丹羽宇一郎のレビュー一覧
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ネタバレ新渡戸稲造といえば1代前の5千円札の人物です。
国際人として知られ、晩年では太平洋戦争の回避に奔走しましたが、道半ばで病没した悲劇の人でもあります。
本書はその新渡戸稲造が残した自己修練の指南書とも呼べるもの。
個人的に、今の時代にあってこの類の思想書は異彩を放っていると思います。
なんというか、目先の利益を追わず、相対的な成長に見向きもせず、ただただ正しい道を行く信念を堅持し、絶対的成長を追い求める姿が際立っています。
孔子や佐藤一斎、安岡正篤など、外の評価に惑わされずに内なる成長を説くこのような思想に触れると、とても勇気づけられます。
その中でも新渡戸稲造の『修養』につい -
Posted by ブクログ
脳科学者の茂木健一郎、クリエイティブディレクターの箭内道彦などその道のトップランナーが考える力をつけるためのメソッドを紹介している本。
個人的には茂木健一郎が書いた部分がわかりやすく、自分の仕事においてヒントを得ることが多かった。
人は知識、経験だけではダメで、意欲が大事。
反対に意欲だけあっても知識や経験がなければだめ。
この世の中で最も強く賢いのは誰か?
それは意欲を持った高齢者。
高齢者は知識、経験は豊富である。
そこに意欲を伴えば最強!
高齢者ケアに携わる者として、高齢者は弱者ではないということの説明に使える!と思った。
また、意欲を引き出すことの重要さを意味付けしてくれた。
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著者の人生経験から導き出される言葉にはなるほどなと思わせられます。
・嘘はつかない、隠し事はしない
・”不自由を常と思えば不足なし”の精神
・アリのように働く
など。
しかし、前半部分の最近の若者には元気がないから頑張れ!という主張にはなかなか諸手を挙げて賛成派できない。
著者が育った時代は日本は成長の道を進んでいただろうし、ある種がむしゃらにやっていればそこそこいい感じになれるとういう社会だったのでは?と思うわけだが、現在ではまずがむしゃらになる必要がほとんどないというほかに、がむしゃらになっても将来はかなり不透明で、そうして失敗したときに失うものは著者の時代より多くなっているのではないか -
Posted by ブクログ
ネタバレ中国に対する評価は人によってずいぶん異なっているように感じる。「じきに世界トップの経済大国になる」「一党独裁が崩壊し内戦に突入する」「中華思想的な発想で周辺国を圧迫する」「反日プロパガンダで国民の不満を逸らしている」等々。それぞれ、一面では嘘ではなく、全体では的外れなのだろうと思った。
一章では、習近平体制は当面は対外強行路線に走らざるを得ないという。将来的には連邦制になるとの予想。
二章では、国防費の3倍を国民の教育に費やしていると指摘する。科挙の歴史を引くまでもなく、エリートがそれぞれの良識を持って国を引っ張っているに違いない。
5章、日中関係、あたりは少々楽観論にも聞こえる。個人的な信頼 -
Posted by ブクログ
文人経営者として丹羽氏の経営論、読書論は成る程と納得する事が多々ある。
商社マンとしての様々な経験と豊富な読書に裏打ちされた氏の文章は素直に理解出来る。
主題のリーダーシップ論から離れて仕舞ふが、氏の対中外交論について言及する。
数々の駆引き、交渉、修羅場を経験してゐるのにも関はらず、対中外交問題になると「お人好し」になるのには理解に苦しむ。
「対話のドアより心のドアを開くべき」と安倍政権を揶揄、批判してゐる。一方で「尖閣諸島は我が領土」と言ふ中国の横車、無法を言及、非難せず、両国の問題として対話せよと宣ふ。
中国大使を経験しておきながら、『中国は美人であれば、「自分の女房」と