谷村志穂のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
帯タイトルは
「自分だけ幸せを
つかみ損ねていると
泣きたくなった夜はありますか?」
恋愛短篇集。
これは若い子(とか言いたくないけど。苦笑)、
たとえば10代、20代前半は読んでも
ピンとこないと思うし
もちろん年齢なんか関係なく
全く好きでもない人もいるかと思います。
特に男性は絶対読まないはず。苦笑
だって、
女の面倒くさい部分と
女の不機嫌な部分が
たくさん詰まっているから。
ひとつひとつは数ページの短い作品たちですが、
日常の中の
熟れてきている感情だとか
実は傷ついていたり
疲弊している部分を
女性のフィルター越しに
覗くことができます。
どこかに自分を重ねてしま -
Posted by ブクログ
子どもを産みたいという強い思いから、夫にもがんの再発を告げず、あろうことか夫を遠ざけてさえして一人孤独な戦いを続ける滴。
どうして夫に告げなかったのか。
私だったら、再発を告げ、それでも出産したい気持ちを必死に訴えると思う。
でもちゃんと読み進めていくと、この滴の選択に感動を覚えてしまう。
それほどに、壮絶且つ愛情あふれる作品だった。
がんによる死が待ち受けているのにもかかわらず、なぜか物語は穏やかに、そして温かに展開する。
それがより一層読者の気持ちを切なくさせる。
そして強く生きる滴の姿から時より垣間見える脆さに胸が締め付けられる。
乳がんの再発にも涙を流さなかった滴が、夫の顔を眺めて