【感想・ネタバレ】資本論 経済学批判 第1巻 IIIのレビュー

あらすじ

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日経BPクラシックス 第11弾
第三分冊は、第4篇「相対的増殖価値の生産」の最後となる第13章「機械類と大工業」と、第5篇「絶対的増殖価値と相対的増殖価値の生産」の第14章から第16章まで、第6篇「労働賃金」の第17章から第20章までを収録。

全体で470ページほどのうち、250ページを超えるのが第13章。産業革命に伴う機械システム、工場制度の分析を通して、資本制生産が労働者を非人格化していく様子を描く。

「マニュファクチュアと手工業の時代には、労働者は道具を自分に奉仕させたが、マニュファクチュアと手工業の時代には、労働者は機械に奉仕する」

「機械で働く労働者は、仕事の内容を奪われているために、もはや細部における手腕などは、取るに足らぬ些事として姿を消す。その代わりに登場したのが機械システムのうちに体現された科学、巨大な自然力、
社会的な集団労働であり、これらが今や機械システムとともに『主人』の権力を構築する」

第17章「労働力の価値または価格の労働賃金への変容」以降は、増殖価値の源泉である労働力商品の価値が、労働賃金に変容していくからくりを詳細に解説する。
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Posted by ブクログ

機械、大工業、増殖価値、労働力価格についての部分。
「ジョン・スチュアート・ミルは「経済学原理」において「これまでさまざまな機械が発明されてきたが、これで日々の労苦が軽減された人が、一人でもいるかどうか疑問である」」p13
「大工業に特徴的な労働手段であり、体系的に発達してきた機械類は、手工業経営やマニュファクチュア経営の労働手段と比較すると、比較にならないほどの大きな価値をそなえているのは明らかである」p51
「機械類を使用する規模が大きくなると、労働日をたえず延長することが「望ましい」ことになる」p89
「木綿紡績業の飛躍的な成長によってアメリカ合衆国では木綿の栽培が促成栽培のように促進され、それとともにアフリカの奴隷貿易が促成栽培のように促進された。これは疑い得ない事実である。1790年にアメリカ合衆国で初めての奴隷人口調査が行われたときには、奴隷の人口は69万7000人だったが、1861年にはこれが400万人近くに増加していた」p184
「零落して貧しくなった両親は、子供たちをできるだけ搾り取ることしか考えていない」p241

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2018年11月04日

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