中山元のレビュー一覧
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「ところで労働はそれ以上のものである。何よりも、神が人間の生活の自己目的として定められたものなのだ。」
カトリックやピューリタン、そしてプロテスタント等様々なキリスト教派の観点から「労働」を考察した本。
なぜ、という原因の部分から深い洞察が見受けられる。
日経BPの本は翻訳が程良く読みやすいが、それでもやはり内容を理解するのは骨が折れる。
禁欲に生きようと自律してきた当時の人々とは違い、現代では禁欲的に生きなければならない。それが分業による専門性の追求であり、そのためには何かを捨てて生きなければならない。そうすることで、富は増大し、それを他者へ使うことで、神の偉大さをより多くの人に伝える -
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ネタバレ正義(デイケー)=公正さの原理
正義の概念は政治哲学と道徳哲学の交わる場において、結節点のような役割を果たしている。
【流れ】
①古代ギリシャにおいて正義とは、ポリスの秩序を維持し、調和することを目指すことであった。共同体にとっての善、公共善を目指すことが正義だったのである。
②ホッブズにはじまる社会契約の思想は、人々は公的な善という外的な要因ではなく、自分自身の利益のために社会を構築すると考える。スピノザ、ロック、ルソー、カントと、この社会契約の思想は脈々と受け継がれ、カントにおいてはついに国家を超えた世界市民の秩序まで構想されるようになった。
③ヒュームやスミスのようとともに、契約では -
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ネタバレ人間が「正常である」という思考そのものを侵犯しようと試みること、これがこれからのフーコーの思考のエチカとなる。p36
【レヴィ=ストロースの構造主義】p71
サルトルとメルロ=ポンティにおいては、人間の行為の意味と価値は、歴史の方向性が決定するものであった。しかしレヴィ=ストロースは、意味とは体系における要素の差異で発生することを示したソシュールの言語学に依拠しながら、意味を生み出すのは社会の構造であると指摘した。そして歴史とは、共時的な社会構造が内的な理由から変動することにすぎないと考えたのである。
<一般文法>p94
「思考は単一な操作であるとしても、言表することは継起的な操作である」 -
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ネタバレ近代資本主義の成立を人々の内面から推し進めていった資本主義の精神と禁欲的にピュウリタニズムとの関係を社会学的に追求したもの。
以前に岩波文庫版も読みましたが日経BP版のほうが読みやすいです。ただ岩波文庫版は解説が充実しており、その解説と今回の日経BP版の本文を併せて読むのがよいかと。
主な内容は、、、
近代資本主義は商業に対する倫理的規制がない(営利を追求できる)地域・場所では実は生まれておらず、むしろ営利を敵視するピュウリタンの経済倫理(世俗的禁欲、労働を天職として励むという心情)こそが資本主義の精神として、近代資本主義の成立・成長に大きな貢献をした。
このピュウリタンの経済倫理は長期間 -
Posted by ブクログ
説明不要のルソーの名著「社会契約論」。社会契約論のプレ版ともいうべき「ジュネーブ草稿」も収録。
ジュネーブ草稿にあるように、著作の主題は、統治の原則と市民法の規則について論じている。そこには、当時のルソーが、新たな社会体を創造しようという、意欲が満ちあふれている。
ルソーは、世の中が自然状態から社会状態に移行するための、新たな胎動を「社会契約論」によって創造しようとしたのであろう。
それは、本文中の「自然状態から社会状態社会状態に移行すると、人間のうちにきわめて大きな変化が発生することになる」という一文から察することができる。
では、本書で述べられている本旨は何か。
統治の原則は国民の共 -
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Posted by ブクログ
以前岩波文庫の難解な翻訳で挫折したため、日経BP版で再読。
冒頭第一節には、
「カトリックの支配というのは極めて穏やかで形式的な支配であったのだが、プロテスタンティズムの支配は家庭内の私的な支配から、職業的な公的な生のすべての領域にいたるまで、考えられるかぎりで最も広い範囲にわたってしんとの生活のすべてを規制するものであり、限りなく厄介で真剣な規律を伴うものだった」
とある。
宗教改革に対しては、カトリックの専制的な支配からの脱却といった間違ったイメージをもっていたため、この一文については衝撃を受けた。
宗教改革者は、カトリックの市民に対する支配が不十分であるとし、後のピューリタン的圧制に