プラトンのレビュー一覧
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ネタバレパイデラスティア、美の梯子
本文もさることながら、解説が詳しく書かれているのが本書の良い点である。歴史的背景と文化的背景がわかりやすく、理解の助けとなった。なかでも、パイデラスティア(少年愛)について誤解を与えぬよう配慮しながらの記述に多く学んだところがあった。
古代ギリシャ人の性は、現代における性とは異なる側面をもっているため、現代的な価値観を通して評価するのは危険である。古代ギリシャ人の愛は近代的な価値観の枠組みの外にある。彼らの性的な愛は対等な関係を前提としておらず、不均等な優劣の中で成立する。それは少年愛に限らず、女性との関係においても動揺で、彼らにとっての性は能動—受動という関係 -
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プラトン著作の中から『リュシス』と『恋がたき』の2編を所収。(但し『恋がたき』は偽書の可能性があるとのこと)
『リュシス』は「友」とはどういう人か、さらに「愛する」とはどういうことかを問うた対話篇で、『恋がたき』は「哲学」とは何か、さらにどんな「知」を愛することなのかを問うた対話篇である。
根本としてどちらも「愛すること」「愛するとは」をテーマとした対話篇であるが、非常に短い短編となっていて、プラトンの対話篇に親しむにはとっつきやすい作品であるといえる。
それぞれの対話の構造的解釈は本書の「解説」に詳しい。
『リュシス』では美少年2人を相手に(しかも、ソクラテスの知人が対話の一方である美少年 -
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最近金のことを考えてたら、日課であった知的探求が完全にストップしてしまっていた。価値観は人それぞれかもしれないが、いつも内面に疑問を抱き続ける2か月ほどだったので、うまく脱却できまたプラトンに戻ってこれたことに、なんだか感謝の思いにまで至る。
解説に助けられながら、「饗宴」読み終わった。エロスについての対話。人間の欲望、愛、性。人生に欠かすことができない要点ともいえるエロス。結論としてはまだ不確かなところがあるが、肉体の欲望➡心の欲望➡関係からの欲望➡知的欲望と、エロスも段階的により価値があるものへと高められていく、という感じのところが印象的だった。「知」を幸福に至る最高の方法として置くが、 -
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ネタバレ若いときにこんな古典をあまり読んでなくて今回初プラトン。何年か前に買って積んでいたのをやっと1冊解消。
二千四、五百年前の異郷という時代・地理的距離もどのくらいのものか、日常生活の感覚の何がどう違うのか同じなのかつかめない。
弁論の評価とはいえ恋の口説き文句(しかも時代状況から少年愛、いまから見るとBL的前提だ)という卑近な話題から始まるあたりに親しみが持てる。そして論理的に推論し常識・直感に反した主張に至ったのをいったん高く評価しかけるもソクラテスがはたと考え「恋ってそんなにくだらないことなくない?神様の賜物じゃん?真理を求めるのと同じ崇高な精神じゃん?」と異論を高らかに詠い上げる。かじり読 -
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プラトンということで。
「知る」ということがどういうことなのかを巡って数学者とソクラテスが考える。知るということがどういうことなのか、考えてみたくて読んでみることに。
プラトンのいわゆる主要な対話篇と異なり、その思想体系を突き詰めた対話篇では決してない。しかし、それはひとえに、「知る」ということを考え続けていたからに他ならない。「知る」という行為が純粋に実践であると同時に、きわめて形而上学的な事態である。たぶん書いていたプラトンそのひともかなり難航したに違いない。
人間は流転すると言えば流転しているし、止まっていると言えば止まっている。ただのことばなのである。そんな風に存在はできてしまっている -
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初期プラトンまとめ読みの2冊目。
ソフィストのゴルギアスを相手に、弁論術について、議論を挑むソクラテスという構図は、基本的に「プロタラゴス」と同じだし、ソクラテスの論法も基本的には同じかな。
ただし、プロタゴラスさんが結構、人間味のある常識人だったのに対して、ゴルギアスさんは、もっと職業的な弁論家で、タイトルに反して、ゴルギアスとの議論は、早々に終わる。
ここまでは、ある意味、「プロタゴラス」の議論の復習といったところ。で、このあと、2人の若者が、「それは、納得いかない」とソクラテスに議論を挑む。その2番目のカルリクレスとの議論が、ハイライト。
カルリクレスは現実主義で、ソクラ -
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30年前くらいに読んだものの、再読。
そのきっかけは、
・対話という手法への関心
・「プラトン主義からの離脱」が個人の哲学的テーマ
ということなんだけど、もっとも直接的には、デリダの「プラトンのパルマケイアー」という論文で「パイドロス」を論じてあることを知って、関心をもったこと。
うーん、やっぱり、デリダの解釈、無理あるよ。まあ、脱構築って、正しい解釈ではなく、テクストの無数の読みを可能とすることなんだろうから、その無理矢理の手腕にただ驚嘆していればよいのだろうが。。。
内容自体への感想としては、面白いたとえ話しがいくつもあって、楽しかったというところ。イデア論としては、主著 -
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ネタバレソクラテスらによる、愛の中でも性的な愛を意味するエロスについての演説。平易な言葉で臨場感が伝わってくる本編訳に加え、舞台背景やなどについて約100項にわたる詳細な解説が理解に深みをもたせてくれる。とはいえ、考えが大きく変わることはなかった。
私は、人間を「よい」と認識するのは肉体と精神の相互作用によるものであり肉体の美しさを軽視すべきでないと考えている。
本書に、あらゆる体における美しさは同一、とあるが論理の飛躍としか思えない。
真理を語ろうとするから、美しい体は瓜2つとなるのは必然だろう。黄金比のそれだろうから。そして、真理だから、それを愛するべき、となる。此処が決定的に間違っている。誰もが -
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ソクラテスは、知者として高名なプロタゴラスに対して最大限の敬意を払い、持ち上げると見せて、彼の演説の中の、一見些細なことにも思える問題点を指摘する。はじめは余裕で応じていたプロタゴラスも、ソクラテスから次々と繰り出される質問に次第に追い詰められ、最後は自分の発言の誤りを認めざるを得なくなる。そんなプロタゴラスの様子と、ソクラテスの鮮やかなやり口に、昔見た米国のテレビドラマ「刑事コロンボ」が想い起こされた。プラトンの著作の中でも、読み物としての面白さが特に際立つ作品となっている。
「徳は生まれつき備わっているものではなく、教えられて身につくものである」というプロタゴラスの主張には、納得できる -
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もう二度とレジメにしたくないですねー笑
話が結構込み入っていてややこしい。
知識とは何かを問いながら、「~ではない」というかたちで反駁していく(結局こたえはみつからないのだけれど)。
ヘラクレイトスやプロタゴラスの言葉ーー「万物は流転する」「人それぞれ」ーーというかたちの相対主義をいかに乗り越え、共通のものとして知を立てることができるのか、ということがプラトンの課題。
あまりここでは「イデア」という発想が全面にはでてこないので、そのぶんだけややこしいのかもしれない。
そしてもうひとつのモチーフは、《産婆術》。
ソクラテスは、相手を窮地に陥れバカにするのだ、
という批判に応えるために、
ソク