プラトンのレビュー一覧

  • メノン

    Posted by ブクログ

    大学時代、課題図書だった為に読んだが、かなり面白く、好きになった本。

    徳を積むとは何か。
    徳とは何か。
    人生とは。

    答が出ないところを延々と回るやりとり。
    哲学の本。

    0
    2011年07月20日
  • 国家 下

    Posted by ブクログ

    正義とは何か、正しい国家とは何かについて語られる。哲人王の統治や有名な洞窟の比喩もコンテクストの文脈で語られると意義深い。広範に渡って語られるため全貌を掴むにも何度も読み込む必要がありそうだ。理想の国家から堕落していく国家のあり方はアテネだけでなく、古代ローマ、フランス革命などと照らし合わせても正しいと感じられ洞察力には舌を巻いた。また、魂の不死を説いたエルの物語は現代人にも説得力を持つように感じられた。

    0
    2011年07月20日
  • 国家 上

    Posted by ブクログ

    プラトンがソクラテスに仮託して語る国家の理想像、正義の本質。その議論は古代から今日に至るまで多くの人々に影響を与えてきた。今日の、建前上民主主義国家のなかで生きている我々にとっては、議論の前提となっている支配者/被支配者の二分法は非常に違和感があるが、この点を乗り越えていくことに『国家』の議論を批判的に継承していく鍵があるのではないか、と思う。

    0
    2021年10月19日
  • ゴルギアス

    Posted by ブクログ

    ソクラテスが弁論家、その弟子、政治家と議論し次々に論破していく。三人は矛盾をつかれたり、論旨をすり替えようとしたり、揚げ足をとったり、逃げようとしたり、感情的に非難したりするが、ソクラテスの首尾一貫した論理には黙らざるをえない。哲学書ではあるが議論の正しいやり方としても読める。哲学的には公共善とは何か、政治とは何か、いかに生きるべきかなど現代にも当てはまるテーマだと思う。カルリクレスの説はニーチェが支持したらしい。

    0
    2011年05月01日
  • ゴルギアス

    Posted by ブクログ

    プラトンの初期対話篇。

    弁論家(ゴルギアス、ポロス)や現実政治家(カルリクレス)に代表される価値観と、哲学者(ソクラテス)に代表される価値観と、二つを対比して後者の方こそ真に目指されるべき生き方であることを論証していく。前者は、カネ・権力・快楽以外の価値を認めずそれら計量可能な「快」をより多く獲得することが――「真=善=美」に適っているか否かとは無関係に――幸福であるとする即物的な(無)価値観。後者は、カネ・権力・快楽を超えたものとして「真=善=美」という特定の価値を認めてそれを求めることが幸福であるとする形而上的な価値観。

    前者の立場からカルリクレスは、「法は弱者のルサンチマンの実体

    0
    2011年03月27日
  • パイドロス

    Posted by ブクログ

    人類史に残るような偉業は狂気によって生み出された。
    俗世的な正気からは、けちくさい奴隷根性しか生まれない。
    魂の快活さ、躍動感こそ大事なんだ。
    ソクラテスによって語られる恋
    ―アプロディテの子、エロース―
    の物語(ミュートス)は圧巻!

    0
    2009年10月04日
  • ソクラテスの弁明 ほか

    Posted by ブクログ

    哲学に生き、死んだ人。哲学・思想と行為を一致させた人。自らの命を度外視して正しさを主張した。

    哲学の基本書。プラトンの著作はたいてい対話形式で書かれているが、この著作に限っては、途中メレトスとのやりとりがあるものの、主としてソクラテスの一方的な独白形式で話が進む稀な作品。確かに弁明という性質上、形式的には必然かもしれないが、ソクラテス自身が聞き惚れそうになったと言うほどの (流されないようにと陪審員へ注意を促すのが真意だろうが)メレトス側の弁論が一切書かれていないのは、双方の主張を取り上げて吟味するプラトンの一連の作品からすると読者にとってあまりに一方的で異例な事のように思われる。例えば饗宴

    0
    2009年10月04日
  • 国家 下

    Posted by ブクログ

    内容に入る前に一言…「長いんじゃ、ボケ!」 そして、対話のテーマが、柱である「国家論」「正義論」に留まらず、あらゆる方向に伸びてるのに巻数ごとのテーマ別の分類などが一切無いため、非常に読みづらい。まぁ、解釈書じゃないから原典に忠実でなければならないのはわかるけど…苦しかった。



