中山元のレビュー一覧

  • モーセと一神教

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    フロイト最晩年の書として有名な本書をやっと読むことができた。ユダヤ教成立の事情を、モーセの人物を推論して解き明かしていく。その立論の当否を論じる能力はないが、ユダヤ人フロイトがどうしても書き残したかった思いが強く感じられた。

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    2020年10月16日
  • プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神

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    プロテスタンティズムの「禁欲倫理」から、近代資本主義が生まれたとする。
    宗教と労働、資本主義の関係性を解説した書籍。

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    ドイツでは、経済的に発達した地方でプロテスタンティズムが信仰された。
    プロテスタンティズムとその信徒の特徴は以下。
    ・私的な生活から公的な領域まで、広く信徒の生活を規制する。
    ・教育熱心で、高等教育を受ける人の比率が高い。
    ・近代資本主義との親和性が高い。信者の大多数が商人層の出身であり、傑出した実業家も誕生している。

    ベンジャミン・フランクリンは「正直であること/勤勉であることは、信用を築く上で有益だから、美徳である」とした。
    こうした功利主義的な「

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    2020年05月06日
  • モーセと一神教

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    ネタバレ

    フロイト最晩年の著作。支離滅裂な部分があり全面的に信じることはできないものの、真実を含んでいるのではないか。

    ・唯一神教の起源をエジプトにみる。若いファラオであるアメンヘテプ(後のイクナートン)は、それまでの多神教を捨て太陽神のみ(アトン教)を信仰するようになるが、エジプトの地では衰退した。
    ・エジプト脱出を指揮したモーセは高貴な生まれのエジプト人と推測する。イクナートンが亡くなり多神教信仰者から迫害を受け、アトン教は滅ぼされつつあった。そのときアトン教を信仰していたモーセ(政府の高官)がユダヤ人を引き連れ脱出した。モーセが口下手とされるのはユダヤ人と言語が通じず、通訳を通していたため。

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    2020年03月05日
  • 人間不平等起源論

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    この時代の古典とは、ちょっと相性が悪いのかな。回りくどいように感じられて、なかなか面白いと思えない。ゆっくり、自分が寄り添うような気持ちで読まなくては駄目なんだろうな。忙しい時代の我々にはキツイ。

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    2020年02月07日
  • 資本論 経済学批判 第1巻 IV

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    【1〜4のまとめ】
    意外にも、共産主義のことは書かれていません。
    資本主義の問題点の指摘は当たっていると思いますが、じゃあどうすればいいかは書いていません。

    1.この本を一言で表すと
    ・資本主義の問題点を見直す本

    2.よかった点
    ・資本家は労働者から搾取している
     →ブラック企業と言われている所では、そういう視点で見てみるのはいいかもしれない。

    ・植民理論
     →ヨーロッパ諸国が植民地から搾取して栄えたのは指摘通り

    2.参考にならなかった所(つっこみ所)
    ・資本家は労働者から搾取しているという考えではなく、労働者全員が資本家になるという考え方が必要ではないか?
    また、資本家が儲けているの

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    2018年12月30日
  • 陸と海 世界史的な考察

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    学生の頃に読んだ「陸と海と」の大幅改訳版。懐かしくて落手。生硬なな訳よりは理解しやすいのは良いが、意訳や評価の定まった用語などが使われていないところは残念だ。例えばp.243〜244にある、『歴史における海の権力の影響』などは、マハンによる地政学の名著である『海上権力史論』と訳すべきだ。他にもこういうの箇所が散見されるものの、かつて学生時代にはタブー視されていた学問が、広く一般に出回ることのメリットは計り知れないとも思う。

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    2018年11月25日
  • 資本論 経済学批判 第1巻 III

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    機械、大工業、増殖価値、労働力価格についての部分。
    「ジョン・スチュアート・ミルは「経済学原理」において「これまでさまざまな機械が発明されてきたが、これで日々の労苦が軽減された人が、一人でもいるかどうか疑問である」」p13
    「大工業に特徴的な労働手段であり、体系的に発達してきた機械類は、手工業経営やマニュファクチュア経営の労働手段と比較すると、比較にならないほどの大きな価値をそなえているのは明らかである」p51
    「機械類を使用する規模が大きくなると、労働日をたえず延長することが「望ましい」ことになる」p89
    「木綿紡績業の飛躍的な成長によってアメリカ合衆国では木綿の栽培が促成栽培のように促進

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    2018年11月04日
  • 資本論 経済学批判 第1巻 II

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    第1巻-Ⅱまでの1000ページを読破した。1-Ⅱでは、利益である増殖価値についてと労働について書かれている。機械化工業の創世記は労働時間が長く、労働者が酷使されていたことがわかる。子供であっても15時間以上の労働が強いられ、資本家と労働者間での争いにより、次第に労働環境が改善されていった時代背景を理解できた。
    「資本家はたんに使用価値を生産するだけでなく、商品を生産することを、使用価値だけでなく「価値」を生産することを、たんに「価値」だけでなく増殖価値を生産することを強く望んでいるのである」p36
    「資本家としての彼は、人間の姿をとった資本にすぎない。資本家の魂は、資本の魂である。そして資本

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    2018年11月04日
  • 純粋理性批判 2

