あらすじ
郷里をはなれ、好景気に沸く東京で暮らすことを選んだヒロインたち。仕事で成功すればビッチと噂され、妻子ある男との恋に傷つきながらもつい貢いでしまい、流行の車やバッグを頻繁に買い替える。華やかな日々の果てに、自分は何を求めているのか分からなくなり、ついにはすこやかな身体まで失っていく。母とは違う生き方をめざしたのに、「賢い女」になれなかった自分。それでもやがて、母親となる日が訪れ……。精一杯生きる女性たちに贈る傑作恋愛短篇集。
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Posted by ブクログ
この本には女性の恋愛物語が、6つ収められている。
どの女性も自身の恋愛観の中で、苦しみ、傷付いているが、周りの大切な人から愛情を受け幸せを見つけていく。
そんな心の動きを見事に描写した読み応えのある一冊です。
Posted by ブクログ
たまにこういう表面掬われるような本があって。
ちょっと自分が持っていかれる。
途切れ途切れ読むんじゃなくて、一気に読んだらもっと良かったのかな。
また、折に触れて読み直してもいいな。
谷村さんの女性の描き方は、結構好きです。
登場人物の名前や、出てくる物・言葉・表現を少しずつ重ねた短篇集。
そういう、気づける範囲の巧さは読んでいて安心できる。
それから、
「ひとことで言えちゃうような存在になりたくない」と思った今日に、
「一言で表現できる相手」という言葉を含む表題作を読めたっていうのが面白いなと思う。少し、この本と、重なった。
(-)
解説がちょっと苦手。文章ではなくて、書き手に依存したような読み取り方はあまり好きじゃなくて。
よっぽど好きな作家じゃなきゃエッセイは読まない。
きちんと知りたいと思わないうちは小説だけ、がいい。
Posted by ブクログ
とにかく、出てくる女性がみんな、”ダメ女”という感じで。
しようも無い人を好きになっては傷ついてる。
理解できない人は出来ないんだろうが、
傷つきながらも、一生懸命、自分を幸せにはしてくれない男の人を
追いかけてる女性たちを嫌いになれないなぁと思って読んじゃった。
ラストの、「みにくいあひる」では、
周りに結婚・出産の事実を伝えられないほどに
今までとは全くタイプの違う人と一緒になった人。
最後の最後に、彼女は正しい選択をする、というか。
恋愛と結婚はちがう、という価値観に根付いて、
今のうちに一杯傷つきながら、恋愛を楽しむのもいいんじゃないかとおもったり。