あらすじ
北海道・大沼湖畔に佇む2つの児童自立支援施設。そこではさまざまな事情で親元を離れた少年少女たちが、自立のために職員たちと一つ屋根の下で暮らしていた。 施設を束ねる藤城遼平の娘・ゆきは札幌の病院で働く新人の理学療法士。偶然、父の教え子である同世代の摩耶が歌うYou Tubeを見たことから、摩耶そして同じく教え子である兄・拓弥の兄妹と出会い物語は動き始めていく……。
「非行児はずっと非行児」と、登場人物の一人は投げかける。人は変われるのか、傷を負った子供の心を大人は癒すことができるのか――。実在の児童自立支援施設を取材し、児童福祉を巡る現実とともに、愛を求めて傷つき、もがき、それでも生きていく若者たちの繊細な心情を描き上げた著者渾身の一作。
待望の文庫化。
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Posted by ブクログ
個人的には読みやすかった。
ただこれは賛否どちらもあるのかもしれない。
白鳥が集まり飛び立つセバット、実際に見てみたい。
児童自立支援施設、存在は知っていたが実態は知らなかった。
社会に出ても前科があると厳しく見られる人が多いことも知ってはいたが、どう見られるのかもなんとなくしか知らなかったが、
自分は少なくともちゃんと立ち直っている人のその芽を摘むようなことをしたくはないなと感じさせられた。
プライベートも犠牲にして働きたいという人は減っている今、どういう形態にするのがいいのか、確かに難しいところだろうなと思う。
自分自身も高校の時は学生寮でほぼ住み込みの寮母さんにお世話になったこともあるため、利用者として助かるのはとてもわかるが、ずっとそのスタイルだと引き継ぐ人がいるのか…交代制でどれほど密度の高い経験ができるのか…いい塩梅ってどこだろうと考えてしまった。