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    カント。
    昔大嫌いだった。
    でも、今は好き!
    こんなふうに物事を考える彼の後ろ姿をみたかった。
    恐らくその光景はどんな文章でも表現できないだろう。
    カント。孤独の哲学者。
    合理的なリズムで踊る文体。
    こんなふうに私の感性と知性が絡み合うのです。

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    2018年04月03日
  • 永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編

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    飜訳は分かりやすかったけれども、内容そのものが難しかったので、ついて行けませんでした。

    翻訳者である中山元氏の平易で丁寧な解説のおかげで、すこしは分かった気になったけど。この解説だけ読んでおけばいいような気もする。本末転倒だけど。それぐらい解説は素晴らしかった。

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    2017年12月13日
  • 人はなぜ戦争をするのか エロスとタナトス

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    ネタバレ

    なんか、全然知らなかったけど、そうか、フロイトって、哲学者っていうより、心理学者だったんだ!て感じ(笑)。
    タイトルに惹かれて買ったけど、初めの2章ぐらいが終わると、戦争の話そのものではなく、その裏にあるような精神構造の話になっていく。フロイトの当時の講義集みたいな感じ。
    鬱病の研究とか、この頃からあったんだ、とか知って、なかなか興味深かったよ。

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    2016年12月29日
  • ドストエフスキーと父親殺し/不気味なもの

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    フロイトによる文学分析の論文集。「小箱選びのモチーフ」は、三人娘でなぜ末娘が選ばれるのかの謎を解く。「幼年期と市と真実」では、ゲーテが幼い頃の思い出を分析。そして、「ドストエフスキーと父親殺し」では、ドストエフスキーの性格分析と父親との関係を描く。いずれも興味深い内容だった。

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    2016年11月05日
  • 人はなぜ戦争をするのか エロスとタナトス

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    アインシュタインに問いに対して、なぜ人間は戦争をするのか考察した書簡。
    支配者が持っている権力を暴力と言い切る。支配者は最終的には被支配者に対して暴力をふるうからだ。
    それに対して被支配者は団結して権利を得る。
    なのでお互いに利害関係が一致しないので争い続ける。
    また、欲動(欲求のようなもの)には生の欲動と破壊の欲動(死の欲動)の2種類がある。
    同じ共同体の中では、生の欲動に訴えて争いを無くす方法がある。1つは愛すること。もう1つは同一化すること。
    戦争を確実に防止するには、人類が1つの中央集権的な政府を設立することに合意すること、そして、すべての利害の対立を調定する権利を、この中央政府に委ね

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    2016年01月28日
  • 自由の哲学者カント~カント哲学入門「連続講義」~

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    読み直したさ:★★☆
    人間が自然的因果関係に従わず、自ら行動を起こすことを可能にする超越論的な自由。これは自由な行動のみ帰責されるという責任論の根拠になると思われる。
    普遍性。
    人倫の公共性。思想が政治体制に影響するのがよく分かる。ルソーとの対比、類比。
    〈感想〉
    疲れた。読み進めるほど理解できるようになるので、立ち止まりすぎず、読み通した方がよかったかもしれない。

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    2016年01月21日
  • 自由の哲学者カント~カント哲学入門「連続講義」~

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    講義を本にした体裁だったせいか、著者の情念がやや薄く感じられました。それにしても、部分部分でカントの思考の奥深さが突き刺さります。
    さらに類書を読み、自分なりのカント像を形成したいと思いました。

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    2015年04月11日
  • 善悪の彼岸

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    卓見の連続。箴言が秀逸。
    全ての言葉にマークをしたくなってしまう。
    アフォリズムの妙が随所に光る。

    誰に何を言われようと真実を語らんとする彼の気概を感じざるを得ない。きっとこの辺りに彼の魅力があるのだろうな。

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    2014年10月05日
  • 純粋理性批判 1

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    感性と理性の関係。
    イギリス経験論とドイツ観念論と合流点。
    コペルニクス的転回。対象が認識に従う。
    物自体を知ることはできない。

    あくまで(1)を経たに過ぎない。道程は長い。
    (2)はちょっと後回しに。

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    2014年07月27日
  • プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神

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    資本主義の起源をプロテスタントの職業倫理の中に見出すという理論を展開する社会学者ウェーバーの有名な著書。著者も言及しているように、あくまで宗教的な影響が資本主義の出自にどの程度寄与しているかを考察しているに留まり、資本主義の本質の一端を明らかにしたに過ぎない。また肝腎の、当初神への信仰から産まれた資本主義の精神がその後いかにして世俗的で現世的なそれへと移行していったかについては詳らかでない。あまりにも議論されてきた理論で新鮮味に欠けるけれどやはり鋭い着眼点と意外性のある結論においては傑出している理論なのかも知れないと思った。

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    2014年01月18日
  • 人間不平等起源論

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    自然状態=最上の状態、社会性を持つようになったからこそ、人間は不平等になってしまったんだ、という内容。簡単に言うと。
    まあ掘り下げたりほかの知識があったりするといろいろもっと意味があるんだろうけど。
    2013年前期水曜5限の読書会の、課題図書(?)。

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    2013年06月26日
  • 道徳の系譜学

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    この本では、禁欲、疚しさ、罪、悪の意味についてお話している。
    愉快だったり、イライラさせたり。
    ニーチェは重要なことをいうのを後ろのほうにとっておいたりするので、途中、言及の意図がわからなくて、読むのが辛かったりする。
    いやむしろ、なんども読み返して欲しいがゆえにそうしているのだろうか。

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    2013年06月15日