谷村志穂のレビュー一覧

  • ききりんご紀行
    今までりんごに対して特別な思い入れなど無かった。去年知り合いの勧めで長野の「秋映」を食してから、りんごの魅力に取りつかれてしまった。

    興味を持つと、不思議なくらいアンテナの感度が上がり、巡り合わせも良くなるもの。東京FMで著者が出ていたのをきっかけに、この本と「りん語録」に触れることに。

    あまり...続きを読む
  • りん語録
    美味しい林檎をたくさん食べたような幸せを感じました。林檎を巡る話や文学作品の引用もあり楽しかったです。林檎愛深まります。
  • 移植医たち(新潮文庫)
    ボリューム、といってもページ数ではなく、内容の濃さと重さから読むのにとても時間がかかってしまった。
    移植医療の内容と現状がよくわかる。
    あと、その医師たちの内面の葛藤や関係など、壮大な人間ドラマで、読み終わったあと、マラソンを走った後の疲労感に近いものがあった。
  • 移植医たち(新潮文庫)
    米国ピッツバーグ大で、臓器移植を学び、初期の日本の臓器移植之先駆けとなった医師たちの苦闘を描く。フィクションだそうだが、かなりの部分が本当にあった事ではないかと、思ってしまう。物凄く面白かった。

    いつ脳死が発生するか分からず、常に待機していなければならないとか、10時間にも及ぶ手術に耐えられる気力...続きを読む
  • ききりんご紀行
    様々な品種のりんごが登場してきて、読んでいるとりんごが食べたくなってくる…!

    栽培方法、今日の品種に至るまでの歴史、りんごジュースなど様々なエピソードが出て来て読みごたえがある。作者は私達同様りんごについて詳しくないからこそ農家の方々に質問する箇所では同じ目線で読むことができた。
  • 大沼ワルツ
    実話を基にしたという、北海道・大沼の三兄弟のもとへ山梨から嫁いだ三姉妹のお話。
    大沼の湖畔と駒ヶ岳の豊かな自然や、函館の教会、姉妹のサーモンピンクやレモン色の洋服など、色が印象的だったが、何気なく調べたところ、イクサンダーが今も大沼にあると知り、以久子たちがさらに私の中で生き生きと動き出すようだった...続きを読む
  • 移植医たち(新潮文庫)
    近年、病院に通う事が多かった身としては深い感慨を覚える。
    命、と言うには大き過ぎるかも知れないが目に見える見えないは別として人は確かに受け継がれてれいくものなのだと感じる。
    移植と言う目に見えるわかりやすい形で生命のリレーと日々闘っている人達のそれぞれの物語がピッツバーグや北海道の大自然の中で繰り広...続きを読む
  • 移植医たち(新潮文庫)
    長編。前半はピッツバーグでの修行時代をノンフィクション的に綴っていて、あまりワクワク感はなかった。後半。日本に戻って人間ドラマが展開され、俄然前のめりになった。移植に対する日本の古い考え方、責任逃れ、マスコミの陰湿さ。その環境で、可能性をひたする追求する強さをひしひしと感じた。2020.6.27
  • 移植医たち(新潮文庫)
    脳死の概念が浸透せず、臓器移植が広がらなかった日本。そこに移植医療を持ち込む医師たちの実話をもとにしたフィクション。どんな逆境に立たされても困難に立ち向かい続ける彼らの姿勢に胸を打たれる。彼らのような人たちがいるから今日の日本の医療がある。
  • 移植医たち(新潮文庫)
    日本の臓器移植医療の黎明期を駆け抜けた医師たちの物語。医学とは、このようにして進歩して行くんでしょうね。5人の医師の個性が光ります。その中でも個人的にはサワダ先生が一番カッコいいかな。
  • 余命
    女医が乳癌の再発の中、出産を決意し、残された時間を強く生きぬく物語。全体を通して夫婦愛も強く太く描かれている。
    「余命を知るのは、新しい時計をもつようなものだ」といった言葉にハッとする。
    主人公のふるさと奄美大島の大きな海が物語全体を優しくしている。
  • 尋ね人
    末期ガンの母から昔好きだった男性のことを探して欲しいと頼まれたら、張り切って力になろうとするだろうな。最期に願いを叶えてあげたい。残念な結果だったけれど、何もわからないよりはいいのかもしれない。
    いつまでも忘れられない人というものがいるというのは素敵ね。
  • 黒髪
    海の母親かもしれない人の人生
    娘はそれを追いかけ何を思う
    戦争もからみ生きにくそうだったろうなと
    思いながらも本人たちは一生懸命生きてた
    500ページ超の作品
    現在と過去(主に過去)でストーリーが展開される
    黒木瞳が解説ですごいはまってるようだったけど
    それもわかる気がしました
  • 3センチヒールの靴
    言葉選びが綺麗。「風にたなびく青い風船」と「微熱」と「欅通りのカフェ・テラス」と「do you still love me?」が特に好き
  • 余命
    気がついたらヒロイン滴になった気持ちで読みすすんでいた。
    涙ぐむシーンが何ヶ所かあった。タイトルから予感ができるラストであるが周りの人からの助けや暖かい気持ちが伝わってきた。
    あまり悲しいエンディングのストーリーは好まないけど読後は清々しい気持ちだった。
    日常の有難さが思い知らされる。
    映像化されて...続きを読む
  • 海猫(下)
    評価は4.

    内容(BOOKデーターベース)
    広次と薫の恋は、壮絶な結末を迎えた。それから十八年後、薫の愛したふたりの娘は、美しい姉妹へと成長していた。美輝は北海道大学に入学し、正義感の強い修介と出会う。函館で祖母と暮す美哉は、愛してはいけない男への片想いに苦しむ。母は許されぬ恋にすべてを懸けた。翳...続きを読む
  • 海猫(上)
    評価は4.

    内容(BOOKデーターベース)
    女は、冬の峠を越えて嫁いできた。華やかな函館から、昆布漁を営む南茅部へ。白雪のような美しさゆえ、周囲から孤立して生きてきた、薫。夫の邦一に身も心も包まれ、彼女は漁村に馴染んでゆく。だが、移ろう時の中で、荒ぶる夫とは対照的な義弟広次の、まっすぐな気持に惹か...続きを読む
  • 自殺倶楽部
    「みずみずしい文章」というのがぴったりの青春?小説。タイトルからしてミステリーかと思ったのだけど全然違った。
    事故で片足を悪くした女の子が、同じ学校の先輩が主催する自殺倶楽部に招かれ、これから自殺するメンバーの「記録係」になってほしいと頼まれる。

    10代のころの死への甘美なあこがれ、「ヨドム」と「...続きを読む
  • 尋ね人
    ストーリーは東京で仕事と恋人を失って故郷に帰ってきた娘(李恵)が余命幾ばくもない母の願いを叶えてあげるという話。

    母の願いというのが、昔の恋人だったひとを探してほしいというもの…。
    はじめは嫌悪感を感じていた李恵も、古賀との出逢いや母の気持ちをしり、昔の恋人を探しはじめる。

    面白かった。
    函館に...続きを読む
  • 尋ね人
    長年の恋を終わらせ故郷に帰った娘と、末期がんで人生の終わりが近づいてきている母の交流が胸に沁みます。
    母親の結婚前の恋人を探すことを約束したのはいいものの、その母親の女だった部分に触れ、戸惑いや苛立ちを覚えたり、母の歩んだ人生を推し量ってみたり。
    等身大の主人公が良かった。
    「海猫」でも思ったけど、...続きを読む