的な記述に比べ、論理的な記述が明晰である。

    第3論文まで読んで、人間の底無しの深淵を覗き込んだような気がした。すごい筆力だった。

    ヨーロッパとキリスト教、そして学問体系に挑み、瓦解させ、それでも、さらに生きよと言う。恐ろしい本だ。

    0
    2017年10月11日
  • フーコー入門

    Posted by ブクログ

    最近、ジュディス・バトラーの「ジェンダートラブル」と「自分自身を説明すること」を読んで、すごくフーコーの影響を感じた。

    フェミニズム系の論者の間では、フーコーはあまり人気がないと思っていたので、個人的にはなんとなく意外であった。

    というのは、私の個人的な偏見かもしれないが、アメリカの大学で政治哲学を学んだ2人の教授が、ともにフェミニズム系の女性で、一人は、「フーコーは女性のためになる哲学か?」みたいなエッセイを書いていたりしたことを思い出したりもするからだ。

    さて、そのフーコーだが、その知識と権力に関する緻密な分析は、圧倒的なのだが、読んでいて、なんだか元気がでないんですよね。

    0
    2019年01月25日
  • アレント入門

    Posted by ブクログ

    "昨年の後半からハンナ・アーレントを集中的に読んでいる。

    もともと気になる思想家だったんだけど、今、なぜアーレントかというと、世の中が全体主義的なものにむかっているのではないかという感覚的な怖れがあるのだと思う。

    そして、人間の多様性と異なる人との対話とか、自分の内面の一貫性(インテグリティ)とか、人間の心の強さ(美しさ)と弱さ(悪をなす心)とか、わたしが、個人的にいろいろ悩んでいたり、考えている主題にとても関連性が高い思想家で、自分の思考に刺激を与えてくれそうな人だからかな。

    わたしは、ある思想家を学ぶときに、最初に入門書は読まずに、分かろうが、分かるまいが、まず、本人の書い

    0
    2017年04月30日
  • 道徳の系譜学

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    人は欲望を満たすために社会を形成したが、その社会によって人は欲望を抑制されることとなった。社会における善は、自己肯定から辛抱強さへとその価値観を奴隷により逆転された。良心は自分の自由な本能を外ではなく内に向けざるを得なくなり、疚しい良心、として成長した。その良心は、禁欲的な生に高い価値があると解釈し体現する司牧者によって点検される。学問もまた価値を生み出す権力を必要とし、自らは価値を創造することが出来ないため、禁欲的な理想を求めるものである。禁欲的な理想の果実たる、真理の価値を問い直そう、というのがニーチェの主張だ。
    神に罪を被せたギリシアと神に罰を背負わせたキリスト教との対比が興味深かった。

    0
    2016年11月08日
  • 善悪の彼岸

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ニーチェ以前の哲学を批判し、あるべき哲学者像を呈示した書。哲学の理論とはその創始者の自己認識であり、道徳的な意図を持って成長したものだと言う。道徳には主人の道徳と奴隷の道徳との2種ある。以前の哲学者が依った道徳は後者であった。真理への意志とは力の意志なのだから前者に依って哲学すべし、というのがニーチェの主張である。後者の道徳の欺瞞性は我々も無意識的にでも勘付いているはずだ。例えば例えば「いい人、なんだけどね・・・。」などと評する時だ。その台詞にはニーチェが指摘した善と愚の接近がある。なお、本書は寄り道が多い。稲妻に撃たれるようなものもあれば、女性やユダヤ人に対する読むに耐えないものまで。そんな

    0
    2016年11月07日
  • 善悪の彼岸

    Posted by ブクログ

    ニーチェは初読。新訳かつ、原文では自明であろうが訳すと何を指しているかわかりにくくなる箇所は本文中で補足されているので読みやすい。用語や人物の注は巻末にまとめて。もう少し解説が欲しいところもあったが、1冊の文庫にまとめるのであればこれくらいが限度か。

    序盤はニーチェの姿勢をわかっていなかった為、本音なのか皮肉で言っているのか掴めないまま読み進めたが、アフォリズムという断章を積み重ねる形式で記述されているが故、個々の内容の意を汲むのはそれ程難しくはなかった。ただ後書きにあるように断章間を紡いで真意を読み取ることまでできたかは甚だ怪しい。

    上辺のみの理解で感想を語ることになるが、選民的貴族主義

    0
    2016年11月02日
  • 道徳の系譜学

    Posted by ブクログ

    これまでの文化、哲学、さらには学問全体を、徹底的に分析し批判することで、ヨーロッパを支えてきた従来の価値観を転倒し、新たな価値観を探る。

    「どう生きるべきか?」という問いに、徹底的に、本気で向き合った、不朽の名著。

    以前、岩波文庫版『善悪の彼岸』で挫折してしまったが、今回、『ニーチェ入門』を読んでから本書に挑戦。
    内容は難解だが、訳文は読みやすい。

    0
    2016年10月15日
  • 永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編

    Posted by ブクログ

    カントの晩年の著作を集めたもの。
    カントの中では、短くてわかりやすい。
    抽象化された一言一言は、現代の諸問題、例えばイスラム国とかトランプさんとか、イギリスのEU離脱とか、そういったものも痛烈に批判しているようにも感じる。

    学ぶことがなぜ必要か?
    戦争はなぜ起きるのか?
    反社会的思想はなぜ必要なのか?
    道徳だけではなぜ平和にならないのか?
    国家とはなにか?

