谷村志穂のレビュー一覧

  • 移植医たち(新潮文庫)
    ずっと読みたいと思っていて、いつも利用する書店とは別の書店で発見して購入。通勤・退勤時間に夢中になって読んだ。
    医師では無い人がここまで、医師の心情はもとより手術の手技の仔細、日本やアメリカの医療体制事情、移植の歴史や日本の法律・世論・悪しき慣習に至るまで緻密に描き切ることができるということに驚いた...続きを読む
  • 移植医たち(新潮文庫)
    読み終わって何年経っても忘れられない1冊。
    日本で移植され始めたのは最近。
    移植が始まるまでどれだけ大変だったかすごくよく分かる。
  • 過怠
    プロローグで、どうなるのか⁇という不穏な思いを心の隅に残して読む。
    ラストには、淡々とした普通の親子の会話…なのに涙した。
    これが家族なんだと。


    これは、日本と韓国のふたつの家族が、子を欲しいと願い飛びついた医療の結末である。


    医大生の菜々子は、自分の血液型が両親からは生まれてくるはずのない...続きを読む
  • 過怠
    2022/10/20リクエスト 3

    久しぶりにこれ程没頭できる本を読んだ。
    ぶっ続けで5時間ほど。

    なんとレビューを書くべきなのか、わからない。
    血縁とは、親子とは、家族とは…

    かつて子どもの取り違えは現実にあったと本で読んだことがある。授精卵の胚移植なら、お腹の中ですでに成長していて、この段...続きを読む
  • 海猫(上)
    北海道ならではの文学があると思う。そしてそれは女性作家によって紡がれる系譜のような気がする。たとえば、三浦綾子、桜木紫乃といった作家たち。そして谷村志穂もその系譜に連なる人物ではないだろうか。北国を舞台にしたどこか現実と隔絶したように(関東生まれ関東育ちには)感じられる物語。上下巻からなる『海猫』も...続きを読む
  • 海猫(下)
    北海道ならではの文学があると思う。そしてそれは女性作家によって紡がれる系譜のような気がする。たとえば、三浦綾子、桜木紫乃といった作家たち。そして谷村志穂もその系譜に連なる人物ではないだろうか。北国を舞台にしたどこか現実と隔絶したように(関東生まれ関東育ちには)感じられる物語。上下巻からなる『海猫』も...続きを読む
  • 大沼ワルツ
    実話を基にしたお話。北海道の三兄弟が山梨の三姉妹が順に嫁いでいき、そこで紡がれるストーリーが描かれている。読んでいてずっと暖かい気持ちにる。
    大沼はちなみに函館の近くにある避暑地。
  • 3センチヒールの靴
    恋愛をすると必ず辛くなる私。ご都合主義のハッピーエンドじゃ孤独が深まるばかりの夜に。失恋のあと、少し回復してきた出勤途中の電車のなかで。ぽっかり予定の空いてしまった休日の昼下り。
    折にふれ、本棚から取り出してしまう。お気に入りの1冊。かれこれ一人暮らしを始めて3軒目だけれどずっと手元に置いている。
  • ナナイロノコイ
    久しく恋愛小説から離れていたので肩慣らしのように選んで読んだ一冊。好きだった作家の作品ばかりなので、読後感はいい。恋愛小説を読むと自分の日常すら物語のように言語化されていく感覚を思い出した。でも長いこと離れていたので恋愛小説特有の「におい」に鈍感になっていた。寂しいにおい、切ないにおい…。読みすすめ...続きを読む
  • 大沼ワルツ
    2020年に読んだ本でNo.1・2がこの本とジョゼ・サラマーゴの「白の闇」。北海道の三兄弟に山梨の三姉妹が次々と嫁いでくる。北海道の自然とそれぞれの家族のストーリーが素敵に紡がれている。この後どうなる?…と先が気になってあっという間に読んでしまった。私は独身だが、家族を作っておけばよかったかなと少し...続きを読む
  • りん語録
    前作「ききりんご紀行」が面白かったので購入(前作のあとがきで一年後にこのりん語録が出版予定とあったので待望の一冊)。期待以上だった。

    私はNHKの「グレーテルのかまど」という番組が大好きで、その番組にも登場したタルトタタンのお店へも今作では取材している。番組の内容ともリンクしてコラボのようでワクワ...続きを読む
  • 余命
    何度読んでも、いい本だと思う。
    どうして滴はそんな選択をするのか?とは思うけど、
    彼女は彼女なりの幸せな人生を送った、と思える。
    谷村志穂、どの話も、結構重めだけど、好きです。
  • 海猫(上)
    何度読んでも、素晴らしい。
    薫のような人生が理想。
    反対にタミも、これまた素晴らしい人生。
    長い小説だけど、読みごたえあって、壮大な風景が浮かぶ。おすすめです。
  • 余命
    CATVにて映画を見た。最初からみたつもりが、どうやら、がん治療を行わずに出産に向き合うことを一人で決めたというシーンあたりから見た模様。どうしても全てが知りたくて、BOOKOFFに走りGET。一気に読み切りました。映画で印象に残っていたシーン、せりふ。案外原作そのままだったんだ・・と思いました。余...続きを読む
  • チャイとミーミー
    22歳で逝った愛猫チャイとの出会いから別れまで。
    実家にいる17歳の猫に重ねながら最後のほうは読んだ。
    いつまでもそこにいて欲しい。
    我儘なことは知ってるけど。

    最後の章は、今回単行本出版に当たって追加されたものだそうだけど、この別れの章は必要です。
    苦しいけど。
    今この本に出会えて良かった。
  • 海猫(下)
    大沼ワルツがよかったので これも買ってみたんだけど 面白かったー。映画になってたなんて知らなかったなぁ。
    このストーリーじゃ やっぱり広次の方が惹かれるよなぁ。男気があって気持ちが優しくて
    頼もしくて。
    でも薫も邦一も だれのことも心から愛してないように思えて仕方ない。それぞれが強い愛を貫いて この...続きを読む
  • 海猫(下)
    函館から漁師町の南茅部に二十歳で嫁いだ薫を中心とした、女三代の大河小説的物語。
    ロシアの血を引き、美しすぎるゆえ孤立してきた薫。邦一という漁師の男と出逢い結婚して子どもももうけるが、数年後、薫の運命の歯車が狂い出す。
    上巻は薫、下巻は薫の二人の娘が中心となった小説。

    解説で小池真理子さんが「色香に...続きを読む
  • 3センチヒールの靴
    谷村志穂さん。読みやすい短編集。少し短いようにも感じたので次は長編小説を読もうと思う。
    パリの話が良かった。青い風船と白い犬の話です。
  • 海猫(上)
    ロシア人とハーフの女性が南茅部の街に嫁いでという普通の滑り出しで始まった物語。函館の風景や昆布漁の描写で心和んでいたのも束の間、とんでもない展開が繰り広げられていく。
    添い遂げることの難しさであったり、心模様に蓋をして生きていくことの辛さであったり、葛藤を抱えている人が多すぎ。複雑に絡み合った糸がど...続きを読む
  • 尋ね人
    恋人も仕事も失って故郷に戻ってきた李恵と
    末期ガンとなり、それでも普通に生活をしようとする母・美月の
    やりとりや、お互いを思い合う気持ちに胸がくるしくなる
    洞爺丸遭難事故が生々しく蘇り、関わり
    母の恋と自分の恋、感情のやりとりがやるせない感じ
    函館の街の美しさと閉塞感が手に取るよう
    夢中になってペー...続きを読む