谷村志穂のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
たまにこういう表面掬われるような本があって。
ちょっと自分が持っていかれる。
途切れ途切れ読むんじゃなくて、一気に読んだらもっと良かったのかな。
また、折に触れて読み直してもいいな。
谷村さんの女性の描き方は、結構好きです。
登場人物の名前や、出てくる物・言葉・表現を少しずつ重ねた短篇集。
そういう、気づける範囲の巧さは読んでいて安心できる。
それから、
「ひとことで言えちゃうような存在になりたくない」と思った今日に、
「一言で表現できる相手」という言葉を含む表題作を読めたっていうのが面白いなと思う。少し、この本と、重なった。
(-)
解説がちょっと苦手。文章ではなくて、書き手に依存した -
Posted by ブクログ
とにかく、出てくる女性がみんな、”ダメ女”という感じで。
しようも無い人を好きになっては傷ついてる。
理解できない人は出来ないんだろうが、
傷つきながらも、一生懸命、自分を幸せにはしてくれない男の人を
追いかけてる女性たちを嫌いになれないなぁと思って読んじゃった。
ラストの、「みにくいあひる」では、
周りに結婚・出産の事実を伝えられないほどに
今までとは全くタイプの違う人と一緒になった人。
最後の最後に、彼女は正しい選択をする、というか。
恋愛と結婚はちがう、という価値観に根付いて、
今のうちに一杯傷つきながら、恋愛を楽しむのもいいんじゃないかとおもったり。 -
Posted by ブクログ
しずくは総合病院の外科医として毎日忙しく、やりがいを感じて働いている。
夫の良介は医大の同級生だが、卒業後、医者にならず売れないカメラマンである。
結婚して10年。忙しくても仕事にやりがいを感じ、
家のことを夫に任せてそれでいて夫を愛し、バランスのとれた生活をしていたしずく。
ある日しずくは自分が思いかけず妊娠していることを知る。
そして、妊娠に喜ぶ一方で、乳癌の再発を知る。
外科医として患者に余命を宣告する立場にあり、患者を看取らなければならない立場にあり、それでいて自分の余命に向き合う必要があった。
やまいから逃げるようにして仕事にうちこむしずく。
再発を知らされず、新しい命をた