    そんな問いに、明確に答えてくれていて、気持ちが良い。

    人間は、矛盾した存在だからこそ、進歩してきた。
    それをきちんと認めた上で、より高い次元に哲学的に考察することが必要なのではないか。

    0
    2016年09月19日
  • 人間不平等起源論

    Posted by ブクログ

    人が、土地を柵で囲って私財を主張するようになって以来、不平等は拡大。闘争状態を収めるために、法が導入された。自由を守るためには『腕に傷を負った人が体の残りの部分を守るために腕を切断することに同意するかのように』その一部を犠牲にする必要があった。それがのちに王権国家へと発展する。西欧の民が航海を経て出会った“未開人”はキリスト教の力を以てしても、文明化しなかった。北半球の人々がいち早く手にしてしまった【知恵の実】はいったいどこにあったのだろう。世界史も宗教も、学びなおす必要がある。

    0
    2016年08月18日
  • 善悪の彼岸

    Posted by ブクログ

    非真理とは生の条件であるのに、その真理を追究しよう時点で哲学とは善悪の彼岸に立つ行為なのだ、と言うところから本書は出発する。哲学だったり宗教によって導き出された“真理”に固執した人々は深淵に取り込まれるか、家畜のような生き方を引き受けることになる。家畜のようになった人々は絶対的指導者を欲し深淵に取り込まれた人は落ちた世界で聖者とならざるを得ないかもしれない。ヨーロッパ史を考慮すると、頷かざるを得ない示唆に富んでいた。あと、PPはこの本の解釈するための物語だったのでは?!ってくらい理解を助けられた。

    0
    2016年08月16日
  • 自由の哲学者カント~カント哲学入門「連続講義」~

    Posted by ブクログ

    三批判書を「自由」を軸に読み解くことも新鮮であったが、自分にとっては9章の宗教論が一番、読み応えがあった。そりゃここまで、人間を隷属化しているキリスト教に鋭く切り込めば、当時のキリスト教から睨まれるわ。

    ・人間が自由でなければ道徳は存在することができない。自由は道徳的な法則の存在根拠。人間が自由であることを認識しうるのは、人間が道徳的法則にしたがって行動しうるという事実によって。その意味で、道徳的な法則は自由の認識根拠。
    ・カントの戒め:独特の義勇兵のように思い上がる人々と道徳的な狂信に陥る人々。
    ・カントは美というものがそれを感受する人間の側にあるものであること、社会の共通感覚が人間に美と

    0
    2016年06月21日
  • フロイト入門

    Posted by ブクログ

    読み直したさ:★★★
    フロイトの研究を丁寧に追う入門書。索引はない。目次である程度代用可能。
    〈感想〉
    平易かつ明晰に語られるフロイト思想の流れ。
    これを手掛かりにしてフロイトの著作に手を伸ばすのもよし。フロイトについて最低限の理解を得ることができたかな…

    0
    2016年02月22日
  • 正義論の名著

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    道案内としては秀逸な書です。

    各論者の正義論をこれだけ簡潔に要約するのは尋常ではない作業のはず。特に現代に近づけば近づくほど、これまでの論者への批判や系譜、根拠などを踏まえて書かねばならないので、最後のレヴィナスやデリダが紙面が足りていない様子になるのは仕方がないのではと思います。

    こういった要約紹介の道案内本の読み方としては、誰のどういう部分に共感・違和感を覚えるのかをピックアップし、自分の考えをメモしておくのが良いのではないでしょうか。それが、政治や法の根底にある正義の問題ならなおさらです。自分はそのようにしています。
    そのようにして自分の中に浮かばせた関心の雲は、いつどのようなきっか

    0
    2015年01月18日
  • 職業としての政治 職業としての学問

    Posted by ブクログ

    すごいよくてびっくり。
    昔読みあさっていた、「欧米(特に欧)の昔の偉人が書いた、哲学感も含めた、人生への指南書」の一派といえると思う。
    max weberとやらが好きになった。
    なんどでも読み返したい本。
    買うか?自炊するか?考え中。

    0
    2014年12月10日