谷村志穂のレビュー一覧

  • 過怠

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    厚いけれど読みやすい文章で夢中になって読みました。読み終わったときはかなり疲労感も感じましたが。

    血液型から親子関係を疑う話は少なくないけれど、医学生らしくDNA鑑定まで行う。
    その法医学の准教の話も現実味を感じました。

    ALSにかかっていた、韓国からの留学生のイジョンが想い続けたタケル。

    「自分の病気がわかったとき、線路から外れたみたいな気持ちになった」
    「でも、その先にも別の線路がちゃんと延びてた」

    「自分の病気がわかったとき、何を知ったかわかる?」
    「多くの人が、その答えは絶望だと、想像するかもしれない。
    でも違ったよ。
    僕が知ったのは、自分の強さだった。むろん、散々挫け続けたあ

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    2023年02月21日
  • ボルケイノ・ホテル

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    恋に悩み、愛に戸惑う女性の姿がある時は切なく又ある時は哀しく静穏なタッチで描かれています。

    10代~20代に掛けての若い時代の熱情の恋も良いけれど、この短編集はある程度年齢と経験を重ねた大人の女性ならではの愛が描かれていて心に染み渡ります。

    「哀しいよ」ではドキドキしたり「あの海の前で」では心の通じ合えない旦那さんにもどかしくなったり「ボルケイノ・ホテル」では希望を持てるラストにほっとしてみたりそれぞれのストーリーに感情移入しながら読みました。

    大人の女性にオススメ出来るしっとりとした作品です。

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    2023年02月17日
  • 過怠

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    疲れた。やりきれない思い。ときほぐしようがない、こんがらがりよう。取り違え!あまりに単純なミスからあまりに重大で許されない結果責任。でも、どこに、誰に?「知らない方がいい真実」?「生まれてきた人間の身にもなってよ」いろいろ考えさせられた。

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    2023年02月09日
  • 尋ね人

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    人生でも仕事でもパートナーであった男との関係が破綻し、母親が病に倒れたこともあり、東京から実家のある函館に戻ってきた李恵。そこで、母親から昔好きだった人を探して欲しいと頼まれる。娘にとって、母が女である部分を見せられるのは複雑だろうが、次第に理解できるようになっていく。余命いくばくかになった時、そんな思い出がある事は幸せなんだろうか。それとも、それまでずっと抱えてきたであろう思いは、とてつもなく重く苦しいものだったんだろうか。

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    2023年02月05日
  • 過怠

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    生まれた子の取替えではなくその前の受精卵の入れ間違い、こんなこともあるのだと医療ミスが恐くなる。主人公の自分のルーツを探す気持ちや韓国の留学生の幼い頃の友達を探す気持ちなど、真っ直ぐで真摯で思わず応援した。小説の終わり方も納得いくもので良かったです。
    ただ元院長が気づいていながら隠蔽したことが腹が立ちました。

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    2023年01月19日
  • 過怠

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    読み応えありました。

    少しずつ分かっていく真実と、それを受け止めながら成長していく菜々子。
    それを支えるジヒョンの素直な優しさと、謙太の健気な優しさがすごく良い。

    血の繋がりって やはり強いけれど、
    それだけではない家族の信頼関係もある。

    家族の形について考えさせられる1冊。

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    2022年12月01日
  • 移植医たち(新潮文庫)

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    移植黎明期から本邦での移植医療へのつながりが非常に興味深かった。また、脳死ドナーが少なく生体ドナーに頼っている本邦の移植医療に対して、Dr.セイゲルの「亡くなったものの臓器が使えるのに、なぜ生きたものの肉体にわざわざ苦痛とリスクを与えるのか。」というセリフには考えさせられた。

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    2022年04月17日
  • 尋ね人

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    ネタバレ

    何度目かの再読。
    五十年前に姿を消した恋人を探してほしいー
    知らなかった母の一面にとまどいや葛藤を覚えながらも、その思いに応えようとする李恵。

    海からの潮風、かもめの鳴き声、甘いイカのお刺身。
    すっかり小さくなってしまった母と、昔と変わらないお裾分けの黄色いカステラ。
    函館での李恵の生活が目に浮かんで、函館に行きたくなりました。

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    2021年09月12日
  • 移植医たち(新潮文庫)

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    一気に読まされました。彼らがあれほどの過酷な生き方を選んでいるのは使命感なのだろうか?カネや名誉などの欲では決して出来ないことだと思う。圧倒されました。

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    2021年07月19日
  • りん語録

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    りんごに賭ける人々の真摯な想いが伝わってくる。この本に紹介されているりんごを食べ比べしたくなる。無性にりんごが食べたくなる、おいしい本。

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    2021年04月20日
  • ききりんご紀行

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    今までりんごに対して特別な思い入れなど無かった。去年知り合いの勧めで長野の「秋映」を食してから、りんごの魅力に取りつかれてしまった。

