あらすじ
コンピュータやAIは目まぐるしく進化しているが、それらをコントロールする人間ははたして進化しているといえるだろうか。年を重ねても人を妬んだり恨んだりと自己中心的な他人を見て落胆しつつ、同様に成長していない自分に愕然とする。このような人間の心のあり方は時代が変わっても普遍的なテーマであることに変わりはなく、だからこそ古今東西の哲学者が「人間とは何か」を探求し続けているのだ。この深遠な問いと人間の生き方について伊藤忠商事前会長、元中国大使で稀代の読書家でもある著者が、その豊富な人生経験から考察した一冊。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
人は悩みがあるから生きていける
この言葉を見て、胸がスッとしました。
忘れられることがあるのも人間の大切な能力とあり
確かにな〜っと考えさせられました
自分の中にある汚い部分としっかり向き合い
自分に正直な人間になりたいと思えました。
Posted by ブクログ
人間は弱い
その弱さを受け止め、どう生きていったらいいのか、具体例や経験談を交えてテンポ良く、書かれていて、凄く読みやすかった。書き留めたい、心に留めたい内容がたくさんあり、気がつけば二回、三回と読んでいた。
これから人生後半戦。 人として生きる楽しみを教えてもらえた。
人間として産まれて来たのに、肝心な人間のことをよく知らなければ、AIロボットに使われる一方で、人間としての人生そのものさえ、まっとうできなくなるのではないか。
最後の1日をどう過ごしたいか。
逃げない決断。
これ以上はできない と言うほど日々の努力を尽くせばたとえ勝負に負けたとしても、それが自らの実力なのだからと思い残すことはない。
仕事でも勉強でも生活でも、楽な状態を長く続けるといつかしっぺ返しがくる。
人は誰しも弱さを抱えているが、それから目を逸らさず、自分の欠点や弱さを勇気を持って受け入れ自覚する。
動くこと
切り替えること
勇気を持って一歩行動を。
こんな立派な人でも、お母さんに心配ばかりかけて、親孝行をしてあげられなかったと嘆いている。
最終的に能力の差を決めるのは、情熱の差であり、気力の差であり、そして努力の差。ベストを尽くす前に能力が違うからといってあきらめたり、嘆いたりするのは愚かなこと。
知る不幸を受け入れるべき。
あまりにも問題が多すぎて、いちいち目を向けていられないと思う人もたくさんいる、しかし、これは目をつむるとまずい、自分たちの生活に巡り巡って悪影響を及ぼす。おかしいと思うことはおかしいと声を上げるべき。
Posted by ブクログ
自分が強くなったと思った時点で終わりだと。心を強くするために鍛えるとは書いてあるが、常に努力し続けなければならないものだと思う。つまりは保守が必要。仕事も同じ。変化の激しいこのご時世、蓄積だけでは食っては行けない。そう思うと楽にはならないのだと覚悟する必要があるのか。
ここで述べられていることはすべて正しいと思う。自然体で生きることが書かれている。自分の評価は常に2倍増しになっているというのは悲しい話だがこれも思い当たる。常に謙虚であり、正しく生きることで幸福になれる。
そんな一方で昨日読んだ哲学の記事で、現代は余暇すらも充実を求めようとするところに心の病巣があるというのを読んでハッとしてしまった。あらゆることで結果を求め、自分を追い立てている。筆者はそんな感じで実業界を牽引していたのではと思ったりもするが、自然体こそ心の病巣を克服するとも思える。
Posted by ブクログ
伊藤忠商事の生え抜きで、バブル崩壊直後の大変な時期に社長であられた著者。
著者はちょうど私の父親と同じ歳。80歳。
社会を構成する一員として、ちゃんと理解しておくべき「人間」というものを、経験豊富な「親父」から教えられたような感触で読みました。
親父から教えてもらったことを胸に、まだまだ未熟者の自分を反省しながら、世代を担う者として、もっと頑張ろうと思いました。
Posted by ブクログ
先月読んだ『人間の器』に続き、丹羽さんの本から元気を貰おうと手に取った。
社長になっても黒塗りの車に乗らず電車で通勤し続け、浪費を控えるという謙虚さ、そして現状に満足せず学び続ける向上心など、丹羽さんの魅力的な人柄が垣間見える。「私の履歴書」の執筆を断り続けたエピソードは面白かった。
