谷村志穂のレビュー一覧

  • 海猫(下)

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    下巻より断然面白くなった。読書の途中下車しなくて良かった!親の世代のとてつもない呪縛をもがき苦しみながらも解いて行く美人姉妹の心の強さに感動する。

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    2025年10月24日
  • 移植医たち(新潮文庫)

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    最後まで、興味を持って読み進んだ物語だった。
    アメリカでの奮闘、日本へ帰ってきてからの質の違う難しさ、どちらもよかった。サワダ先生が魅力的で、その存在が物語の厚みを増してるなと思う。

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    2024年12月20日
  • 移植医たち(新潮文庫)

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    何から伝えたら良いかわからないから、作者にありがとうを言おうと思う。
    医療の本を読むのは、その時の自分の気持ちに左右されるから、とっておいて何かあったら繰り返し読むようにしている。
    前の私は、受け入れられなかったのかな。今も、もちろん逃げたくなることあるけど。
    自己犠牲の究極の先に、いかに効率よく必要なエネルギーを取るかってことになってきて、缶詰に辿り着くのわかる。缶詰収集が趣味なんて話聞いたことないし、自宅でお茶を立てるのも面白い。すごい緊張感のある職場では、いちごキャンディのような一粒の癒しが必要なんだよね。
    佐竹山のようなエネルギッシュさ、王道をいく感じ、古賀のようにとにかく効率よくイケ

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    2024年04月29日
  • 移植医たち(新潮文庫)

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    ずっと読みたいと思っていて、いつも利用する書店とは別の書店で発見して購入。通勤・退勤時間に夢中になって読んだ。
    医師では無い人がここまで、医師の心情はもとより手術の手技の仔細、日本やアメリカの医療体制事情、移植の歴史や日本の法律・世論・悪しき慣習に至るまで緻密に描き切ることができるということに驚いた。
    そしてやはり著者の作品の説得力に心を打たれた。「余命」を初めて読んだときと同じような感情が湧いてきた。

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    2023年09月10日
  • 過怠

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    体外受精による受精卵の取り違えがあったと、自らDNA鑑定して気付いてしまった菜々子。自分の存在自体が根本から崩れ落ちる感覚。読んでいて、苦しくなった。最後まで息がつけなくてドキドキしながら読み終えた。
    尊くんが言った言葉、病気がわかったとき知ったのは自分の強さだって、逆説的ですごく力強い。
    想像を絶する困難を乗り越えて、人は強く魅力的になる。運命を受け入れる覚悟のようなものか。満たされなくていいんだよ。ありのまま受け止めたい。
    私の過怠をお許し願いたい、という言葉を初めて知った。謝って済む問題ではないけれど、許す許さない含めて、人類が乗り越えていかなければならない課題なのかもしれない。

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    2022年12月23日
  • 移植医たち(新潮文庫)

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    読み終わって何年経っても忘れられない1冊。
    日本で移植され始めたのは最近。
    移植が始まるまでどれだけ大変だったかすごくよく分かる。

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    2022年11月13日
  • 過怠

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    ネタバレ

    プロローグで、どうなるのか⁇という不穏な思いを心の隅に残して読む。
    ラストには、淡々とした普通の親子の会話…なのに涙した。
    これが家族なんだと。


    これは、日本と韓国のふたつの家族が、子を欲しいと願い飛びついた医療の結末である。


    医大生の菜々子は、自分の血液型が両親からは生まれてくるはずのないことに気づく。
    母は、当たり前のように家族全員O型であることを信じていた。
    法医学教授に頼み家族全員のDNA型親子判定をする。
    その結果、二人ともが親ではなく、日本人としても稀な結果が出ていた。
    母子手帳を持って当時の医院へ行く。そこは、昔はまだ未承認だった凍結卵子による顕微授精もしていたとブログや

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    2022年11月08日
  • 過怠

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    ネタバレ

    2022/10/20リクエスト 3

    久しぶりにこれ程没頭できる本を読んだ。
    ぶっ続けで5時間ほど。

    なんとレビューを書くべきなのか、わからない。
    血縁とは、親子とは、家族とは…

    かつて子どもの取り違えは現実にあったと本で読んだことがある。授精卵の胚移植なら、お腹の中ですでに成長していて、この段階で、すでに我が子だと母親は感じるだろう。
    生みの親より育ての親、というように、遺伝子だけの繋がりよりも育てるということのほうが、親子であり家族だと感じるのではと思う。
    でも、国籍まで変わっていたら?
    それでも、今更愛情を注ぐことを止めることは、できないだろう。

    医大生の菜々子は、自分の血液型が両

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    2022年12月05日
  • 海猫(下)

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    北海道ならではの文学があると思う。そしてそれは女性作家によって紡がれる系譜のような気がする。たとえば、三浦綾子、桜木紫乃といった作家たち。そして谷村志穂もその系譜に連なる人物ではないだろうか。北国を舞台にしたどこか現実と隔絶したように(関東生まれ関東育ちには)感じられる物語。上下巻からなる『海猫』もそうした魅力を十分に含んだ長編小説。
    物語は漁師町に嫁入りする薫から始まる。ロシア人を父にもつ美貌の薫はそれを疎ましく思いながら生きてきた控えめな人。でも心の芯に熱いものをもっていて義弟と心から愛し合う仲になり、物語の中盤で二人は心中するかのように同時に命を投げる。後半は薫が残した二人の娘、美輝と美

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    2022年04月29日
  • 海猫(上)

