プラトンのレビュー一覧

  • プロタゴラス~あるソフィストとの対話~

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    ・哲学者プラトンが書いた初期対話篇です。
    この書を読めば、如何にソクラテスが「知」というものを重視し、また自分は何を分かっており、何を分かっていないのかの線引きをハッキリさせる事に真剣だったかが理解出来ます。

    新訳なのでスラスラ読めました。おすすめです。

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    2018年12月19日
  • 国家 下

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    下巻もサラッと読み終わる。翻訳は読みやすい。しかしきっと原著がまだるっこしい。
    知的探索の方法としてプラトンが対話を選んだことには理解を示しつつ、それが上手く機能しているのか、というと、どうだろう。
    1人に1つの役割、というプラトンの想定では、1人が自分の中で複数の意見を対立させる、ということが考えにくかったのか。
    もしくは、自分の中で対話をするにも、その仮想の対話をシミュレーションするにはいくつかの人格を置く必要があり、自己のなかのそれぞれの立場にソクラテスやそれ以外の名をつけたのだろうか。
    プラトンは実際には1人で本著を書いているわけだから、後者なのだろう。しかし、その前提になるのは前者、

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    2018年11月18日
  • ゴルギアス

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    饗宴を買いに行ったのになかったので、こっちを買う。結果的にはその順序で良かったか。これが最後というのもあまりよくなかっただろう。

    対話篇としては、国家を先に読んでると、最後の方はダレてくるが、それでも、抜群に面白い。270ページを1日半で読み終えた。
    哲学なんて子供のやるもんだ、大人は嗜む程度でいい、というようなことを、プラトン が書いているんだと思うとやはり驚く。
    現実でそう言われたことがあってそれへの反論でもあるのかもしれないが、そのときに、もしかしたら本当にそうなのでは、と逡巡したということもあり得るだろう。

    ソクラテスの弁明やクリトンを細かく吟味しなおす様子は、当時のソフィスト、弁

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    2018年11月18日
  • 国家 上

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    ソクラテス先生の僕が考えた最強の国家の巻。

    プラトン哲学の集大成の呼び声も高い本書。
    正義とは何か?という導入部から始まっており、
    理想の国についての議論に移っていくという流れだが、
    扱うテーマは職務や結婚、戦争など多岐に渡っており、
    男性も女性も分け隔てなく向いている職務に着き、
    幸福を皆で共有し、それを実現するために支配者は
    真理を追究する哲学者であるべきと結論を出している。

    個人的に印象に残ったのは以下の二点。

    一つ目は、神々の不道徳な逸話を問題視している点。
    ギリシア神話の神々のやることがひどいというのは、
    「図解雑学ギリシア神話」の感想に書いたが、
    神々を人々の道徳の規範とすべ

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    2018年09月23日
  • リュシス 恋がたき

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    友愛について探る“リュシス”と、哲学と知について探る“恋がたき”の2つの対話篇が収録されています。
    ソクラテスと若者が対話を通して真理を求める内容です。
    短編ですが、きちんと理解して読み進める必要があります。
    読み応えもあり、楽しみながらプラトンに触れられる一冊。

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    2018年04月04日
  • ゴルギアス

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    対話を通して様々なことを考える。特に弁論術に関しての話。プラトンの描くソクラテスをどう思うかいろんなことを考えた。至善を尽くそうとすることの難しさを理解するのにもいい気がする。読むことで何かが息づく。そういう感触のあるテキストだった。

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    2017年12月18日
  • 国家 上

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    【政治学の参考文献】
    古代ギリシャの哲学者・プラトン(前427~前347)の代表作。
    理想国家について論及した世界最古の政治学の書と呼ばれるもので、後の西洋哲学に絶大な影響を与えたらしい。
    真の政治は哲学(学問)に裏付けられていなければならず、政治的権力と哲学的精神とが一体化され、多くの人々の素質がこの二つのどちらかの方向へ別々に進むのを強制的に禁止しない限り、国々にとって人類にとって不幸の止む時はないという。

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    2017年04月26日
  • メノン

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    ネタバレ

    プラトン大好き

    なんて、
    なんて、
    わかりやすいの!

    中身はむつかしいのだけど
    言葉の選び方や
    人への伝え方、
    説明の仕方、
    素晴らしくて
    本当に良書。
    たまに取り出して読み返している

    徳とは何か
    備わっているものは何か

    人について
    考えるよ

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    2016年09月21日
  • メノン

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    徳を教えることは出来るのか。そもそも徳とは何なのだろうか。比較的簡単に読めた一冊。最後はよく分からないままソクラテスが去っていき?状態。さらにプラトンの本を読む必要がありそうだ。想起説についてとても分かりやすく書いてあったので、また近いうちに開くことになりそうだ。

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    2015年11月03日
  • パイドロス

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     「パイドロス」はプラトンによる対話篇で、紀元前370年代に書かれたもの。プラトンの活動においては中期に位置する著作である(解説 p.191)。
     時は真夏の晴れた日盛り、アテナイ郊外にあるイリソス川のほとりで、ソクラテスとパイドロスが対話する。
    このパイドロスなる人物は、プラトンの他の著作(『饗宴』『プロタゴラス』)にも姿を見せ、「時代の風潮に敏感な、全般に快活で好奇心に富んだ一人のアテナイの知識人」(解説 p.189)だったようだ。
     対話の主題は弁論術についてである。弁論術は当時のアテナイにおいて花形的技芸であったらしい。「言論の自由と法のもとにおける平等をたてまえとする民主制下のアテナ

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    2015年10月30日
  • テアイテトス

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    同じ田中先生訳が岩波文庫に収められていましたが、底本をプラトン全集に変更し、補注を加えるなどした決定版!産婆術のエピソードや無理数論、知識とは何か論など、談論風発で大変面白い。

