中山元のレビュー一覧

  • 資本論 経済学批判 第1巻 II

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    第1巻-Ⅱまでの1000ページを読破した。1-Ⅱでは、利益である増殖価値についてと労働について書かれている。機械化工業の創世記は労働時間が長く、労働者が酷使されていたことがわかる。子供であっても15時間以上の労働が強いられ、資本家と労働者間での争いにより、次第に労働環境が改善されていった時代背景を理解できた。
    「資本家はたんに使用価値を生産するだけでなく、商品を生産することを、使用価値だけでなく「価値」を生産することを、たんに「価値」だけでなく増殖価値を生産することを強く望んでいるのである」p36
    「資本家としての彼は、人間の姿をとった資本にすぎない。資本家の魂は、資本の魂である。そして資本

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    2018年11月04日
  • フーコー入門

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    フーコーの足跡をたどるための一冊。

    非理性という罪、人間の分裂、歴史の目的性と進歩、生かす権力と殺す権力などなど、これまで「監獄」以外ではあまり触れることのなかったフーコーの思想について理解することができた。

    もっと強い刺激を受けても良いような内容だったが、あまりそうした面を強調しすぎず、あくまでフーコーの思想を淡々と追って行く内容で、これはこれでよかったのかも。

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    2018年06月14日
  • 純粋理性批判 2

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    カント。
    昔大嫌いだった。
    でも、今は好き!
    こんなふうに物事を考える彼の後ろ姿をみたかった。
    恐らくその光景はどんな文章でも表現できないだろう。
    カント。孤独の哲学者。
    合理的なリズムで踊る文体。
    こんなふうに私の感性と知性が絡み合うのです。

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    2018年04月03日
  • 永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編

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    飜訳は分かりやすかったけれども、内容そのものが難しかったので、ついて行けませんでした。

    翻訳者である中山元氏の平易で丁寧な解説のおかげで、すこしは分かった気になったけど。この解説だけ読んでおけばいいような気もする。本末転倒だけど。それぐらい解説は素晴らしかった。

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    2017年12月13日
  • 人はなぜ戦争をするのか エロスとタナトス

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    ネタバレ

    なんか、全然知らなかったけど、そうか、フロイトって、哲学者っていうより、心理学者だったんだ!て感じ(笑)。
    タイトルに惹かれて買ったけど、初めの2章ぐらいが終わると、戦争の話そのものではなく、その裏にあるような精神構造の話になっていく。フロイトの当時の講義集みたいな感じ。
    鬱病の研究とか、この頃からあったんだ、とか知って、なかなか興味深かったよ。

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    2016年12月29日
  • ドストエフスキーと父親殺し/不気味なもの

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    フロイトによる文学分析の論文集。「小箱選びのモチーフ」は、三人娘でなぜ末娘が選ばれるのかの謎を解く。「幼年期と市と真実」では、ゲーテが幼い頃の思い出を分析。そして、「ドストエフスキーと父親殺し」では、ドストエフスキーの性格分析と父親との関係を描く。いずれも興味深い内容だった。

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    2016年11月05日
  • 人はなぜ戦争をするのか エロスとタナトス

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    アインシュタインに問いに対して、なぜ人間は戦争をするのか考察した書簡。
    支配者が持っている権力を暴力と言い切る。支配者は最終的には被支配者に対して暴力をふるうからだ。
    それに対して被支配者は団結して権利を得る。
    なのでお互いに利害関係が一致しないので争い続ける。
    また、欲動(欲求のようなもの)には生の欲動と破壊の欲動(死の欲動)の2種類がある。
    同じ共同体の中では、生の欲動に訴えて争いを無くす方法がある。1つは愛すること。もう1つは同一化すること。
    戦争を確実に防止するには、人類が1つの中央集権的な政府を設立することに合意すること、そして、すべての利害の対立を調定する権利を、この中央政府に委ね

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    2016年01月28日
  • 自由の哲学者カント~カント哲学入門「連続講義」~

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    読み直したさ:★★☆
    人間が自然的因果関係に従わず、自ら行動を起こすことを可能にする超越論的な自由。これは自由な行動のみ帰責されるという責任論の根拠になると思われる。
    普遍性。
    人倫の公共性。思想が政治体制に影響するのがよく分かる。ルソーとの対比、類比。
    〈感想〉
    疲れた。読み進めるほど理解できるようになるので、立ち止まりすぎず、読み通した方がよかったかもしれない。

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    2016年01月21日
  • 自由の哲学者カント~カント哲学入門「連続講義」~

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    講義を本にした体裁だったせいか、著者の情念がやや薄く感じられました。それにしても、部分部分でカントの思考の奥深さが突き刺さります。
    さらに類書を読み、自分なりのカント像を形成したいと思いました。

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    2015年04月11日
  • 善悪の彼岸

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    卓見の連続。箴言が秀逸。
    全ての言葉にマークをしたくなってしまう。
    アフォリズムの妙が随所に光る。

    誰に何を言われようと真実を語らんとする彼の気概を感じざるを得ない。きっとこの辺りに彼の魅力があるのだろうな。

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    2014年10月05日
  • 純粋理性批判 1