いろいろと独自の視点から、批判や見解を述べられているのだが、全然嫌味に感じられず、飾らない、自然体の優しいお爺さんという雰囲気である。権力と実績を携えて説教したり、自慢するのではなく、社会的な肩書を外した「ただの人」を普段から意識されているのだなと思った。
次は『死ぬほど読書』を是非読んでみたい。
Posted by ブクログ
私もまだまだ現役バリバリで仕事をしているが、仕事や人生で必ず抱いている様な感情・感覚について、人間としての本性が要因となる事、それをどの様に良い方向へ持っていくか学べる。生きるための本能として動物的に持つものもあるが、ヒトであるから持ちうる高度な感情。多くは妬みや虚栄心、ストレス等のマイナスの要素であるが、それ自体を生み出しているのはヒトの心であり考え方一つで良い方向にも変えられる。
失礼ながら筆者が伊藤忠商事の元社長であった事は、書籍購入後に知ったのだが、さすがは戦後日本経済を支えた大商事会社のトップであるだけに、どんな超人的な心の持ち方なのだと、期待したが何のことはない。我々サラリーマン誰もが出来るちょっとした心の持ち様なのだ。かなり予想を外したが、逆に自分と自分の身の回りに置き換えて今すぐにでも変われるチャンスをもらえたような気持ち。筆者自身も社長になったからと言って何か変わるのではなく、それまでの自分そのものを貫き通す。実はこれが1番難しいことかもしれない。驕りや昂りに虚栄心とポジションや経験値が上がれば誰しもが抱いてしまう感情、競争の中で自然と身についてしまう媚びへつらい、人を蹴落としてでも上を目指そうとする汚れた心。その様な負のエネルギーに侵食された自分を浄化するきっかけになる。
そこまででなくとも、私も実践する「自分以外は皆師である」の考え方や自発的な仕事は疲れを知らない、と言ったものまで、全ての人に刺さるメッセージがある。20年前に読みたかったと感じつつも、自分があと20年真面目に働いた後には、自然と人に語れそうな、手に届く感覚が非常に心地よい。朝の電車に揺られて今日もやる前から「何か疲れたな」と感じるなら一度手に取ってみると良いかも。
Posted by ブクログ
著者は、伊藤忠商事元会長で読書家でも知られる丹羽さんです。
「動物」的な本能をもっている人間が、いかに倫理観を大切にして、安定的な社会生活を営むか、という「人間の生き方」を考察した本でした。
ぜひぜひ読んでみて下さい。
Posted by ブクログ
生きていくうえ、仕事をするうえでのヒント集みたいな本だった。考え方を育てるのに良いかも。
下記は参考になった考え方。
短所は逆から見れば長所になる。たとえば、鈍感な人は細かいことにくよくよしないとか。この見方は、結構仕事で使えるかも。
あと、2:6:2の法則で、働きアリ2、普通のアリが6、怠けアリが2で、怠けアリを除外しても、残ったアリから怠けアリが出てくるという話。だとすると、管理者の立場としては、働きアリや、普通のアリに力を入れるべきというのは、当然のことてはないかと思いました。
損得勘定ではなく、楽しいかつまらないか、気持ちいいかよくないかといった価値観で行動を起こしてみる。become目標とbeing目標。become目標だけだと後が続かないという話。
正直、誰かの役に立ちたいとかいう気持ちは全くなくて、早いとこ仕事やめてだらだらしたいんですが、金銭面でなかなかそれが許されない世知辛い世の中ですね。こうした知識や考え方を活かして、普通のアリをどうにかキープして、ぼちぼち仕事を続けていこうと思います。
Posted by ブクログ
普遍的なテーマである「人間とは何か」について、著者自身の経験をもとに語られた本。
人間はいつまでも未熟な生き物です。だからこそ、未熟であることを自覚して、少しでもより良い方向へ進めるよう努める必要があるのです。そのことを本書は教えてくれます。
Posted by ブクログ
仕事で初対面のお客さんに何故か頂いた本。
目標というとどうしてもbecome(何になりたいか)という部分だけが注目されがちだが、being(どうありたいか)という目標を持つことが大事であるという考え方が心に刺さった。
どんな人間にも「動物の血」が存在するという概念は常に頭の中に留めておきたい。
Posted by ブクログ
傘寿を迎えた読書家の本。人間とは何かについて、正直かつ肯定的に述べている本。
人間と機械との違い、自分との戦い、感謝の気持ち等、頭では分かっているが、大事なことを再度認識させてくれる。
謙虚な姿勢を取り戻し、努力を継続して少しでも清く、正しく、美しい人生を送りたい人にオススメ!
