作品一覧

ユーザーレビュー

  • ソクラテスの弁明 ほか

    Posted by ブクログ

    ソクラテス=無知の知 ぐらいの知識で読み始めたけど無知の知が生まれた壮絶な背景に胸を打たれた。
    政治家になっていい暮らしがしたい、際限なく欲を満たしたい、と言う動機で弁論術を学ぶ事が流行するが、弁論術ってただのおべっか人気取り術じゃん、偉い人の機嫌を取ることと市民の票を獲得する事だけが目的になってるじゃん。
    私たちが一番知識があって国をいい方向に運べますって顔してるだけで、実力や矜持は一切伴ってないじゃん。
    というソクラテスの指摘がアテナイ全体に刺さりすぎたせいでソクラテスの存在は権力者達から疎まれるようになっていく。
    作中でゴルギアスのアテナイでは知っているという事よりも知っていると周りに思

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    2025年02月09日
  • ソクラテスの弁明 ほか

    Posted by ブクログ

    哲学に生き、死んだ人。哲学・思想と行為を一致させた人。自らの命を度外視して正しさを主張した。

    哲学の基本書。プラトンの著作はたいてい対話形式で書かれているが、この著作に限っては、途中メレトスとのやりとりがあるものの、主としてソクラテスの一方的な独白形式で話が進む稀な作品。確かに弁明という性質上、形式的には必然かもしれないが、ソクラテス自身が聞き惚れそうになったと言うほどの (流されないようにと陪審員へ注意を促すのが真意だろうが)メレトス側の弁論が一切書かれていないのは、双方の主張を取り上げて吟味するプラトンの一連の作品からすると読者にとってあまりに一方的で異例な事のように思われる。例えば饗宴

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    2009年10月04日
  • ソクラテスの弁明 ほか

    Posted by ブクログ

    「自然の正義が燦然と輝きでるのは、このときだ。」カリクレス
    ソクラテスの弁明というよりも、ソクラテスの強弁。
    ただし、「クリトン」時の説得力は素晴らしい。
    また、「ゴルギアス」でのカリクレスとの対話も面白い。
    特にカリクレスの主張が、ソクラテスも言うように大胆で素直なものである。

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    2013年04月08日
  • ソクラテスの弁明 ほか

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    哲学者の代表みたいなソクラテス。
    彼自身は著作を残していないのだけれど、
    弟子であるプラトンがソクラテスの対話を書き残したため、
    今日までその名が残っているんだそうな。

    こうしたプラトンの著書はほぼ対話形式になっているので、
    小難しいイメージのある哲学書の中では異例的に読みやすくわかりやすい。


    「ソクラテスの弁明」
    ソクラテスが被告となっている裁判での弁論。
    結局彼は死刑になってしまうのだけれど、
    敬虔な神の僕である彼の「正しさ」に対する態度には胸を打たれた。
    こういう姿勢はカントに似ていると思う。

    有名な「無知の知」のくだりもここに収録されている。


    「クリトン

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    2012年05月02日
  • ソクラテスの弁明 ほか

    Posted by ブクログ

     法学部生は必読。たとえ法曹志望でなくても本書は一度くらいは目を通しておくべき基礎古典だ。ソクラテスの問答法がいかなるものかがよくわかる。と同時に彼の人生哲学の真髄がどういったものであったかということも知ることになるだろう。

     さて、今日誰もが認めるようにソクラテスは偉大な賢人で、真の哲学者であった。にもかかわらず、裁判の結果、処刑されることになる。なぜかというと現状に満足している多くの人にとって強烈な毒薬であったからである。「君は、疑いで人の心をしびれさせる電気鰻に似ている」といった人があったように、ソクラテス式の問答法によって人は疑念で心揺さぶられることになる。安定から不安定への動的変遷

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    2011年12月09日

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