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満たされなくていいんだ。そんな想いの中で、出会ったり別れたりするのが、きっとこれから生きていくということ。日本と韓国のふたつの家族。その時どうしても子を欲しいと願い、切なる思いで飛びついた医療があった。衝撃的な結末に心が震え涙があふれる著者最高傑作!これは誰にも起きる物語。
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Posted by ブクログ
体外受精による受精卵の取り違えがあったと、自らDNA鑑定して気付いてしまった菜々子。自分の存在自体が根本から崩れ落ちる感覚。読んでいて、苦しくなった。最後まで息がつけなくてドキドキしながら読み終えた。 尊くんが言った言葉、病気がわかったとき知ったのは自分の強さだって、逆説的ですごく力強い。 想像を絶...続きを読むする困難を乗り越えて、人は強く魅力的になる。運命を受け入れる覚悟のようなものか。満たされなくていいんだよ。ありのまま受け止めたい。 私の過怠をお許し願いたい、という言葉を初めて知った。謝って済む問題ではないけれど、許す許さない含めて、人類が乗り越えていかなければならない課題なのかもしれない。
医大生の奈々子は自分の血液型を知り両親から産まれていないことに気づく。DNA判定をした結果、両親の子でないうえに日本人でもなかった。調べてみると不妊治療時の取違い。本当の両親に会うために韓国に行く。ゾクゾクしながら真実を確かめた。
思っていた以上に分厚くかったので読みのにためらいましたが、読み始めたら一気に読んでました。 人工授精、取り違い等の話があり、テーマはヘビーでしたが、主人公は周りの人に恵まれていて良かったです。
不妊治療が今当たり前の時代。今現在受精卵を戻す先を間違えるなぞありえないことかと思いますが、ドキドキしながら一気読み。読み応えあり。
厚いけれど読みやすい文章で夢中になって読みました。読み終わったときはかなり疲労感も感じましたが。 血液型から親子関係を疑う話は少なくないけれど、医学生らしくDNA鑑定まで行う。 その法医学の准教の話も現実味を感じました。 ALSにかかっていた、韓国からの留学生のイジョンが想い続けたタケル。 「...続きを読む自分の病気がわかったとき、線路から外れたみたいな気持ちになった」 「でも、その先にも別の線路がちゃんと延びてた」 「自分の病気がわかったとき、何を知ったかわかる?」 「多くの人が、その答えは絶望だと、想像するかもしれない。 でも違ったよ。 僕が知ったのは、自分の強さだった。むろん、散々挫け続けたあとにだけど」 こちらのストーリーも、深く考えさせられました。
疲れた。やりきれない思い。ときほぐしようがない、こんがらがりよう。取り違え!あまりに単純なミスからあまりに重大で許されない結果責任。でも、どこに、誰に?「知らない方がいい真実」?「生まれてきた人間の身にもなってよ」いろいろ考えさせられた。
生まれた子の取替えではなくその前の受精卵の入れ間違い、こんなこともあるのだと医療ミスが恐くなる。主人公の自分のルーツを探す気持ちや韓国の留学生の幼い頃の友達を探す気持ちなど、真っ直ぐで真摯で思わず応援した。小説の終わり方も納得いくもので良かったです。 ただ元院長が気づいていながら隠蔽したことが腹が立...続きを読むちました。
読み応えありました。 少しずつ分かっていく真実と、それを受け止めながら成長していく菜々子。 それを支えるジヒョンの素直な優しさと、謙太の健気な優しさがすごく良い。 血の繋がりって やはり強いけれど、 それだけではない家族の信頼関係もある。 家族の形について考えさせられる1冊。
人工授精卵の取り違えという医療過誤に直面していく主人公菜々子の葛藤や成長が伝わる重く苦しいテーマの一作。そこに集う菜々子を取り囲む仲間たちがとても素敵に描かれていて、輝きも満ちている。ただし、どこかスッキリしない後味感も・・・。
あれれ、谷村さん初読みかもしれない(・・;)。 プロローグで描かれる1996年夏の情景から、本書の行方がわかったつもりで読んでいた。まあ、大筋では想像通りだったのだが、そこまで安易な作品ではないのでご安心を。 というか、こんなバレバレなプロットだけで引っ張るはずもなく(もちろん菜々子が真相を探る過程...続きを読むはドキドキなんだが)、むしろ真相がわかってからの主人公たちの行動が主眼なんだと思う。それまでの友情物語や家族関係も読みどころだ。 1点だけ、非常に大きな疑問があるのだが、医療監修者もおられることだし、たぶんぼくの無知ゆえなのだろう。
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