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    北海道ならではの文学があると思う。そしてそれは女性作家によって紡がれる系譜のような気がする。たとえば、三浦綾子、桜木紫乃といった作家たち。そして谷村志穂もその系譜に連なる人物ではないだろうか。北国を舞台にしたどこか現実と隔絶したように(関東生まれ関東育ちには)感じられる物語。上下巻からなる『海猫』もそうした魅力を十分に含んだ長編小説。
    物語は漁師町に嫁入りする薫から始まる。ロシア人を父にもつ美貌の薫はそれを疎ましく思いながら生きてきた控えめな人。でも心の芯に熱いものをもっていて義弟と心から愛し合う仲になり、物語の中盤で二人は心中するかのように同時に命を投げる。後半は薫が残した二人の娘、美輝と美

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    2022年04月29日
  • 大沼ワルツ

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    実話を基にしたお話。北海道の三兄弟が山梨の三姉妹が順に嫁いでいき、そこで紡がれるストーリーが描かれている。読んでいてずっと暖かい気持ちにる。
    大沼はちなみに函館の近くにある避暑地。

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    2022年02月02日
  • 3センチヒールの靴

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    恋愛をすると必ず辛くなる私。ご都合主義のハッピーエンドじゃ孤独が深まるばかりの夜に。失恋のあと、少し回復してきた出勤途中の電車のなかで。ぽっかり予定の空いてしまった休日の昼下り。
    折にふれ、本棚から取り出してしまう。お気に入りの1冊。かれこれ一人暮らしを始めて3軒目だけれどずっと手元に置いている。

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    2021年04月21日
  • ナナイロノコイ

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    久しく恋愛小説から離れていたので肩慣らしのように選んで読んだ一冊。好きだった作家の作品ばかりなので、読後感はいい。恋愛小説を読むと自分の日常すら物語のように言語化されていく感覚を思い出した。でも長いこと離れていたので恋愛小説特有の「におい」に鈍感になっていた。寂しいにおい、切ないにおい…。読みすすめる中で少しは鼻がきく状態に戻っているといいが。
    ミーヨンさんの作品は私には少し理解に時間がかかったので、また読み返すと思う。全体的に「次読んだとき、前とは違う感想を抱くだろうな」と思わせられる作品ばかりだった。
    ただ最近「百合」の作品も読むようになったせいか、作中の女友達との関係が百合的な関係に思わ

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    2021年03月22日
  • 大沼ワルツ

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    2020年に読んだ本でNo.1・2がこの本とジョゼ・サラマーゴの「白の闇」。北海道の三兄弟に山梨の三姉妹が次々と嫁いでくる。北海道の自然とそれぞれの家族のストーリーが素敵に紡がれている。この後どうなる?…と先が気になってあっという間に読んでしまった。私は独身だが、家族を作っておけばよかったかなと少し後悔してしまった。是非とも皆さんに読んで貰いたい。

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    2021年01月02日
  • りん語録

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    ネタバレ

    前作「ききりんご紀行」が面白かったので購入(前作のあとがきで一年後にこのりん語録が出版予定とあったので待望の一冊)。期待以上だった。

    私はNHKの「グレーテルのかまど」という番組が大好きで、その番組にも登場したタルトタタンのお店へも今作では取材している。番組の内容ともリンクしてコラボのようでワクワクさせてもらった。

    他にもリンゴ農家と共生するフクロウや、リンゴジュースの「濃縮還元」の意味などりんごにまつわる盛り沢山の一冊。前作を読んでなくても楽しめるのでリンゴ好きにオススメしたい

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    2020年11月26日
  • 余命

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    ネタバレ

    何度読んでも、いい本だと思う。
    どうして滴はそんな選択をするのか?とは思うけど、
    彼女は彼女なりの幸せな人生を送った、と思える。
    谷村志穂、どの話も、結構重めだけど、好きです。

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    2019年09月29日
  • 海猫(上)

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    ネタバレ

    何度読んでも、素晴らしい。
    薫のような人生が理想。
    反対にタミも、これまた素晴らしい人生。
    長い小説だけど、読みごたえあって、壮大な風景が浮かぶ。おすすめです。

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    2019年09月08日
  • 余命

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    CATVにて映画を見た。最初からみたつもりが、どうやら、がん治療を行わずに出産に向き合うことを一人で決めたというシーンあたりから見た模様。どうしても全てが知りたくて、BOOKOFFに走りGET。一気に読み切りました。映画で印象に残っていたシーン、せりふ。案外原作そのままだったんだ・・と思いました。余命1〜2年という予想を覆す年月を生きていたこともあり、何だかほっとした。滴本人の生き方に対してはいろいろ思いもあるが、映画でも脇を固めた「かとうかずこさん」「宮崎美子さん」などの温かい人柄に感動した一冊となりました。

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    2018年10月12日
  • チャイとミーミー

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    ネタバレ

    22歳で逝った愛猫チャイとの出会いから別れまで。
    実家にいる17歳の猫に重ねながら最後のほうは読んだ。
    いつまでもそこにいて欲しい。
    我儘なことは知ってるけど。

    最後の章は、今回単行本出版に当たって追加されたものだそうだけど、この別れの章は必要です。
    苦しいけど。
    今この本に出会えて良かった。

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    2018年01月27日
  • 海猫(下)

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    大沼ワルツがよかったので これも買ってみたんだけど 面白かったー。映画になってたなんて知らなかったなぁ。
    このストーリーじゃ やっぱり広次の方が惹かれるよなぁ。男気があって気持ちが優しくて
    頼もしくて。
    でも薫も邦一も だれのことも心から愛してないように思えて仕方ない。それぞれが強い愛を貫いて この悲劇にたどり着いたなら それはそれで仕方ないと思えるけど ほんとに誰かを愛したのって広次だけだったんじゃないかなぁ。
    それでこの結末はつらすぎる。

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    2017年06月11日