丹羽宇一郎のレビュー一覧
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人間にとって、仕事、お金、成功、老い、死、とは何なのか。著者の知見と経験をもとに、「生き方の哲学」が語られた本。
著者の丹羽宇一郎氏は、多くの本を書いている。そのうちの何冊かを読んだことがある人なら、わかると思うが、根底に流れているメッセージはすべて同じだ。それは、以下のことである。
本書でも「生きている限り努力を怠るな」「いつでもどこでもベストを尽くせ」と書いています。(あとがき、p234)
つまり、ずっと努力、努力で生きている著者が言いたいのは、そして言えるのは、結局、「努力せよ」ということに尽きるのだ。このように努力をして生きていると、世の中に対して言いたいことも出てくる。それが書 -
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「人は仕事で磨かれる」。伊藤忠商事前会長、丹羽宇一郎氏の信条だ。
丹羽氏の賞賛すべき点は、自分をよく見せようとすることなく、真実のみを語っていることだ。私もただの一読者なので、裏を取ったわけではないが、偽りのない真の意見、本音で語っているというのは伝わってくる。こういう人物の言葉には、耳を傾ける価値がある。
丹羽氏の書いた本を読んだことがある人は、重複している部分もあると感じるだろう。やはり、同じ人が似たテーマで書くと、重複する部分が出てくる。だが、重複する部分は、必ず伝えたい重要なことなのだ。前に書いたことを避けて本を書けば、後から書かれた本は、残りかすのような重要度が低いことばかりにな -
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伊藤忠商事前会長、丹羽宇一郎氏による読書論。と同時に人生論でもある。
「本の選び方」、「読み方」、「効用」など、読書について語るのはもちろんのこと、「仕事」や「生き方」について語られていることも多い。著者にとって、読書と仕事は切っても切れない関係だからだろう。そのことは下記の文章をみてもわかる。
「私は人が生きていく上で大事なのは、仕事と読書と人間関係と、そこからくる人間への理解であるということを繰り返しいい聞かせています」(p154)
人生には仕事だけでもなく、また読書だけでもなく、両方とも必要ということだ。自らの経験と照らし合わせて書かれているため説得力がある。
読書の魅力がわか -
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ネタバレ元伊藤忠会長、元中国大使の丹羽宇一郎氏による中国と日本の明日を考える著作。
中国通による、日中関係の見方・読み方について解説するとともにその将来像についてもアツく提言するもの。
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新聞の社会欄に出る程度のことしか存じ上げませんでしたが、著者の丹羽さんはかなりの中国通のようです。そして、その現場志向の考えが本書を読んでいてよく理解できました。
そういう意味では、彼のやり方はおそらく仕事も政治も、現場第一主義。マスコミも信用しない。噂話や評判も片耳を貸す程度。自分の目で見て確かめる、確認する。
そうやって人脈を築き、肌感覚を養った方だから書ける中国論であると感じます。
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本書 -
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ネタバレ◆手に取ったきっかけ
タイトルの通り、考える力をつけたかった。
茂木さんをはじめ9名のその道のトップランナー、人生の先輩たちと対話できるような書き出しに惹かれた。
◆気になった項目
レクチャー2 箭内さん
流されるから遠くへ行けるという考え方
・自分の個性が分からない。つい、他人に合わせてしまう性格、相手を喜ばせたい性格が個性なのでは?という文章は自分に当てはまると感じた。
相手の言うことを全部聞いて、それを何倍にも膨らまして返す。クリエイティブ合気道
※合気道は相手の力が大きければ大きいほど相手を遠くに投げ飛ばすことができる。→相手の力を利用する!
・関係はつくるのではなく、好きでつくる
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ネット記事での紹介から手に取った本。どんな文脈での紹介だったかは忘れた。
前半はAIにできなあえことは何か、著者の自説が述べられる。
仕事する人の想いや感情、コスパタイパで見えないものなど。
経験豊富なだけあって、好ましい状態から転げ落ちちゃう人を経験的によく見てきている。例えば陰謀論にはまる人、自己評価が高い人。
後半は手垢のついたような人生訓。講演などで耳から入ると聞くのがつらいかも。謙虚な文調なので受け入れやすい。いっそ、具体的なエピソードと一緒に語ってもらった方が頭に染み入りそうだけど、本人いはく、過ぎたことはうまく忘れるそうなので難しいかも。
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ネタバレ伊藤忠商事の社長を務めた丹波宇一郎さんの読者に重きを置きながら、人生観を語ったような一冊。
「自伝は眉に唾をつけて読む」の節に、自身の経験談、成功談を書いてからの、以下の締めの一文。
『自伝や回顧録というものは、人生の失敗者や敗残者はまず書きません。成功者が語る話ですから、いくら自制しようともどこか自慢話になってしまうことが目に見えている。ですから教訓にもあまりならない気がします』
なるほど!?
事実、自分の価値観と照らし合わせて、勉強になった部分、頷ける部分、違うと思う部分があったので、ひとつの観点として受け入れるのがよい本だと思いました。
「見栄をはる為の読書にも意味はある」の節で、虚 -
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著者は、元大使であり、
会社の立て直しを成功させた人。
また稀代の読書家。
自分の経験などを通して
「人間の本性」について書いている。
2019年出版の新しめの本。
人間は理性を身につけたが、
元々の本性である「動物の血」があるという。
初めの方を読むうちは、
人間への眼差しは優しいなと感じる。
必ずしも善だけでは生きられないこと
怒りや嫉妬などの感情も含め人間だという。
しかし、後半の運・不運についてや
仕事との向き合い方や
疲れ・ストレスについての記述には
厳しさが滲みでている。
大変な責任あるポジションで
生き抜いてきた人だからこそといった感じ。
(今の若者には耳障りがよくないか