あらすじ
私たちは働くことから逃れられない。人類誕生から現代のグローバリゼーションまでを振り返り労働の功罪の価値を考察する。
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Posted by ブクログ
私たちにとって働くとは何か?
ハンナ・アーレントの古代ギリシアにおける労働と仕事の考察からはじまり、働くことについて展開されてきた哲学的な流れを学べる。課題のために何となく読んだけど面白かった。
Posted by ブクログ
仕事や労働という事に対して、各時代の哲学者や思想家がどのように考え向き合って来たかを時代背景も含めて判りやすく簡潔に書かれていて読みやすい。それぞれの哲学者や思想家の論点が労動史や資本主義の歴史の中で俯瞰出来るので、深掘りする前の参考になる。後半の感情労働の概念などは、特に日本では「おもてなし」として扱われてるサービスの部分かと気付かされ興味深かった。
Posted by ブクログ
働くとは何か。
これだけ労働に時間を費やしているのに、それが何なのかと問われるとなかなか難しい。
本書では、労働についての思想を古代から現代まで、西洋哲学の系譜を辿るものだ。
通して読むと、労働というものの立ち位置が時代や社会状況に応じてかなり変わっていくことに驚かされる。こんなに考え方や価値観が変わるのか!という驚きを与えてくれる。
最後はAIの登場により労働がさらに変化するであろう端緒を紹介して終わる。AIは、恐らく今までにない大きな変化をもたらすだろう。それは誰にも分からない。ただ、過去の思想の流転を把握していれば、「あー、近世の労働観の大転換の、変化軸が違うヤツかなー?」ぐらいに鷹揚に構えられるようになる。かもしれない。
来たるAIによる大失業時代に向けた精神安定剤として、ぜひ。(失業はする)
Posted by ブクログ
働くようになり、経験が積まれ、研修などで啓蒙が進んでいくと、仕事に求めているものと、そこから得ているものに複数の合い入れない要素を感じるようになった。
ライフラインを維持するために賃金を獲得すること、自己実現や人の役に立ちたいという欲求に応えること、嫌なことや辛いことでもやらなければならないことなど。その中で感じる、そもそも働くとは何なのだろうか?という問いを探るために手に取った本。
アンナハレントによる労働、仕事、活動という分類と、それらが現代においては混ざりあっており、ほぼ全ての人間の営みが労働になりつつあることが指摘されている。ここを知るだけでも、労働観に対する解像度を上げることもできると思う。
資本主義的な現代の労働観を出て、労働史を哲学思想の観点から俯瞰し、自身の毎日の営みにおける労働観を再構築するのに役に立つと思う。