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    感性と理性の関係。
    イギリス経験論とドイツ観念論と合流点。
    コペルニクス的転回。対象が認識に従う。
    物自体を知ることはできない。

    あくまで(1)を経たに過ぎない。道程は長い。
    (2)はちょっと後回しに。

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    2014年07月27日
  • フーコー入門

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    ネタバレ

     フーコーといえば『監獄の誕生』というイメージ。あと近代の人だと思っていたから20世紀の人だったのがちょっと驚き。
     「系譜学」、「規律権力」、「生権力」、「装置」など用語に注目して読んだ。他の人に説明するためだったので何度も読み直して理解しようとしたけど、それでも分からないことがけっこうあった。他の本も読んで複数の説明から理解を深めたい。

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    2014年04月23日
  • プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神

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    資本主義の起源をプロテスタントの職業倫理の中に見出すという理論を展開する社会学者ウェーバーの有名な著書。著者も言及しているように、あくまで宗教的な影響が資本主義の出自にどの程度寄与しているかを考察しているに留まり、資本主義の本質の一端を明らかにしたに過ぎない。また肝腎の、当初神への信仰から産まれた資本主義の精神がその後いかにして世俗的で現世的なそれへと移行していったかについては詳らかでない。あまりにも議論されてきた理論で新鮮味に欠けるけれどやはり鋭い着眼点と意外性のある結論においては傑出している理論なのかも知れないと思った。

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    2014年01月18日
  • 人間不平等起源論

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    自然状態=最上の状態、社会性を持つようになったからこそ、人間は不平等になってしまったんだ、という内容。簡単に言うと。
    まあ掘り下げたりほかの知識があったりするといろいろもっと意味があるんだろうけど。
    2013年前期水曜5限の読書会の、課題図書(?)。

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    2013年06月26日
  • 道徳の系譜学

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    この本では、禁欲、疚しさ、罪、悪の意味についてお話している。
    愉快だったり、イライラさせたり。
    ニーチェは重要なことをいうのを後ろのほうにとっておいたりするので、途中、言及の意図がわからなくて、読むのが辛かったりする。
    いやむしろ、なんども読み返して欲しいがゆえにそうしているのだろうか。

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    2013年06月15日
  • 正義論の名著

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    ホメロスからサンデルまで。淡々と論点をまとめる。
    他人の講義ノートか読書メモを読んでいるかのような読書感。
    各章のページ数が少ないうえに、具体例や著者自身の意見がとぼしく、理解不十分に終わった章が多かった。
    特にレヴィナスとデリダを紹介する最後の2章は、他の章と次元が違い過ぎて「日本語でおk」状態。
    コミュニタリアンとリベラリストの止揚を図ったとも言えるハーバーマスの論点を知ることができたのが最大の収穫だった。

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    2014年08月21日
  • フーコー入門

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    フーコーは現存の体制から新しい可能性を見つけた人。
    監視社会としての二つの要素 身体の規律化と、眼差しでの精神の規律化のパノプティコン。
    現代福祉社会の 権力と生との関係。国民の福祉の維持を建前としながら、生という観念から国の維持のために必要な国民を管理し、自国の力の維持を図る。と同時に戦争などでの暴力によって国民を殺す、人種差別的な観点。国の維持と言う構図それは、司牧者の権力図と重なる。 途中中だるみしたけど、権力の分野はおもしろでした。。

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    2013年02月01日
  • 人間不平等起源論

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    ルソーの意識は、マルクスと同様、今ここの社会の悲惨な現状がいかにして興ったのかを知ることにある。
    そのために、社会への成り立ちを、自然状態から説明する。

    ルソーは、現代が自己の外=他律的にしか自己の価値が定まらないという、吉本隆明が言うところの〈関係の絶対性〉を問題視するために、
    社会状態に移行する前の自然状態では、
    誰ともかかわりをもたない「孤独な生活者」として人間を描く。

    人に備わっているものは、次の3つ。
    自己改善能力、自由意志、憐みの情。
    だが、社会性のある生活ではないので、最後の項はほぼ潜伏している状態でしかない。

    そこから社会への移行は、天変地異が起らなければありえない、とい

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    2012年02月14日
  • 幻想の未来/文化への不満

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    精神分析で知られるフロイトの論文3編。主に宗教批判とユダヤ教についての考察をまとめたもの。

    文化とは、人間の生を動物的な条件から抜けださせるすべてのものであり、動物の生との違いを作りだすもののことであると定義する。

    出版された時代の技術の進歩についても論じられており、宗教と文化との対比もされている。

    僕もいよいよ本の中で迷子になっている。

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    2012年01月22日
  • 善悪の彼岸

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    読書会の課題本として読みました。この言葉にシビレました。この本に載っていたんですね。「怪物と戦う者は、その過程で自分自身も怪物になることのないように気をつけなくてはならない。深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ」アフォリズムという独特の形式で記述されています。一読した限りでは、あまりよくわからないところが多いですね。時間をおいて、何度か読み直す必要のある本のようです。現時点では、とりあえず星三つ。

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    2012年01月09日