中山元のレビュー一覧

  • 正義論の名著

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    タイトルだけ見ると、ただの紹介本のような印象も受けるが、そうではない。「正義」概念を軸に、時系列にそって西洋思想のエッセンスをまとめている。簡潔にまとまっていて読みやすい。
    ただ一点だけ解せないのは、サンデルの「正義」に関する代表作が『これからの「正義」の話をしよう」になっていた点。サンデルにはあまり明るくないが、サンデルの主著は『リベラリズムと正義の限界』ではないのか。『これからの~』は良い本ではあると思うが、とても教科書的だと思うし、ノージック『アナーキー・国家・ユートピア』、ウォルツァー『正義の領分』と並び立てるには少し問題があると感じた。
    それでも、全体から見ると些細な問題だとも思うの

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    2013年01月24日
  • プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神

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    古典、さらには宗教とベースとなる知識に自信がないので敬遠していましたが、大変読みやすかった。最近の下手な経済読本より分かり易いと思った。

    技術、商業の教育を受けた人にプロテスタント的な性格の人が多いという著者の素朴な発見から本書はスタートする。

    資本主義において生産性を向上するため古来から出来高性が導入されてきた。しかしこれは生産量の向上につながらず実際には低下した。人は従来の方法で生活を維持することを望むのである。逆に賃金を下げても、生産量の質・量とも低下する。結局、労働のモチベーションは金銭にあらず、仕事を人間の絶対的な自己目的、天職と意識することに依るのであるが、この意識付けはあ

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    2013年01月10日
  • プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神

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    キリスト教の精神について、私には共感できることは少ない。「獲得した富は、子どもたちに残してはならない。自分で働いて富を蓄積するという道徳的な善行を行う機会を奪ってしまうから」…それぐらいかも。

    彼らとコミュニケーションする中で、思想の根底にあるものを感じることができるかも。それは面白そうだ。他人の考えを素直な気持ちできく柔らかな頭と、努力は惜しまずに。〝時間の浪費〟は自己責任とゆうことで、ユルシテもらうよ。

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    2013年01月05日
  • 善悪の彼岸

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    久しぶりに知的興奮をありありと感じた。

    「真理」をあらかじめ設定した上で語り始めることの欺瞞。
    すでに決まっている判断基準によって物事を分類する事への嫌悪。

    「善悪の彼岸」へいくには、この世の中はだいぶ窮屈だ。
    われわれは、「独立不羈な者」にならなくてはならない。

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    2012年12月29日
  • 純粋理性批判 1

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    店頭で目が合ったので、買いました。
    読み始めました。
    (2012年12月18日)

    「解説」部分を読み終えました。
    カントが分かった気にさせてくれるのが素敵。
    (2013年2月6日)

    深い森へと踏み行ってゆきます。
    (2013年4月3日)

    カントが分かる、ということは、
    ちょっとした出来事だ。
    これは、大変な訳業です。
    訳者と版元に最敬礼。
    (2013年4月8日)

    読み終えました。
    よく咀嚼できたかな?
    (2013年4月18日)

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    2013年04月18日
  • ドストエフスキーと父親殺し/不気味なもの

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    フロイトの精神分析を応用した批評は数多くありますが、その本人が書いたもの。フロイトの理論を知る助けにも、批評への応用の参考にもなります。これがまた内容も面白く読みやすい。

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    2012年11月21日
  • 人はなぜ戦争をするのか エロスとタナトス

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    中山元は『フーコー入門』が読み辛かった覚えがあるのだけども、この訳はなぜこれほど読みやすいのだろう。フロイトのエロス/タナトス理論のわかりやすい解説になると共に、アインシュタインとの往復書簡が秀逸。当時の西洋世界にとって、戦争がどれほど人類の既存の知を脅かしたのかが肌に伝わるようだ。

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    2012年11月21日
  • 人間不平等起源論

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    高校時代から気になってたルソーの人間不平等起源論をようやく読んだ。18世紀フランス革命前夜のジュネーブにおける市民社会への真摯な想いに感銘を受けた。自然科学の知見は当然古いが、その思考の過程と導き出した人間社会に関する結論は現代でも褪せてはいないように思う。

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    2012年08月18日
  • 純粋理性批判 1

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    ああ、あと六巻...
    "対象は認識に従う"は、はじめてちゃんと読むとガツンと来た。
    人は生まれながら持っている型のようなモノを頼りに外界と接しているのだろうか。。。

