谷村志穂のレビュー一覧
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個人的には読みやすかった。
ただこれは賛否どちらもあるのかもしれない。
白鳥が集まり飛び立つセバット、実際に見てみたい。
児童自立支援施設、存在は知っていたが実態は知らなかった。
社会に出ても前科があると厳しく見られる人が多いことも知ってはいたが、どう見られるのかもなんとなくしか知らなかったが、
自分は少なくともちゃんと立ち直っている人のその芽を摘むようなことをしたくはないなと感じさせられた。
プライベートも犠牲にして働きたいという人は減っている今、どういう形態にするのがいいのか、確かに難しいところだろうなと思う。
自分自身も高校の時は学生寮でほぼ住み込みの寮母さんにお世話になったことも -
Posted by ブクログ
ネタバレ読み終わって、出会えて良かったと思えた作品の一つになった。
物語の内容はとても興味深いテーマだった。
以前東野圭吾さんの作品「人魚の棲む家」を読んだときに感じた「死とはいつをもってそう定義されるか?」という疑問と並び立つ、「生命の誕生とはいつをもって定義されるか?」という疑問が胸に残った。
物語の主軸とは別に、菜々子や謙太に対する、いつも率直なジヒョンの物言いがとても心に響いた。
私はどちらかというと謙太のように、相手を傷つけまいとして言葉を選びすぎて、結局困ったような顔をして相槌を打つことくらいしかできない。
本当に相手のことを大切に考えての言葉なら、時として率直に伝えたほうが、相手の助 -
Posted by ブクログ
臓器移植先進国アメリカに渡り、移植医療を学ぶことを決意した三人の移植医たち。
生活の全てを捧げるような過酷な現場で、三者三様に、救えなかった命、研究のために失われた命、多くの葛藤を乗り越えてゆく。
やがて、日本で移植を待つ患者を救うためにアメリカでの成功を投げ打って帰国した三人の前に立ちはだかる、理不尽な厚い壁…
目の前に臓器移植でしか命を繋げない患者がいて、二度と目覚めることのない人の健康な臓器があったら、何故使わないのか。
健康な人の臓器にわざわざメスを入れる生体移植の方がナンセンス。
アメリカで臓器移植の経験を十分に積んでいても、国内ではその経験が認められない。
…などなど、ハッとさ -
ネタバレ
「かたい」 という言葉
初めて聞きました。
あまり使わない
まさに過ち怠った医師のミスで
人生を取り違えられた菜々子の物語
菜々子は成長し医大生となるが
母親との関係がしっくりこないことに
悩んでいた
韓国からの留学生ジヒョンとの出会いから、
もしや彼女が取り違えられた片方か
と気を揉みつつ読んだ
このストーリーの良いところは
産んだ母親ではなく
取り違えられた娘の立場で
すすんでいくとこだと思う
母親目線だと
とかく感情的になりがちだか
菜々子の自分で解決したい
実の親に会いたいと行動するところが
好印象だった
重たいテーマが軸だが
友人、恋人関係、学生生活が
描かれるので読みやすい
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Posted by ブクログ
ネタバレ〈不妊治療は日進月歩であり、世界中の研究者が鉱脈を掘り続けていた〉
P8より
子どもを望む何組もの夫婦がその産院を訪れた。
ひとりの医師による医療過誤。
あってはならないミスにより翻弄される家族がいた。
育ててくれた両親・弟とは血の繋がりがないとわかった菜々子の葛藤。
本当の家族に会うため韓国へ行く。
血のつながりだけではなく日本と韓国という国を跨いでの違い。
菜々子が医師を目指す学生という過程も
ストーリーが進む上で読みやすくなっている。
菜々子のこれからが気になるけれど
旅館を営む両親との関係はこの先も変わらないのだと思う。
そのことでほっとする自分もいる。