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丹羽前大使を「親中派」と決めつけてはいけない。氏の中国論はきわめて誠実でまっとうである。(社会学者、『おどろきの中国』著者・橋爪大三郎)世界一の貿易額をかさに着て、中国が驕りを見せはじめた。もはや日本なしでもやっていけると言わんばかりに。経済的に勢いづいてはいるが、その内実は数々の難問に直面している。拡大する都市と農村の経済格差、国有企業の杜撰な経営体質、テロや暴動が絶えない少数民族問題、要人たちの汚職と不正蓄財……。そうした中国国内の真実は、報道を通じて知られているようでいて、意外と情報は流れていない。感情論だけが先走り、隣国を正しく見据えられていないのではないか。この状況に危機感をもった前中国大使が、ついに沈黙を破る。商社マンとして30年、大使として2年半。政財界トップの性質や思惑、はては国境近くの庶民や少数民族の生活実態まで、「病める中国」の姿をつぶさに見つめた迫真のレポート。
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Posted by ブクログ
[渦中の人の言]伊藤忠商事の社長として活躍し、2010年6月には民間出身者として初の中国大使に就任した丹羽宇一郎氏。日本国内からの厳しいバッシングが相次ぐ中で、中国との外交はどのように推移したのか、そしてどこへ日中関係を導こうとしたのかが記された作品です。
漁船衝突事件や尖閣諸島のいわゆる「国有化」などで揺れた日中関係の一端が伺える点で非常に有意義な一冊だと思います。また、大使時代の話のみならず、中国一般に対してや、日本という国の行く末そのものに関する知見も紹介されており、いろいろ思考をめぐらしながらの読書体験となりました。
本書では、 その構成、特に最も著者の思いが詰まっていると考えられる冒頭部分に注目していただくと良いのではないかと思います。丹羽氏が中国との外交を考える上で思考の主軸を那辺に置いたかがよくわかるとともに、氏に対する厳しいバッシングの源はその主軸の置き所が一部の国民とそもそもずれていたところに端を発したと考えられるのではないでしょうか。
〜中国を決して侮ってはいけないし、かといって、過剰にひるむ必要もない。ただ、中国を知れば知るほど、この巨大市場を独り占めにさせてはいけないと実感する。〜
薄い本ですが☆5つ
Posted by ブクログ
中国内部の政治や経済、地方の少数民族等の問題に触れた後、中国と日本及び東アジア、ひいては世界との関係に着目した上で、国際社会における中国の在り方について私見を展開している。
強力な官僚制度に基づく国家体制や地方と都市の深刻な経済格差、急速な国力増強の歴史から見た国際社会の力学など、様々な切り口で中国を多角的に見ている。
大使としての経験に基づいた主張は、中国の宗教的思想や文化的慣習等をきちんと踏まえた考察を行っていることも相まって、非常に説得力がある。
日本と中国の関係に焦点を当てることが多い。隣同士の国であることに自覚的になり、平和で良好な関係を構築していくの重要性を強調している。
尖閣諸島に関す問題については、話し合い(対話)を双方の協力の中で重ねる中で、相手国に対するリスペクトと信頼が大切だと述べている。
日中関係における問題は日本と中国にそれぞれ解決策を提示し、その良好な関係の暗示を行っている。
少し古い本ですが、大筋は今と変わらない部分が多いのでとても勉強になる。巻末の宣言や条約等の原文もありがたい。
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