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    2012年08月13日
  • 善悪の彼岸

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    ニーチェの好んだアフォリズム形式。
    短い断章ほど、ことばが力強い。


    印象に残ったことば。
    「高き人間を作るのは、高き感覚の強度ではなく、持続である。」

    「男の成熟、それは子供の頃に遊びのうちで示した真剣さを取り戻したということだ。」

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    2012年07月20日
  • 純粋理性批判 7

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    7巻は今までのまとめみたいな感じ。
    いっそ全部あとがきって感じでいいんじゃないかとも思うくらいだけど。とりあえず読み終わって嬉しい。

    朝の15分だけ読むって決めていたからえらくだらだらと読んだけど(1,2巻は2回ずつ読んだし)とても幸福な読書体験でした。

    これから先何を読んでも純粋理性批判を読むのと読まないのとではきっと理解の仕方が違ってくると思います。

    読み方の良いクセを得ることができた。


    実践~と判断力~は新訳ででないのかな。

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    2012年06月07日
  • プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神

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    資本主義の精神と言うのは功利主義的な商人気質から来るものではなく、節制と禁欲に励むプロテスタンティズムの倫理から生まれて来たのだということを解き明かした名著。自己啓発ブームにより、誰もが仕事で理想と自己実現を得ることを強いられる近年において、こうした「天職」という概念がどこから来たものなのか、かつては職業人であることを欲していたのが、なぜ今は職業人でなければならないのか、こうした観点から再考するのも面白いかもしれない。岩波文庫は解説だけ読んでおき、こちらを脚注は全て飛ばして読むのが入口として最適な方法。

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    2012年05月15日
  • 純粋理性批判 6

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    神の存在は証明できないけどいると考えてもいいよ、だってそのほうが便利だからね、みたいな感じの巻だったんですが尖ってるなあとしみじみ思いました。

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    2012年05月09日
  • 道徳の系譜学

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    善悪の起源、良心の起源、禁欲の起源、それらが如何に倒錯的に現れ、人間を支配してきたか。それは近代科学のような学問の領域においてさえ。

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    2012年04月19日
  • 純粋理性批判 5

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    二律背反の巻。なんとなーくうさんくささを感じるのは私だけですかね。あと、ようやく身体性のある話になってきたなぁとほっとしております。

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    2012年04月06日
  • 純粋理性批判 4

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    超越論的な弁証論の巻。

    「わたしは考える」という命題の特殊性。これに尽きる巻です。

    合理的な心理学という枠組みを得ることによって理解しやすくなったです。

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    2012年02月28日
  • 永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編

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    名著・名作と呼ばれる本の中で一番人に薦めやすい、そんな一冊。とにかく読みやすい。これを若い内に読めないのは不幸だし、先に解説書や他人の説明から入ってしまうなら更に不幸だ。

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    2012年02月17日
  • 純粋理性批判 3

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    1,2巻再読してから読み始めたから結構時間経ってしまった。
    この辺りがピークなんじゃないかとなんとなく思ったり。

    超越論的な分析論の巻です。

    本編よりも付録の「知性の経験的な使用と超越論的な使用の混同によって生まれる反省概念の両義性について」が面白かった。


    良いと思った定理をひとつ書いておく。

    「わたしの外部の空間の中に対象が存在することを証明するのは、わたし自身が現実存在するという、たんなる経験的に規定された意識である。」

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    2012年01月29日
  • フーコー入門

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    入門にしては難しかったが授業で習ったことが沢山出てきていて面白かった。これからも繰り返し見て復習したい、特に性の歴史の所が難しくてまだわからない。

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    2011年12月16日
  • フーコー入門

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    ネタバレ

    史上最も偉大だとされる哲学者であるミッシェル・フーコーの晩年を、主要な著作とその概要を交えながら描いた本。解説もわかりやすいし、何よりこの一冊で、フーコーがどのようなことを問題意識として持ちながら人生を歩んだのかが良くわかる。この点において、本書はかなり有用だといえるだろう。

    フーコーの数ある著作のうち、最も示唆的なものは「監獄の誕生」であると個人的には感じる。なぜなら、後から述べるように、従来信じられてきた「権力」に関する概念を全く新しいものに構築し直した上に、それは現代まで通じるものであるし、加えて、あらゆる学問分野・生活に適用可能だからである。これが幅広い読者によって長年読み続けられて

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    2012年07月23日