    さて、下巻では上巻の最後で登場した「哲人統治」の続きから。結局は真理や実在を愛する哲学者が、国を守る…というか支配するのに相応しいということでファイナルアンサー。トラシュマコスさんが陥落した今となっては、誰もソクラテスの意見に異を唱えません。「アナタノイウコトハタダシイデス」…そんな言葉ばかり繰り返してないでもっと

    0
    2009年10月04日
  • ソクラテスの弁明

    Posted by ブクログ

    死についてや、「無知」について考えることができた。
    自分がはっきり「知らない」という自覚を持つ場合にだけ、その知らない対象を「知ろう」とする動きが始まる。
    「知らないこと」を自覚していない状態こそが、最悪の恥ずべきあり方であった。

    0
    2025年12月09日
  • 饗宴

    Posted by ブクログ

     ギリシャ時代、おとこたちは、寝そべって、酒を飲みながら、語り合う。そのスタイルは、優雅だ。
     ソクラテスの以外にエロスについて語るのは、パイドロス、パウサニアス、エリュクシマコス、アリストパネス、アガトン、アルキビアデスの6人である。

     フロイトのエロスは、生命を維持し、統合しようとする本能。これは、性的な欲望や自己保存本能、そして個々の要素を結合させてより大きな全体を形成しようとする「生の本能」全体を指している。そして、エロスの対をなすタナトスを概念化した。タナトスは、フロイトが晩年に提唱した「死の本能」。これは、生命が元あった無機物の状態へと回帰しようとする破壊的な本能である。フロイト

    0
    2025年09月28日
  • ソクラテスの弁明 クリトン

    Posted by ブクログ

    ソクラテスの高潔さに畏敬の念を抱く。神からの啓示を得た彼は、ギリシャ世界に正しい秩序をもたらすべく奔走した。エセ知恵者を論理で斬り、多くの人に恨まれる形で。

    時代が悪かった。ペロポネソス戦争での敗北でアテネに不安が満ちていた。青年腐敗の根源とされたソフィストと一緒くたにされ、ソクラテスは国家安定のため生贄にされる。

    散り際は美しい。法治の重要性を説いた張本人が、法の決定に背くことはあり得ない。クリトンの脱獄の提案に優しく丁寧に反論し、極刑を受け容れる。

    良心の呵責に訴えるのではなく、信念に生きた古代ギリシャの哲学者を描き出したプラトンは流石である。生き方が武士のそれに近いのは錯覚だろうか

    0
    2025年09月28日
  • パイドン 魂の不死について

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    刑死の当日、ソクラテスは弟子たちと「魂の不死」を巡る探求に挑む。魂はいかにして肉体の死を超えうるのか。魂のあり方は人間の生き方にいかなる意味をもつのか。

    0
    2025年09月17日
  • ソクラテスの弁明

    Posted by ブクログ

    ソクラテスだよと思ってたらソクラテスについてプラトンが書いたなんと創作物みたいなやつだった!だからこれは実質プラトンかも!!!

    濡れ衣着せられたソクラテスですが結局死刑になっちまったよ〜な話 書いてるのは弟子のプラトンね。ソクラテスを陥れた奴は結局何かを得れたのかな。

    自分はそんなことしてないけど、あれこれ言い訳すんのもアレだし、己を貫き通して死にすら殉じるぜ!みたいなのよくこの界隈で見る気がする。己の矜持や誇りがすごくて、かっこいい生き様ってこういうのを言うんだろうな〜と思ったりした。私もこうなりたい!