Posted by ブクログ
本書では、丹羽氏の経験談から人間とは何か、どう生きるべきかという壮大なテーマが語られている。
皆弱さを抱え、悩みながら生きている。
自分の選択に不安を覚えて、揺らぐことも多い。
しかし、このような感情に向き合い、誠実に努力を続ければ人は強くなる。
という言葉で、自分の悩みが小さなものに思えてきた。
問題の捉え方や仕事の進め方を工夫することで、物事はいい方向に変わることがある。
環境、ましてや運のせいにするのではなく、身の程を知り、自分ができることを積み重ねていくことがいかに大切であるかを気づかせてもらった。
Posted by ブクログ
人間は死ぬまで未完成、人は悩みがあるから生きていける、最後に自分の人生を振り返って悔いが残らないように生きる、努力ができるのは人間の証等について解説。また、目先の損得にとらわれず、清く、正しく、美しくを目指す生き方をするようにと。人間はあきらめたらそこで終わり、死ぬまで好奇心を持ち続けろと、80歳を迎えた著者からのメッセージは珠玉の言葉ですね。人間ありのままに生きることは難しいが、普通の人として懸命に生きたいですね。
Posted by ブクログ
人間とは何者なのかを語った本。経験談なので仕方がないが、仕事と心の流儀の内容とかなり被っている。
幸せとは何か、人間の本質とは何かをわかりやすい事例を使って説明しており非常にわかりやすい。血尿が出るまで仕事をするのコメントだけは反対だが、残りの考え方は今後の自分の人生の幅が広がるので、出来る部分から実践していきたい。
社長になってもリムジンを拒否して電車で通う、車はカローラなどの一般庶民と同じ生活を心がけた所が共感出来る。
Posted by ブクログ
気持ちのいい生き方/自分は本当にベストを尽くしているだろうかということを、絶えず自問する/的外れな努力は意味がない/小さな達成感を積み重ねることが、モチベーションを持続させるコツ/自発的に仕事をすると疲れない/時間は必ず恩恵を与えてくれる/自己評価は実際よりかなり甘くなる/「清く、正しく、美しく」
Posted by ブクログ
著者の経験に基づく人生訓の束。平易な表現、親しみの持てる語り口で読みやすい。動物の血と理性の血という説明は面白い。自慢話が沢山出てくるが、嫌味はなく素直に読める。
Posted by ブクログ
【血の小便は出しませんが…】
1.怒り
「何らかの不正義を見て怒ったり、理不尽な目に遭って怒るのは、人として当然」
周りに当たり散らしたり、自分勝手な理由で感情的になるのではなく、正しい理由での怒りはエナジーに変えられる必要なものなのか、今の私のテーマ。
2、期待の心理
期待は他人に対する「依存」であり、大きくなるほど不満が膨らむ。生きづらさの原因の一つは「期待」である。ほどほどにするのが良い。
3、柔軟さ
こだわり、信念、プライドは柔軟さを欠く。それらを口にしたがる人は疑ってみる方が良いかも。柔軟性がありませんと宣言しているようなものだから。
Posted by ブクログ
著者は、元大使であり、
会社の立て直しを成功させた人。
また稀代の読書家。
自分の経験などを通して
「人間の本性」について書いている。
2019年出版の新しめの本。
人間は理性を身につけたが、
元々の本性である「動物の血」があるという。
初めの方を読むうちは、
人間への眼差しは優しいなと感じる。
必ずしも善だけでは生きられないこと
怒りや嫉妬などの感情も含め人間だという。
しかし、後半の運・不運についてや
仕事との向き合い方や
疲れ・ストレスについての記述には
厳しさが滲みでている。
大変な責任あるポジションで
生き抜いてきた人だからこそといった感じ。
(今の若者には耳障りがよくないかも)
とはいえ、全般的に
人間に対しても社会に対しても楽観的で
明るく前向きな気持ちになれる本。
Posted by ブクログ
いくつか気になる言葉があったが、「足るを知る者は富む」の本当の意味、のところ。
足るを知る、は分相応そこそこで満足すべし、と受けとめてたけどもっと深い意味がある。
人を知る者は智なり、自らを知る者は明なり。
