尋ね人

尋ね人

649円 (税込)

3pt

五十年前に突然姿を消した恋人を探してほしい。末期ガンの母・美月からそう懇願された。将来を誓いあった東北大生だったという。東京で恋に破れ、故郷函館でひっそり暮らしていた李恵は母の願いに応え、男の行方を捜し始める。史上最大級の海難事故・洞爺丸遭難が、人びとの運命に打ち込んだ楔(くさび)とは。現代と過去、母娘の恋が交錯する。『海猫』『余命』を越えた、恋愛小説の最高峰。

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尋ね人 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    物語の舞台になっている函館の街に行ってみたくなった。

    函館山や市電、消え去ろうとしている洋館などは勿論なのだが、佐藤泰志の作品とも共通するどこか他の都市とは違う時間の流れ方、田舎の長閑さとも微妙に異なる日本の近現代の歴史と連なりながらもゆっくりと時を咀嚼して噛みしめてきたような雰囲気がある。

    0
    2015年03月04日

    Posted by ブクログ

    人生でも仕事でもパートナーであった男との関係が破綻し、母親が病に倒れたこともあり、東京から実家のある函館に戻ってきた李恵。そこで、母親から昔好きだった人を探して欲しいと頼まれる。娘にとって、母が女である部分を見せられるのは複雑だろうが、次第に理解できるようになっていく。余命いくばくかになった時、そん

    0
    2023年02月05日

    Posted by ブクログ

    末期ガンの母から昔好きだった男性のことを探して欲しいと頼まれたら、張り切って力になろうとするだろうな。最期に願いを叶えてあげたい。残念な結果だったけれど、何もわからないよりはいいのかもしれない。
    いつまでも忘れられない人というものがいるというのは素敵ね。

    0
    2020年01月07日

    Posted by ブクログ

    ストーリーは東京で仕事と恋人を失って故郷に帰ってきた娘(李恵)が余命幾ばくもない母の願いを叶えてあげるという話。

    母の願いというのが、昔の恋人だったひとを探してほしいというもの…。
    はじめは嫌悪感を感じていた李恵も、古賀との出逢いや母の気持ちをしり、昔の恋人を探しはじめる。

    面白かった。
    函館に

    0
    2016年07月08日

    Posted by ブクログ

    長年の恋を終わらせ故郷に帰った娘と、末期がんで人生の終わりが近づいてきている母の交流が胸に沁みます。
    母親の結婚前の恋人を探すことを約束したのはいいものの、その母親の女だった部分に触れ、戸惑いや苛立ちを覚えたり、母の歩んだ人生を推し量ってみたり。
    等身大の主人公が良かった。
    「海猫」でも思ったけど、

    0
    2015年07月15日

    Posted by ブクログ

    谷村志穂氏らしい淡々とした語り口のしなやかに生きる女達をモチーフにした一作。
    昔の恋の真相を追い求める母と過去の恋を振り切り新たな人生を模索しようともがく娘。
    どちらの気持ちもなかなかスッパリと思いきれるものではない。

    0
    2015年04月29日

    Posted by ブクログ

    人をまっすぐに愛することの難しさと
    人間の弱さと強さを感じることのできる本でした。
    涙が出るほど切ないわけでは無いけど、
    胸の奥がジワリと滲むような感覚に襲われました。

    私も母とこんな話がしたい
    そして母が書く「手紙」が欲しいと思いました。
    今の時代メールなどで済ませる事が多いけれど、手紙は残るし

    0
    2015年04月13日

    Posted by ブクログ

    母から50年前に突如姿を消した恋人を探してほしい、と依頼された娘。東京で恋に破れ、故郷の函館に帰ってきた娘が、自身の生き方を模索しながら、母の恋人を探そうとする。

    0
    2015年03月02日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    恋人も仕事も失って故郷に戻ってきた李恵と
    末期ガンとなり、それでも普通に生活をしようとする母・美月の
    やりとりや、お互いを思い合う気持ちに胸がくるしくなる
    洞爺丸遭難事故が生々しく蘇り、関わり
    母の恋と自分の恋、感情のやりとりがやるせない感じ
    函館の街の美しさと閉塞感が手に取るよう
    夢中になってペー

    0
    2015年04月05日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    何度目かの再読。
    五十年前に姿を消した恋人を探してほしいー
    知らなかった母の一面にとまどいや葛藤を覚えながらも、その思いに応えようとする李恵。

    海からの潮風、かもめの鳴き声、甘いイカのお刺身。
    すっかり小さくなってしまった母と、昔と変わらないお裾分けの黄色いカステラ。
    函館での李恵の生活が目に浮か

    0
    2021年09月12日

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