    あとびっくりしたんだけどプラトンとソクラテスってめちゃ歳が離れてるんだね。
    プラト

    0
    2025年09月16日
  • ソクラテスの弁明

    Posted by ブクログ

    この本を読んでいるあいだ、私はまるで紀元前のアテナイにいて、法廷の片隅からソクラテスの言葉を傍聴しているような気持ちになった。論理や言葉の力で彼が人々に語りかける姿に引き込まれ、ページをめくる手が止まらなかった。

    解説を読みながらでなければ理解できない部分もあったが、それでも彼の思想の核は強く響いてきた。とくに印象に残ったのは、「知らないことを恐れる必要があるのか?」という問い。人は死を恐れるが、それは“死”を知らないからであって、本当に恐れるべきことなのか? もしかしたら、死は良きものかもしれない――そんな風に、未知を恐れずに、自らの信念に従って生き抜く姿勢に心を揺さぶられた。

    ただの哲

    0
    2025年07月18日
  • ソクラテスの弁明

    Posted by ブクログ

    有名すぎる本作、ようやく手に取って読破。
    無知と不知の違いについては目から鱗だった。日常において、知らないことを知らないと自覚する事は、実は現代人の私たちも大多数が出来ていないように感じる。
    インターネットが普及し簡単に事物を調べられるからこそ、この本の価値が増しているように思う。

    0
    2025年07月15日
  • 饗宴

    Posted by ブクログ

    難解な哲学書なのだろうと勝手に決めつけていたが、ユーモア溢れるエンターテイメント性のある作品で驚いた。
    本書を読んで一番の衝撃は、そこかもしれない。

    偉大なる?ソクラテスたちが飲み会でどんな話をしていたのか…その様子を垣間見ることができるとう何とも興味深い作品。

    エロスを賛美する、そもそもエロスとは何なのか、なぜ賛美に値するのかなどが知識人たちによって議論される。

    こんな高度な知的な飲み会…あるかいな笑
    いや、こんな宴に参加してみいものだ。
    古代ギリシャの文化や風習を知ることもできて、非常に興味深かった。
    少年愛が当たり前の世界…。時代によって、当たり前は全然違う。だから世の中の見え方も

    0
    2025年05月30日
  • ソクラテスの弁明 クリトン

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    言葉遣いが古い(昭和感)が、それは訳の問題。
    プラトンの筆致には古さを感じない(これは訳のおかげといえるか)。

    日本語の言葉遣いのせいで多少読みにくいところもあるが、そんなに問題はない。
    内容そのものは思っていたより平易で、2000年以上も前の人たちとの考え方と現代人の考え方は意外にも似通っているんだなと感じた。
    ソクラテス、死刑になるほど悪いやつではないけど、そりゃ嫌われるよなと思った。

    0
    2025年05月14日
  • 国家 下

    Posted by ブクログ

    下巻の見所は、第7巻(洞窟の比喩)と第10巻(エルの神話)だ。哲学的象徴性と倫理的・宗教的深みの両方が味わえる部分であり、プラトンの思想の核心を理解する手がかりになる。

    第7巻の「洞窟の比喩」は、本家プラトンよりも分かりやすく解説した本が世に出回っているので目新しさがないが、プラトンのイデア論の核心部で、人間の認識とは何かという問いに迫る部分。洞窟に捕らえられて影絵を見る囚人の喩えは、その語ろうとする認知論の本質以上に詩的な状況であり、何故だか私はうっとりしてしまう。

    第10巻の(エルの神話)が私にとっては新鮮だ。

    そのむかし、エルは戦争で最期をとげた。一〇日ののち、数々の屍体が埋薬のた

    0
    2025年04月21日
  • ソクラテスの弁明

    Posted by ブクログ

    別の書籍で取り上げられており、以前から読みたかった本。少し背伸びして読みましたが、解説も丁寧になされているので、思っていたよりは読みやすい。知を追求することの本質が書かれていて、もう少し理解を深めたいと感じた。

    プラトンの別作品も読んでみようと思っています。

    0
    2025年04月17日
  • 国家 上

    Posted by ブクログ

    定番中の定番なので、少し違った読み方で感想を書いてみる。ソクラテスとの対話で序盤に登場するトラシュマコスのウザ絡みの意義についてだ。論破王ソクラテスの人に言わせて否定する弁論術を卑怯だと、相当な勢いで突っ込んでくる。今風に言えば成田悠輔やひろゆき相手に挑戦するみたいな感じだろう。

    で、このトラシュマコスだが真正面から突っ込んで早々と本書から退場させてしまう。そのせいで議論の場が安全な空間に変質してしまい、そこからソクラテスの独壇場が始まる。

    黙らされたことで「正義って、議論で勝ったほうの定義になるのか」という不信感が強まる。ソクラテスの論法はいわゆる勝ち負けを決する議論の進め方であり、必殺

    0
    2025年04月14日