人に勝つものは力なり、自ら勝つものは強し。
足るを知る者は富む、強めて行う者は強し。
その所を失わざる者は久し。
死して而も亡びざる者は寿し。
つまり足るを知る前に、自らを知り、自らに勝たないとその境地には達しない。
知ったつもり、でなく、知ろうとし続けるのは宿命なのかもしれない。
Posted by ブクログ
人間の本性を自覚すると共に今の自分が如何に未熟な存在なのかと言うことを改めて考えさせられる一冊。
人間の頭と心の未熟さを知り、「知識のなさ」と「心の傲り」をも自覚していかなければならないところに自分はいるのだと、もっと自覚していかなければならないと思った。
そして何をするにも人間は努力することから逃げては成長はないということを改めて学べた。
また「きれいごと」を信じていない人が私の周りには多いが私は丹羽先生と同じ考え方で、「きれいごと」を信じていない人こそ、実は現実をきちんと見ていないような気がしていた。
「きれいごと」はしかるべき行動と情熱を伴っていれば、必ず通用する。という言葉がこの本の中で一番胸に響いた言葉だった。
Posted by ブクログ
知的好奇心の最終的に行きつく先、
人間とは何者なのかと言う根源的な問い。
これがこの本の根幹。
健康で体力がある仕事人間のおじいちゃんがプチ自慢と普通のことを書いた本。特段物珍しい考察はないけれど、平易な文章で読みやすくはある。川端康成の小説コスパ悪いと言った若者に対しては全面的同意。文学・芸術はコスパでは計り知れない人間の知の営みだよ。まったく。
Posted by ブクログ
良くある人生で必要なことが書いてあった
結局は大切なことはそこに行き着くのかな、という感想
良くも悪くもあまり印象に残らなかった
筆者の方はとても素敵な考え方を持ってらっしゃるとは思う
Posted by ブクログ
人間とか人生について、筆者の持論を語りまくっている本。
めちゃめちゃ個人的な価値観だし、いやいやそれはどうかなぁ、と思うところはかなりあるけど、読みながら「このテーマについて自分としてはどう思うかな?」と考えられる。そういうところは楽しい。
紙面を通して上司の説法を聞いている感じ。いや、本なんてみんなそんなもんかもしれんけど…。他人の持論語りを聞くのが好きな人は楽しく読めると思う。
テーマ1つ1つの文章量が少なめで、本初心者には読みやすかったです。
Posted by ブクログ
人間であることに誇りを持って人間らしく生きていくことをしたいと思わせてくれる一冊。
人間はロボットにも植物にもない「感情」がある。現在、人間は便利や楽を求めているが、人間というのはそんな簡単に生きていけるものではない。問題があるからこその人生であり、生きる醍醐味を感じることができるのは人間である。
人生観として多くのことが学べた。
Posted by ブクログ
人間には「理性の血」と、動物として有する「動物の血」が流れており、この「動物の血」のコントロールがきかなきくなると、人間の悪い部分や弱さが現れてしまうという著者の考え方には興味が惹かれた。
経営者として、一般人の感覚から理解し難い考えもあったが、著者のような成功者に共通するのは、合理的な努力をひたむきに継続できた人間なんだと実感した。
Posted by ブクログ
肩書きや周りの評価=自分の実力と思い込むのは本来の自分を見失っているという文にグサリときました。自分がどうなりたいかという基準や目標を考え、その到達度を自分で評価することで本来の自分を客観的に見つめることができるのかもしれないと感じました。
「死ぬほど読書」を読んだ後だったので内容が重なる部分も多くありました。
Posted by ブクログ
多くのビジネスマンと接してきた著者の人間観が書かれている。
内容としては、有益な示唆も多く含まれており、日常生活を送る上で心に留めておいて損はないものも少なからずあった。
ただタイトルには"人間の本性"とあるが、内容はそれとはややズレているのでは?と感じた。
本性というよりは、人と接するうえで留意すべきことは何か、また自分はその際どのように振舞うべきか、という内容の方が占めるウェイトは大きかったように思う。