    興味を持つと、不思議なくらいアンテナの感度が上がり、巡り合わせも良くなるもの。東京FMで著者が出ていたのをきっかけに、この本と「りん語録」に触れることに。

    あまりにもりんご、りんご、りんごなので、途中食傷気味になってしまうが、著者のりんご愛によって押し切られてしまう。

    にわかりんごファンにも優しい本。



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    2021年02月24日
  • りん語録

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    美味しい林檎をたくさん食べたような幸せを感じました。林檎を巡る話や文学作品の引用もあり楽しかったです。林檎愛深まります。

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    2020年12月01日
  • 移植医たち(新潮文庫)

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    ボリューム、といってもページ数ではなく、内容の濃さと重さから読むのにとても時間がかかってしまった。
    移植医療の内容と現状がよくわかる。
    あと、その医師たちの内面の葛藤や関係など、壮大な人間ドラマで、読み終わったあと、マラソンを走った後の疲労感に近いものがあった。

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    2020年10月20日
  • 移植医たち(新潮文庫)

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    米国ピッツバーグ大で、臓器移植を学び、初期の日本の臓器移植之先駆けとなった医師たちの苦闘を描く。フィクションだそうだが、かなりの部分が本当にあった事ではないかと、思ってしまう。物凄く面白かった。

    いつ脳死が発生するか分からず、常に待機していなければならないとか、10時間にも及ぶ手術に耐えられる気力体力が必要だったりする激務。医者なんて高い給料もらいやがってと思っていたけれど、登場する医者たちはそれだけの仕事をしていた。

    他にも免疫抑制剤の開発や移植コーディネーターの活躍など読みどころ多し。

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    2020年11月24日
  • ききりんご紀行

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    様々な品種のりんごが登場してきて、読んでいるとりんごが食べたくなってくる…!

    栽培方法、今日の品種に至るまでの歴史、りんごジュースなど様々なエピソードが出て来て読みごたえがある。作者は私達同様りんごについて詳しくないからこそ農家の方々に質問する箇所では同じ目線で読むことができた。

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    2020年08月15日
  • 大沼ワルツ

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    ネタバレ

    実話を基にしたという、北海道・大沼の三兄弟のもとへ山梨から嫁いだ三姉妹のお話。
    大沼の湖畔と駒ヶ岳の豊かな自然や、函館の教会、姉妹のサーモンピンクやレモン色の洋服など、色が印象的だったが、何気なく調べたところ、イクサンダーが今も大沼にあると知り、以久子たちがさらに私の中で生き生きと動き出すようだった。
    何度か駅名が変更されてきたことを知らせる、大沼駅に貼られた駅小史の、なんてことのない文言を読むのが好きだという以久子の夫·秀雄。自分たち家族も何度も行き来した場所。
    秀雄の気持ちがわかるような気がした。変わっていくこともあれば、変わらないものもある。大沼に行きたくなりました。

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    2020年08月12日
  • 移植医たち(新潮文庫)

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    近年、病院に通う事が多かった身としては深い感慨を覚える。
    命、と言うには大き過ぎるかも知れないが目に見える見えないは別として人は確かに受け継がれてれいくものなのだと感じる。
    移植と言う目に見えるわかりやすい形で生命のリレーと日々闘っている人達のそれぞれの物語がピッツバーグや北海道の大自然の中で繰り広げられる。
    帰国の日、たまたま出会した恩師から貰った「何処にいても、ベストを尽くしなさい」と言う言葉は普遍だろう。人は与えられた場所でベストを尽くす事しか出来ないしそれに集中すべきだと。

    佐竹山先生は鈴木亮平さん、古賀先生は真剣佑さんで。凌子先生は竹内結子さんか蒼井優さんあたりで。映画化希望します

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    2020年07月04日
  • 移植医たち(新潮文庫)

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    長編。前半はピッツバーグでの修行時代をノンフィクション的に綴っていて、あまりワクワク感はなかった。後半。日本に戻って人間ドラマが展開され、俄然前のめりになった。移植に対する日本の古い考え方、責任逃れ、マスコミの陰湿さ。その環境で、可能性をひたする追求する強さをひしひしと感じた。2020.6.27

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    2020年06月27日
  • 移植医たち(新潮文庫)

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    脳死の概念が浸透せず、臓器移植が広がらなかった日本。そこに移植医療を持ち込む医師たちの実話をもとにしたフィクション。どんな逆境に立たされても困難に立ち向かい続ける彼らの姿勢に胸を打たれる。彼らのような人たちがいるから今日の日本の医療がある。

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    2020年05月26日
  • 移植医たち(新潮文庫)

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    日本の臓器移植医療の黎明期を駆け抜けた医師たちの物語。医学とは、このようにして進歩して行くんでしょうね。5人の医師の個性が光ります。その中でも個人的にはサワダ先生が一番カッコいいかな。

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    2020年03月13日