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    2015年09月25日
  • メノン

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    『ゴルギアス』とか『プロタゴラス』では、ソクラテスが相手のソフィストをイライラさせてやや緊迫感があるが、『メノン』でのソクラテスは、美青年を相手にご機嫌に自説を述べており、これはこれでおもしろい。論旨もすっきりしており、ソクラテスの(実際はプラトンの)想起説などがわかりやすく説かれている。

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    2015年06月24日
  • パイドロス

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    美そのものへ昇りつめようとするイデア論と、魂そのものは不死である、という観点が合わさった対話篇。
    真善美を看取するには、「愛知者=哲学者」である必要がある、という《哲学者のすすめ》の意味をもつ書。
    そう考えると、「真善美」を扱うわけだから、「美について」という伝統的な副題は誤りというべきかもしれない。

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    2015年04月25日
  • 饗宴

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    欲望というものを如何に考えるか、という対話篇で、
    いくつかの主張が各論者によってなされる。
    ソクラテスのものは美そのものを観取するのだ、というイデア論の先駆け的な主張。

    最後に、アルキビアデスの乱入が描かれたのは、
    アルキビアデスとソクラテスの関係性を書き換え、ソクラテスの立ち居振る舞いをポジティヴに描きだそうとした、というようなプラトンの政治的意図があるか。

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    2015年04月25日
  • 国家 上

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    人間に正義はないが、国家は、みんなが分業して暮らしているので、利害調整のために正義が必要だ。正義は人間のためにあるのではなく、国家のためにある。政治は私利私欲のない、暇な人が、善意でやるべきで、そういう人じゃないと正義の守護者になれない。正義にみられるのではなく、正義であることが国家の正義の本質だ。だから政治家は音楽や文芸に親しむ感受性の強い人が良い。そういう人は権力に敏感だから、仮に他国と戦争になっても、第三国を巻き込んで同盟工作をかける知性を発揮するはずなので、大丈夫だ。などとソクラテスが語りまくる。

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    2014年11月12日
  • プロタゴラス~あるソフィストとの対話~

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    ネタバレ

    「人間の徳(アレテー)は、教えられるものなの か?」「ソフィストとは、そもそも何者か?」。若 くて血気盛んなソクラテスは、アテネを訪問中の プロタゴラスのもとにおもむき、徳をめぐる対話 を始める。しかし、議論は二転三転。次第に哲学 的色彩を強めながら、やがて意外な結末を迎える ことになる。プラトン対話篇、最良の入門書。

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    2014年07月02日
  • パイドロス

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    プラトンの著作で僕が一番好きな本。

    この本の題名になっているパイドロスとスーパーおじいちゃん(ソクラテス)との対話編。

    「自分に恋している人ではなく、自分に恋していない人に身を任せるのがよい。」そんな恋愛論からこの本は始まります。

    恋についての3つの説話から派生して、魂について、弁論術について、文字の弊害、真実、愛知者(哲学者)について対話が続いていきます。

    これがとても面白く刺激的。
    まったく紀元前に書かれたとは思えない。

    訳も読みやすく古くささを感じさせません。

    とてもおすすめ!





    注:イデア論をそのまま信じると形而上学的な悩みに陥る方はウィトゲンシュタイン(青色本)な

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    2014年05月09日
  • 国家 下

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    プラトン最大の対話篇。
    正義から始まり、国家、真実在、教育、芸術、魂を対話によって哲学する。
    2000年以上たっても何も変わっていないのだなあとつくづく感じる。イデアはどこか天上界にあるのではない。洞窟の比喩が間違って解釈されてしまっている。イデアは、見るー見られるの関係と同じく、知るー知られるの関係によるものなのだから、ほかでもない、自分自身の思推の力によってしかたどり着けないもの。
    優れた芸術は常に感覚による模倣だから、真実在へ思考する力を養う教育において大きな役割を果たすが、模倣であることからは逃れられない。ワイルドのいう「芸術は人生そのものではない」や「外観で判断できないような人間」「

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    2014年03月14日
  • 饗宴

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    ネタバレ

    ソクラテス先生 飲み会で友人達と愛について語り合うの巻。

    ソクラテス四大福音書の一つらしい。
    他の三つと違って友人の家で飲み会をし、
    愛について語り合うという何とも楽しい内容だが、
    大正時代に訳された原稿を50年前に書き直した物なので、
    難しい言葉が多く、読むのはなかなかしんどい。

    「愛とは不死のための欲求である」
    というのがこの本で主張したいことなんだろうけど、
    様々な人物に愛についての意見を語らせて、
    最後にソクラテスが他者から聞いた話という形で、
    結論を持ってくるという構成が見事。流石プラトン。
    一つだけ毛色の違うこの本が、
    四大福音書に一つに数えられているのも頷ける。

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    2013年12月07日
  • 饗宴

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    池田さんの影響。1971版。読めない漢字が多くて大変だった…
    こんな風にギリシアのポリス市民は宴会をしていたのだと思うと、こんな素晴らしい宴会はないと思う。
    倫理か何かの教科書だったか参考書に、この本について「同性愛か異性愛どちらがすばらしいかについて対話している」みたいなことが書いてあったが、全くのでたらめだ。そんな小さな一手段を書くためにプラトンは言葉にして書き起こしたのではない。
    演説として数名の人物が愛(エロス)について述べたところはなんだか難解で小難しく思われたが、ソクラテスの発言(ターン)になると途端にすっとわかってしまった。池田さんが書いていたように、ソクラテスは哲学そのものだか

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    2014年03月14日